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2015年

6月

30日

やるという覚悟が皆を動かす

再び仙台徳洲会病院の当直応援に出掛けました。
この日話題になった新幹線内での焼身自殺事件のニュースが、ちょうど私が仙台駅に降りた時に飛び込んできました。被害にあわれた方々にはお見舞い申し上げます。自分だったらどうしただろう・・・。新幹線が大好きでよく利用する身として、自分に置き換えて考えていました。
それにしても予測されないような状態に対しても、運転手はじめスタッフの対応は早かったのではないかと思います。しかも3時間余りで鉄道が再開したという対応の速さに驚きました。訓練されているからでしょう。


さて、仙台徳洲会には湘南外科チームが入っており、少し雰囲気が変わってきていました。このたび院長に就任した佐野先生とはほぼ同学年。初期研修医の頃、私が彼に救急で手の麻酔を教えたなんてことを覚えていて驚きました(悪い教え方したらずっと恨まれるということでもある)。彼は長いこと関西にある徳洲会の病院の院長を若くして勤め、今回の立て直しに白羽の矢が立ったというわけです。大阪はすべて整理して家族ともども仙台に移り、10年かけて一つのものを作る覚悟でいる、と語ってくれました。その心意気、覚悟が皆を動かすのではないでしょうか。また長年院長として考えてこられているためか、私にはない考えをもっていました。それは事務の方達、一般スタッフに対しての責任です。医師や看護師など資格職員は病院がダメになっても食べていけるが、事務職員はそんなに簡単なことではない。彼らの生活もかかっているのだと語る佐野先生は、立派だと思いました。また院内で色々な先生に頭を下げ低く出ている姿があり、同時に行動は早くということで既に大学病院周りもされていました。同じ年齢でありながらそこまでの覚悟は私にはまだないなと思い、ある先生が私に言ってくれた言葉を思い出しました。
<役をしっかり勤め上げれば役が人を作る>
まさに佐野先生と我々との差はそこにあるのだと思います。がんばってほしいと思います。

2015年

6月

27日

多発性骨髄腫の新薬ポマリスト講演会in TOKYO

多発性骨髄腫にとってサリドマイド、レナリドマイドは現在keyになる新規薬剤である。これらの薬剤は免疫調節作用も併せ持ち、IMiDs(immunomodulatory drugs)と呼ばれる。これらの作用メカニズムは長年不明だったが、2010年に日本の半田宏先生がセレブロンという蛋白がサリマイドの催奇形性と関係があることを発表してから、解明が進んできている。

IMiDsの作用機序はセレブロンに結合して発揮される。セレブロン-DDB1複合体は、細胞内でのタンパク質の廃棄方法(古くなった蛋白の処理場)の一種である「ユビキチン-プロテアソーム系」で働くタンパク質で、薬剤はここの結合する。IMiDsのくっつくセレブロンは、自身の分子表面の形とぴったり符合できるものを「基質タンパク質(細胞に不必要な、廃棄するタンパク質)」として捕らえて処理工場へ送り込む。この基質タンパク質には「転写因子」も含まれている。多発性骨髄腫で大切な転写因子 IKZF1(Ikaros )and IKZF3( Aiolos)も含まれている。つまりセレブロンはタンパク質分解系を通して、細胞の遺伝子の発現を調節する極めて重要な機能をもっているということになる。ここに結合するIMiDsが多発性骨髄腫の治療になるのもうなづける。
 

さて今回発売されたポマリストもこの作用をもっていて、レナリドマイドより投与後のIKZF1(Ikaros )and IKZF3( Aiolos)の減少が早いという。またデキサメサゾンとともに治療するとB細胞の機能は落とす一方で、T細胞やNK細胞の活性はあがり、T細胞からIFN-γやTNF-α、IL-2などが多く産生されるようになるという。効果がある人ほどCD8細胞においてサイトカインレベルの上昇がみられるというからおもしろい。このポマリストは腎臓が悪くても使用できること、ボルテゾビブ(ベルケイド)、レナリドマイド(レブラミド)という現在keyになっている薬剤に抵抗性でも、また直前に使用していてもほぼ30%の人に効果がみられるという。講演にきていたLeleu先生はDEXとの併用で効果がなければボルテゾミブやシクロフォスファミドと併用するなど3剤にしたらもっと効果が上がるであろう、と述べていた。

2015年

6月

26日

新しい慢性骨髄性白血病の薬 ボシュリフ講演会 in 横浜

2014年12月に慢性骨髄性白血病(CML)の新しい薬剤「ボシュリフ」が発売されました。CMLに対してはグリベックという薬剤が発売されてからすでに10年以上が経過し、この疾患は白血病という名前がついても死なない病気になりました。最近ではこの薬剤をやめることが出来る人が一部にいるということが薬剤中止試験でわかってきている一方、やめると3-6か月以内にまたCML細胞が増加してくる人もいることがわかっています。

グリベックを使い慣れたやや古い医師はグリベックの良さを知って長期に維持することを好みますが、若い先生方はその後に出てきたCMLの薬剤ダサチニブ、ニロチニブがより早く深い寛解に達するということで好んで使います。薬剤ごとに副作用には大きな違いがあり、個人の状態とその副作用を考えて薬剤を選択するようになっています。グリベックでは顔面の浮腫や吐き気、足のつり、ニロチニブでは肝機能異常、膵機能異常、糖尿病の悪化、発疹、動脈閉塞症などがみられますし、ダサチニブでは胸水がたまり血小板低下、肺動脈圧上昇などもみられます。

ボシュリフという薬剤は第4番目のCMLの薬剤として登場。副作用で下痢が83.3%にみられるそうですが、ロペミンを併用しながら週末に開始することで十分対処可能だとのこと。ただ肝障害が20%程度にみられるようです。ダサチニブでみられる胸水や消化管出血の合併症がある人などに良いのではないか、と講演された佐賀大学の木村晋也先生は仰っていました。またグリベックやダサチニブには間質性肺炎のような陰影が出ることがあるのですが、それらの一部には肺胞蛋白症が隠れていてステロイドに反応しない陰影もあるので、そのような際には気管支鏡をしたほうがよいということも教えていただきました。
今回発売された薬剤を私の患者さんに使用する機会はなかなかないのですが、当院ですでに3例経験があるということで、玉井医師が症例のコメンテーターとしてこの日の講演会に登場しました。

2015年

6月

23日

教育の難しさ

今年度は初期研修医も後期研修医もローテーションしてくれている。他病院の状況から比べると羨ましいとよく言われるが、確かにそうであろう。月によっては血液内科に研修医なし、という大きな教育病院もあるときく。当科も6月は入院患者数最高記録塗り替えで、40人以上入院されている状況が約2週間続いた。ようやく退院が出てきたところだが、研修医なしでは入院患者さん達を安全にみることは出来なかった。その忙しさの中で彼らに何を学んでもらおうか、いつも悩みである。初期研修医に血液内科の極意、おもしろさをわからせるのは難しいし、後期研修医には教えたいけれどもその楽しさ以上に発熱や輸血も多い。日々の変化が多く、主治医と患者の間にすでに関係が出来ていて入り込みにくい。メニューの選択は難しい・・・等々、大変な面のほうが多いだろう。研修に入る前に必ず目標確認をしているのだが、なかなかその目標にもっていけない。リーダーとしては部下を伸ばせないリーダーの部類になってしまうのかなぁとも考える。
リズ・ワイズマンがかいた『MULTIPLIERS メンバーの才能を開花させる技法』(海と月社)読んでいる。増幅型リーダー:メンバーの才能を発揮させ、さらに才能を伸ばすリーダー。これがこれから人材の有効活用という面でますます大切であること。そのようなリーダーの特徴が多くのインタビューや観察研究から色々述べられている。部下を萎縮させることなくチャンスを与え、挑戦させ自信を植えつける。変化をおこすことに好奇心をもたせ、自分で課題を持つようにもっていくこと。素早い学びの環境を作りサイクルを作ること等。これを普段の私達のチームに当てはめてみても、足りない点がたくさんだなと思う。相手が自信を持てるようになるまで今しばらく待つこと、それが年を重ねて出来るようになってきたつもりだが、まだまだである。人を変えてやろうという上司のおごりは不要で、変わるように道筋を作り環境を作る、それが大切なのである。

2015年

6月

18日

Kantarjian先生曰く”がんの新薬は高すぎる”

今年は血液内科の薬剤として、骨髄腫関連の新薬が3つは出される予定となっています。
最近の新薬は非常に金額が高く、ほとんどの人が高額医療費の申請をするようになっています。データが示されていて、たしかに生存率や効果が良いのであれば使うしかないのですが、これでは本当に医療費がパンクするのは間違いないぞ、とますます感じている今日この頃です。

でも同じようなことを世界的に高名な骨髄腫の医師(世界の血液内科医で知らない人はいないだろう)、アメリカMDアンダーソンがんセンターのKantarjian, MD先生がアメリカ血液学会のNEWSの中で癌新薬の費用についてこのままではいけないと発言されていて、私は嬉しくなりました。
 どうして高額になるのか。確かに開発費用も多くかかっているというのは事実でありますが、そこまで高くはないんじゃないか、とある研究者は言っています。薬の値段が高くなっている原因の一つに、薬の値段の決め方があります。一度ある薬剤が出てその費用が出ると(高くなってきている)、それが基準となって薬剤の値段が決まっていく。だからどんどん上がってしまう。アメリカのある研究では1年間の命を得るのに支払っていた医療費は1995年が5.4万ドル、それが2005年には14万ドル、2013年には20万ドルだそうです。確実に同じ命を得るのに高くついてきているというわけ。医師はコストが高いと声をあげても自分のキャリアには得にならず、むしろ傷がつくからそんなことはしない(
Kantarjian先生は有名だから出来るのだ)。また、がんの新薬は特殊で競合する薬が少ないから安くなりにくい。さらにがんで死なず生きられるようになっているが、薬剤は途中で効果がなくなり他の薬剤、他の薬剤と使用していく。これらがすべて高額な新薬になっていれば非常に高くなるわけである。また製薬会社は議会とも結びついていてロビー活動などがあるから、国の政策として新薬を安くしろ、というようにもっていくのは簡単ではないといっている。じゃあどうすればいいのか?Kantarjian先生は血液内科医がこの問題にもう少し感心をもち関わっていくこと、患者が行動することが必要だと述べています。

2015年

6月

16日

国は病床を最大20万削減する方針を打ち出しました。

政府は6月15日に2025年時点での病床数(病院ベッド)を、今よりも16-20万減らして115万-119万床と目標を示しました。今より1割も減らすのです。手厚い看護を必要としない30万人近い人を自宅や介護施設で・・・ということのようです。
確かに入院するということは様々な薬剤の管理、おむつ交換、ケアに始まり検査、治療、とにかく人的なコストがかかっていることは忘れてはなりません。アメリカだったら入院コストが高いからすぐにでも連れて帰ります。日本は保険制度の問題で、入院していたほうが家族にとって負担が少ない場合があります。家族の都合で、とか足が十分歩けなくて・・という理由で急性期病院のベッドを埋めていることもしばしばです。と同時に、介護力がなくて本当に自宅に帰れない人が多いのも事実です。それまで元気でやってきたが一度病気をしたら介護する手がない。これからますます起きてくる現実でしょう。それをただ自宅に戻すのには無理があります。
我々のような急性期病院がどこまでみるのか。中間施設、つまり急性期を過ぎて少し医療はいるけれども高度の医療ではない医療施設があれば、当院の病棟ももっと回転できるのに・・と思います。医療連携して関連の病院を開拓する努力も必要です(言うほど簡単には医療連携はすすまない。地道な関係作りが必要です。)。
また訪問看護でちゃんと診れる医師は多くないと思います。内科だから出来るというわけではありません。自分も再教育を受けなければ訪問看護医としては働けないでしょうし、それらの医師を増加させるため国の政策が必要だと思います。また本気でイギリスのようなかかりつけ医制度にするのか。それにも10年はかかるでしょう。難しい問題です。

2015年

6月

15日

若くなった高齢者

先日、日本老年医学会が横浜で開かれていた。そこで65歳以上の高齢者の身体、知的機能や健康状態についての分析結果が発表され、読売新聞のトップを飾っていた。知的機能については大阪府の2300人以上の調査から。認知症がなく健康状態が良い高齢者集団では、2010年の70歳代の結果は10年前の10歳若い人と同等の成績であったそうである。75-79歳の女性では脳卒中、心筋梗塞、骨粗しょう症にて治療を必要とする人の割合が大きく減っていていて、要介護認定率も全年代で低下傾向にある。さらに身体機能検査をしても歩く速度や握力、片足立ち時間なども向上していると。運動教室などに積極的に参加したり食事に気を付けたりということが影響しているだろう、と学会では発表されていた。
我々が普段感覚的に感じていることが数字としてまとめられたわけである。80歳でも90歳近くても元気であれば抗がん剤などの積極的な治療に取り組んでいるが、これもこの結果からうなずける。私たちもまあ10歳若くいるつもりで仕事にまた勉強に励み、食事にもちょいと気を配り努力すれば、まだ10歳若い人達と対等に仕事が出来るわけだ。自分にも自信になった研究結果である。
このデータからも会社勤めをリタイアした人はもっと残っている力を社会に使ってほしいと思う。安いペイだっていい、お金がもらえなくてもいい。まだまだ社会に残せる何かがあると思って、60歳、65歳などという区切りなしでイキイキ活動してもらいたいと思うし、その活用の仕方を高齢者再教育と雇用がもっと生み出せないかと思う。

2015年

6月

14日

MERSの流行 

連日ニュースでは韓国におけるMERSの流行の話が話題になっている。6/14時点での感染者数は145人、死亡14人。これだけ徹底して隔離をしているのにまだ新規患者が出ていて、救急隊員も発症しているという。日本と韓国の行き来をする人は1日1.4万人もいるとのこと。まだ感染経路が本当には解っていないため、国内に入り込む可能性も十分あると思われる。
韓国では医師の初期対応の遅さが非難されている。また一人の患者が色々な病院を訪れるというのもリスクだというが、それだけであろうか。あるニュースで遺伝子的に感染しやすい要素があるのではないかとコメントしているものがあった。
このようにパニックになりかけて経済も打撃を受けているとなると誰かの責任にしたくなるのは分かるが、韓国は人のせいにする国民感情が激しいな、という印象をもつ。政府のせいにしたって仕方がない。国民が流行させてしまったのだから。日本に入ったら・・・。
SARSが流行った頃に日本でもワクチン接種などで慌てたことをみると、同じような形にはなるであろう。厚生労働省は6/10にMERS疑い患者が国内で発生した場合の対応策を各都道府県に出した。疑い患者は入院となり、同居者などの濃厚接触者は14日間外出自粛させられ、自治体に体温や症状を1日2回報告すること、とされている。疑い患者はまず病院に行くのではなく保健所に連絡をするようにというが、24時間開いていないとなると、患者はやはり医療機関に行くであろう。国内での発生を抑えるためにも韓国から帰国の人で、疑われる症状で受診する場合にはまず医療機関に連絡をして、必ずスタッフに伝え隔離すること。それを患者にもしっかりメデイアを通して教育しておくことが必要である。パニックを起こさないためにあまり心配させても・・・ではなく、しっかり患者教育して流行を起こさない、という危機意識が大切であると思う。



2015年

6月

13日

病院に絵を贈呈してくださった方への感謝状贈呈式

当院2Fの専門内科外来の廊下にはギャラリーがあり、月に1回程度更新されている。実は楽しみにしている方も多くおり、私もその一人である。休日に見に行きたいという問い合わせもあるそうだ。また大型の絵や障害者の方達が描かれた絵もいたるところにある。最近は14Fの血液内科病棟のデイルームといわれるところにも師長さんの計らいで油絵が飾られている。これらはほとんどが寄付によるものである。これらの展覧会や絵については管理してくださっている美術協会の方がおり、絵の選択もして下さっているそうだ。この日は病院に絵を贈呈してくださったかたへ感謝状をお渡しする贈呈式が鎌倉市内で行われ、参加した。
一般の方たちと患者と医者という立場でなくお話することは、率直な意見が聞けて為になる。事務長、院長はかなり地域に出ていって話をしているが、自分ももう少しそのような仕事を担う必要があるなと感じる。当院への期待度が高いことも改めて認識出来る。そのような病院で働いているということをスタッフにも伝え、自分の職場に誇りを持てることが忙しくても仕事を継続するモチベーションになると思う。

2015年

6月

13日

小林修三先生のお祝いの会で

当院内科統括部長の小林先生の還暦祝いの会が横浜市内で行われ、教鞭をとられていた浜松医大の教え子やその後の勤務地のスタッフ、当院に研修に来ていた腎臓内科、透析関連のスタッフなどなど総勢200名近くが集まった。私は当院内科スタッフであるとともに浜松医大卒業生であり、参加した。
もともと浜松医大第一内科は東大系の先生方が所属していて厳しい雰囲気があり、私も学生時代は内科系で入局するのであれば第一内科を考えていた。でも血液は第三内科であり、総合的な医療が出来るようにと徳洲会に入ったので戻る機会も失い、早くも人生の半分が神奈川県民となっている。写真の彼らは私の同級生。それぞれが静岡県の医療を担っている、今一番の働き手である。東海道線が走る県でありながら決して豊富とはいえない人的スタッフの現状などを聞いた。また皆の近況も聞き、楽しい時間を過ごすことが出来た。
それにしてもたくさんの人が集まっていた。自分の最後の時にもこれだけの人は集められないなと思い、企画したスタッフたちの努力を労いたいと思う。

2015年

6月

12日

総務省会議にて人工知能に関する法整備提言、見守りロボットがほしい・・・

<人工知能>は今年の注目キーワードであり、私も注目している。
総務省の有識者会議で、人工知能が人類の知能を超えるとされる2045年問題を巡り問題がおきた際に、誰が責任を取りどうするのかといった議論がされ、提言がまとめられるようだ。政府としては人工知能の活用促進を国家戦略に位置付けていて、新しいビジネスを創出するツールとして期待が高い。コールセンターや医療、金融などへと応用範囲を着実に広げていくことが考えられる。初めはコールセンター、タクシーなどの業種が仕事を失う可能性があり、その後は弁護士など知的な職業とも言われていて、医師もそこに含まれるのだろうか・・・とも考えてしまう。ただ悪いことばかりではないであろう。病院には高齢者が本当に多く、どんな対策をとっても転倒は完全には防げない。転倒による骨折もある。医療安全として病院の転倒症例をみていると、常時見守りがないと無理だろうと思う場面も多々ある。ベット柵をしていてもそれを超えてしまって転倒したり、ちょっと目を離している好きにトイレ脇で転んだり。見守りしながら少し他の人の介助をしていたらむせていたり・・・。対策をとっていても医療者側が責められるのはおかしいと常々思う。高齢者でも積極的に治療をしていて病気は治しているが、治療により体力低下を引き起こしている。転倒リスクが高い人や食事介助が必要な人に介護ロボット、見守りロボットがあったらいいな~と思う。ベッドを乗り越えそうになったら注意して寝かしつけてくれたり体位交換してくれたり。日中の話し相手になって脳を活性化してくれたり、どこかのベンチャー企業さん早く作ってくれないだろうか。これからますます介護人数は必要になる、特に都会でそうなる、と日本創生会議の人たちも言っている。期待したい。

2015年

6月

09日

病院の前庭にゆりがきれいに咲いています。

夜の病院前の庭です。白いユリがちょうど今見頃を迎えています。皆ほぼ同じような背丈で、すくっと立っています。夜の病院を照らすライトとあいまって、夜のほうが魅惑的かもしれません。帰るときについ立ち止まってしまいます。離島から送られたユリだと聞いています。病院へお越しの際には少し目を配ってみてください。


2015年

6月

06日

病棟の調整

紫陽花の美しい季節となりました。日に日に家々の庭先の紫陽花の花が大きくなり、共演している感じがします。それにしても色々な種類があるのに気づきます。今年は鉢植えで求めてみましたが、地に植わっている方がやはり元気があります。自然に咲くヤマアジサイもまた、左の写真のように可愛いものです。

さて当科は今大盛況です。この数年で一番の混雑をみせており、病棟は42名の入院となりました。血液だけで1病棟出来てしまいそうです。2か月間で新規の急性白血病のかたが10名を超え、またそれ以外にもホジキンリンパ腫、溶血性貧血、心アミロイドーシス、菌状息肉症など、本当に次から次へと入院されてきます。輸血量も多く熱が出たり具合の悪くなるかたも多いため、医師に看護師、チェックする薬剤師も大変です。指示を細かく丁寧に出したり、また互いの業務を出来るだけ補填しあいながら、病棟が落ち着くのを待つしかありません。上の者は俯瞰的に全体を見ながら皆を労い、問題を調整する必要があります。私も出来るだけ病棟にいる時間を長くして病棟での問題、患者さんからの要請に素早く対応出来るようにしてます。コール対応が遅いなどの不満もあるようですが、患者さんにも理解を求めています。

2015年

6月

05日

ゼヴァリンを導入する準備をすすめています。

「ゼヴァリン®によるRI標識抗体療法」はCD20陽性の再発、または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)の特に症例の多い濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)の患者さんを対象に行われる放射線同位元素を用いた治療法です。Bリンパ腫の表面に出ているCD20を標的として、それにくっつくモノクローナル抗体であるイブリツモマブ(遺伝子組換え)にイットリウム(90Y)を標識した製剤を投与します。この標識調製は各医療施設(放射性同位元素使用室)で実施する必要があり、全ての医療機関で行えるわけではありません。当院は放射線治療室が充実していること、また濾胞性リンパ腫の患者さんも多くいらっしゃることからその治療選択肢の一つとして導入予定です。神奈川県内では東海大学病院と県立がんセンターのみに導入されています。
 この日横浜にて勉強会があり、九州がんセンターにて非常にたくさんの経験例をもっている鵜池直邦先生がゼヴァリン使用のポイント、症例の選択を解説してくださいました。
この治療は1回のみの治療であり奏効率は80%程度であること、R-CHOP等よりも患者さんは楽であるといわれており、高齢者に向いているだろうというお話でした。ただ血小板数が少なかったり骨髄中の腫瘍細胞が20%を超えている、巨大腫瘤がある、というような症例では適さないなどの条件もありますので一概にすべての低悪性度リンパ腫の再発が適応になるわけではありません。年内の導入を目標に考えて準備をすすめています。

2015年

5月

30日

震度3-4の地震 いよいよきたか!と思いました。

土曜日の夜8時24分。私は弓道教室がそろそろ終わりに近付き、片づけをしようとしていた時でした。突然横揺れがし、建物がガタンガタン、ミシミシという音がして、長く揺れが感じられました。このところ箱根や浅間山、口永良部島などでの火山性活動が増していただけに、いよいよ来た!と思ってしまいました。色々諸説がありますが、私は火山と地震の関係は信じている派です。
震度5レベルが発生した時には病院へ幹部は駆けつけなくてはならないことになっています。病院近辺の震度は3-4でしたでしょうが速報震度も分かりませんでしたし、血液内科病棟は14Fで横揺れが強いこと、エレベーターが停まったり患者さんが転倒するリスクがあると思い、病院へ向かいました。何ともなくてその後の余震もなく安心しましたが、マグニチュードのレベルは8.5と高く、今後も心配です。病院では地震発生時の訓練をしていますが、今日のような時間の発生だと職員は少なく大混乱することでしょう。東日本大震災のあとは常に着替えとメガネと充電出来るものを病院に置くなどしていましたが、それも忘れかけていました。再度備えを見直したいと思います。

2015年

5月

29日

日経ビジネス最新号 病院経営力ランキング 当院は11位

『日経ビジネス6月1日号 日本の医療を救え』という特集の中で、独自の病院経営ランキングが示されていました。こういうランキングは、評価基準が独断であるということから信用性にかけるという意見もあるでしょうが、それでも自分の病院が気になるところです。当院は全国で11位にランキング。研修医に人気のある病院のほとんどが50位以内にランキングされていることが、目にとまりました。またもう一つ特記すべき点は、熊本市が上位10位以内に3つもランキングしていること。1位は済生会熊本病院、2位に熊本医療センター、7位に熊本赤十字病院。済生会熊本病院については、私でも名前を聞いたことがある病院です。ここからは記事の抜粋です。
 済生会熊本病院1995年に移転後、診療科を絞って高度、専門医療の提供と救急に特化し人気病院になっている。総合病院とはなっていない。熊本市は70万人都市で6つの基幹病院がある。それぞれが強みとする領域を住み分け、地域全体で分業する体制を作りあげている(熊本方式と呼ぶらしい)。そこに後方支援病院である中小の病院が連携し、患者をスムーズに回転させている。
 医療の世界もレセプトデータやDPCデータからその病院の事情が筒抜けとなり、且つ他と比較しやすくなっている。どこに強みを持たせるのか中長期的な戦略をもち、また自分一人勝ちではなく地域とどのように医療連携をしてシステムを作っていくのか、それらが大事ということだ。ますますそういう考えを医師も持たなくてはならないであろうし、また優秀な事務、経営企画室を担当する人材が求められるようになるであろう。また病院の医師も市の集まりに参加したり病院まわりをしたりと外に出ていき、関係を構築することも大切だ。

2015年

5月

28日

新研修医 安原先生血液内科ローテーションお疲れ様。

この4月に医師になったばかりの安原先生。初めて内科をまわり、かつ専門領域である血液内科にまわり最初はとまどっていたと思います。他の同学年の人が一般的な疾患である肺炎や尿路感染症といったものを次から次に診ているのに対して、治療戦略はほとんど上級医が立てざるを得ない当科では、言われた仕事にただ体を動かしているだけ・・・と思って、不安になるのも無理はありません。これまでの研修医の皆さんも、最初に回ってくる人はそうでした。しかし当科はスタッフもそれぞれが病棟業務を担っていますし、育ってきた病院も違い多様性があります。医療の答えは一つではありません。治療選択するときに教科書通りいかないことなどしばしば。その時にどのように意志決定をするのか、どのように患者さんと向き合うのか、違いがみえるのではないかと思います。そしてどのようなスタイルが自分に向いているのか、良いところを自分に取り入れていけばいいと思います。直接一緒に回診をしてあげられる時間がなかったのは残念ですが、自分で勉強するという習慣をつけてもらいたいと思って基本となる教科書を一緒に読みました。来月からはまた新しい研修医の先生がきます。彼らのエネルギーをもらいつつ、互いに進歩出来るように日々を歩みたいと思います。

2015年

5月

26日

リツキサン 維持療法 保険適応追加

濾胞性リンパ腫患者において、寛解導入療法後にリツキサンを投与することが正式に保険的に認められました。
抗CD20モノクローナル抗体製剤リツキシマブ(リツキサン)による2年間の維持療法は、すでに2年ほど前から海外ではデータが出ています。ランダム化phase3比較試験6年間フォローアップで、6年間の無増悪生存(PFS)割合(再発しないで生きている割合)がおよそ6割になることが明らかになっていて、海外では濾胞性リンパ腫の患者さんに維持療法が認められています。R-CHOPなどの治療後2か月に1回2年間投与されます。日本では保険で完全に認められていなかったため、堂々と行うことが出来なかったのですが、今回それが添付文書に記載され使用することが出来るようになりました。濾胞性リンパ腫は、ごく初期に放射線などで治療をした人を除いては完治しないとされていますので、今後は用いられる患者さんも多くなると思います。

 

2015年

5月

23日

タイピングの音

今回のシンポジウムで残念だったことが一つ。
たしかに教授や助教といった多忙な先生が多いのは分かるが、講演の途中に激しく、全く違う作業をパソコンでタイピングをしていた先生がいた(全く講演を聴いていないなら、外でやれば~?と思った)。自分ではそれほど強く押していないつもりなのだろうが、周りには響いていて、しかもエンターキーを思い切り押すものだから、うるさいのなんの。もう5分続いたら言おう!でもあとで仕返しされるかな?と思いながら我慢すること30分。ようやく仕事の目途がついたのか、タイピングのペースが落ちた。列車の中や機内でも気になるほど強く早くタイピングしている人がいる。その打つスピードの速さに自分で酔っている人もいると思うが、周りにとっては迷惑になる音になることもあるのだということを、どこでも仕事をする仕事人は気を付けてほしい。

2015年

5月

22日

日本血液学会主催のinternational symposiumに参加しました。

日本血液学会主催で行われるJSH international symposiumに参加しました。今回のテーマは骨髄不全ということで、再生不良性貧血からMDS(骨髄異形成症候群)、PNH(夜間血色素尿症)、骨髄増殖性疾患、小児の骨髄不全と多岐にわたりました。カンファレンスはすべて英語で行われます。出席されている先生は各大学の教授クラスが多く、ちょっと場違いだったかなという感じがしないでもありませんでした。私は骨髄増殖性疾患といわれる多血症、特発性血小板増多症、骨髄線維症における腎障害を調べてポスター発表しました。
講演で私が最も面白かったものは、韓国の先生がPNHをまとめられていたものでした。このPNHは血栓症が多いとされますが、もともと血栓症はアジア人では少ないとされていてどうなのか、予後がどうなのかを示されていました。血栓症がありLDH(溶血の指標)が正常上限1.5倍以上の人、腹痛ある人、呼吸苦がある人、胸痛がある人、このような人達でLDH(溶血の指標)が正常上限1.5倍以上の人は予後が悪いようです。つまり、これらの症状は血栓症と関連しているのかもしれません。腎障害があれば6.2倍も使用率が高いそうですが、溶血がなければ(つまりLDHが高くなければ)死亡率は高くならない。よって、しっかり診断して溶血をコントロールすることが大事である、というわけです。<続く>

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2015年

5月

19日

難治性多発性骨髄腫の新薬 ポマリドマイドが発売

多発性骨髄腫は新薬といわれるベルケイド、レナリドマイド、サリドマイドが発売されて、生命予後もそれ以前の倍に伸びました。それらを組み合わせて治療をし頑張っていらっしゃる方がいますが、発売されてから5年。そろそろ治療の限界にきている方もいます。その難治性骨髄腫に対して5/22 ポマリドマイドが発売されました。これまでベルケイドやレナリドマイドに治療抵抗性であっても、30%程度の効果が認めれます。5/19 発売前の講演会があり聴きに行きました。これまでの薬剤と比較すると好中球減少が起きやすく、肺炎などの感染症の率が高くなるのでしっかりG-CSFや予防投与をしたほうが良いこと。また腎障害の人にも量を減量することなく使用出来るが、とても悪い人に対しては海外で臨床試験中だということでした。患者登録がレナリドマイドと同じように必要で、誰でもが出せるわけではないこと。また非常に高額で、しっかり治療するとなると1か月100万円以上する治療になります。どのような人が必要なのか、しっかり検討しながら使用することが大切です。

2015年

5月

16日

在宅でできること

骨髄移植後では様々な合併症がおきます。そうはいっても私は移植に従事してこなかったので大変な姿はまだみていないほうともいえます。リンパ浮腫がどうしても改善しなくて頻回に下肢の蜂窩織炎を繰り返していたかた、皮膚の乾燥が著明にひどかったかた、体力、筋力の低下が著しかったかた。今回当院には同種骨髄移植後に閉塞性細気管支炎という肺炎がひどくなりガス交換ができなくて入院されてきた若い人がいました。肺移植も検討されていましたが、みなでいろいろよく話し合い、最終的には呼吸器をつけリハビリをし在宅に戻りました。来たときのような意識もうろうではなく、行動の制限はあるけれども自分で食べたいもの、やりたいことをしっかり表現し行えるようになって帰りました。その自宅にスタッフで訪問してきました。部屋はたしかにミニ病室となっていました。彼の診療にはいろんな人がかかわってくれています。私は呼吸器の知識も浅く、さらにまた自宅で使える機械についても全くわかりませんでしたが、呼吸療法部、リハビリのかたで手配してもらい、自宅改修を行い、準備をすすめてきました。部屋には酸素圧縮機に吸引器、ベット、それでもまだスペースはあり、洗面所には頭洗いリクライニングやら座れる風呂などいろいろ揃えられ工夫されています。訪問看護は他院の先生にお任せし、血液に関しては安定しているので家族の心の負担を軽減する意味もあり外来には家族だけきてもらうこととしました。本気で<これがしたい!>と思えばここまで医療のサポートが得られるのかと感心し帰ってきました。お母さんがはじめ相談に来られたときのことを思い出しました。でも自宅で穏やかに過ごさせたい!その強い思いが人々を動かし実現させたと思うのです。なんでも思いって大切だな・・・・・。

2015年

5月

14日

横浜若手血液研究会にて症例発表

あやめが美しい季節です。鎌倉中央公園の小川のそばに咲いていました。自生しているあやめでしょうか。

さて、横浜では大学病院の若手の先生を中心として若手血液研究会というのが半年に1回開催されています。ここに当院も参加させていただいており、幹事として玉井先生に参加してもらっています。症例検討が中心ですが、今回はそれに加えて島根大学医学部附属病院から鈴宮 淳司先生が招かれ、リンパ腫専門家(lymphomania)としてのお話をしていただきました。
症例発表では毎回当院から症例を出していて、今回も佐藤淑先生に菌状息肉症で難渋している症例を、相談も含めて発表してもらいました。
鈴宮先生はとても話がお上手で、人間的にも魅力的な先生だと思います。かつて徳洲会ががん診療に力をいれるときに力になっていただいたことがあり、中枢性のリンパ腫などにつき相談させていただきました。先生は臨床も強く病理の知識もあり、また若手の教育にも力をいれていて地方でありながら全国の仲間を集い勉強会などを企画されています。リンパ腫の領域は世界ではもう顕微鏡的な検査方法だけではなく遺伝子を用いて診断をし治療の選択を変えていく時代ですが、日本は世界に遅れていると。肺がん領域では今や急激にそれが進歩して、リンパ腫が分子標的治療では先駆けだったのに抜かれてしまったと言っておられました。医学雑誌をみると、本当にどのがん領域でも遺伝子を用いた診断と治療に変わってきています。鈴宮先生のお話で血液診療の面白さを若い先生が感じてくれたことと思います。私もまた勉強になりました(若手の会には出席しづらくなってきましたが)。

2015年

5月

10日

エボラ出血熱のウイルス 回復後も目から

エボラ出血熱の話題も、もう下火になってきたかと思われていました。そんな中、4700人を超える死者が出たものの今年3月下旬以降で新たな患者が出ていないリベリアでは、5月9日にエボラ出血熱流行終息宣言が出されました。まだギニア、シエラレオネでは感染コントロールはついていません。
しかし新たな話題が出ました。昨年9月にシエラレオネで感染し、米国にて未承認薬などの投与を受けてウイルスが1か月半後に消失した米国医師が、その2か月後に左目が痛くなり青い瞳がミドリに変色。目の中の房水からエボラウイルスが見つかった、と医学雑誌に発表されました。まだまだウイルスがどのように人の体で生き残るのか解っていないことも多いのでしょう。今後の報告に注目したいと思います。

2015年

5月

09日

NHK BS1 奇跡のレッスン テニス編

たまたまテレビをつけたところ、とても素晴らしい番組に出会いました。BS1の『奇跡のレッスン ~世界の最強コーチと子供たち~』という不定期な番組。昨年サッカー編があり反響が良く、今回はテニス編ということで世界の最強コーチ、スペイン人 ダビッド・サンズ・リバスさんが横浜の小学生を指導するというものでした。
彼のテニス指導は「考えるテニス」。そしてフィジカルとメンタルは同時に育成されていくというものです。すべてのボールに自分の決断を!コートで起きていることは全部自分の責任だということを、小学生の子供に教えます。また試合では勝ち負けではなく、それまで練習してきたことが出せたか、そのプロセスを大切にすること。守りにはいってしまいがちな選手に、変化を起こす勇気を試合を通じて教えていました。良い点は必ずしっかり褒めていましたね。彼の教育はすべてのコーチングに応用出来るものだと思いました。私でいえば研修医の教育です。研修医の個性を伸ばしつつ自分でどこがいけないのか答えを見つけさせる、その過程を大切にする。これから取り入れていきたい点です。再放送は決まっていないようですが、まだ今後も続くシリーズだと思います。次に期待しています。


2015年

5月

08日

新 後期研修医歓迎会を内科全体で開催

今年新しく当院の内科後期研修プログラムに入ってくれた方々を歓迎するための会を、鎌倉で開催しました。各科の先生がた、看護師さん、クラークさんもいれて総勢40名程度の大所帯です。それぞれの科の代表が順に挨拶をしました。互いに遠慮して、以前よりそれぞれの話が短くなったように思います。
私は最後に挨拶をさせていただきましたが、2つのことをメッセージとして伝えました。
総合的な診療の出来る内科医は、これからますます活躍の場が広がるはずです。その教育を担う当院内科が層をさらに厚くするためにも、それぞれが自分が帰属している組織に対して役割を果たすこと。若い人も何か科を良くするためのことを、小さなことでもいいのでしていこうとする気持ちが大切であること、また年寄衆はスポーツ界のレジェンド達のように日々努力し、年をとっても進化していけるのだという姿をみせなくてはならないということを話ました。若い人がいてくれるからこそ、我々も脳を活性化しようと努力します。日々精進精進であります。

2015年

5月

04日

空に舞う鯉のぼり 

今年も鎌倉中央公園には皆さんから提供された鯉のぼりが空を舞っていた。池の上に張られたワイヤーに取り付けられた鯉のぼりは、心地良い風になびき空を泳いでいた。でも、空は何となくもう初夏のような日差しだ。外国人はこの光景を見てどのように思うのだろうな。

それにしても最近は観光地で、また観光地でなくても外国の人をよく見かけるようになった。駅でもマクドナルドでもコンビニでも外国語が聞かれる。日本の良いところを私たち以上に楽しんでいるのではないか。私たちの知らないところが海外で紹介されていて、外国人がツアーに組み込んだりするという。
あしかがフラワーパークにある見事な藤棚は樹齢150年にもなり、広さ1000平方メートルにも広がっていて人の顔に触れるくらいまで垂れ下がっている。夜間はライトアップされCNNが選出した「2014年の世界の夢の旅行先9カ所」に選ばれた場所だとか。私は今日初めてテレビで知った。日本にはまだまだ知らない美しい場所がたくさんあり、外国人には負けておれない!と思ったのでした。<次へ>

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2015年

5月

01日

今一歩早く連絡

先日仙台徳洲会病院に当直に行ったことを書いたが、その間外来調節をしたがために患者さんが体調不良の連絡を少し遅らせてしまった。外来に来た時にはかなり具合が悪くなっていて、入院したが翌日急変された。いつもなら熱が出たらすぐに連絡をくれたであろうところが「いないからね」と教えていたために、連絡をするのを待ってしまったようである。
運命とはいえ、このようなことがあると外勤というのは必ずしも患者さんにとっては良いことではないなーと思う。

2015年

5月

01日

湘南記念病院にあいさつまわりにいきました。

左の写真は鯉みたいな雲だなと思ってとりました。
さて今年の私の目標は病院からでよう!です。
すでにいろんな病院をまわっておられる科の先生もいらっしゃいますが、顔と顔をあわせたことがあることが互いに患者さんのやりとりをするうえでもとても重要です。
血液の患者さんも様々な治療により長く生きられるようになってきました。しかしどこかで治療のペースを落とさなくてはならないこと、また途中で緩和ケアに移らなくてはならない場面も多くあります。多くの患者さんが最後までみてほしいという希望は強くありますが、それが長期的な入院となるとかなわないこともあります。そこでまずは鎌倉市内、戸塚エリアの病院を病診連携のかたとともにまわり、どのようなニーズがあるか、どのような患者さんを受け取ってもらえるかの話し合いをしていくこととしたのです。成果がでるのは1-2年先でしょうが、本当に真剣に病診連携を考えるのであれば大病院の医師が自らでていく、それが大切な時代になっていると感じます。

2015年

4月

28日

仙台徳洲会病院に当直応援に

今年度より交代で仙台徳洲会病院に当直応援に行くことが決まり、血液内科からは私が行くこととなりました。
東北にはあまり縁がなく(この間中国地方にも縁がないと書いたような気がする。ようするにあまり色々なところへ行っていないのだ)、弟が東北大学に通っていた時に2回ほど訪れた以外、震災の際にも応援には行っていないのです。

本当のところは何があったのか。仙台徳洲会病院の先生がたくさん辞めたということでしたが、そんなに理由もなく大学が引き揚げる訳ではないだろう。一体どんな事情なのか、行ってみなくては何も言えないだろうと思い、私が行くこととしました。そろそろ内科系の他の疾患(血液以外)や救急に対しても勘を取り戻さなくてはならないな、とも考えていたけれど、2日間の他院での仕事には少々不安もありました。でも新幹線が大好きな私は、まずは東北新幹線(かっこいいなー!)に乗れて、それは幸せでした。なんと美しい流線型!<次へ>

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2015年

4月

26日

水彩画の展覧会が院内2階で始まります。

当院2階の専門外来のところの廊下では、1年を通じて何らかの展覧会が行われています。私が左の吉田和正氏とお会いしたのは昨年のちょうど今頃。大船フラワーセンターでの展覧会でした。そこでも今回と同じように色の付いた洒落た葉書大の紙に季節感のある花の絵を水彩で描かれ、そこに細筆で趣のある言葉が添えられており、感動したので「ぜひ多くの人にみてもらいたい」と思い、当院2階で展覧会をやりませんか、と声をかけました。その後予約がいっぱいでなかなか実現に至らなかったそうですが1年越しに実現し、本日から約1か月間展示されるそうです。私は濃い紺の下地に白の花という感じが好きですが、どれも趣があります。ぜひ皆さん見てみて下さい。

2015年

4月

26日

病棟新人歓迎会が行われました。

病棟の新人歓迎会が行われました。病棟としては3人の新しい看護師さんが入り、内科には今、6人の新1年生がローテーション中です。佐藤淑先生も当科のスタッフとして加わり、参加者も多くにぎやかな歓迎会となりました。しかし改めて彼らとの年の差がますます大きくなっている・・・という感じで、なかなか共通の話題をみつけるのも難しくなってきています。まぁこのような会が若いかたの恋の始まりになることも多いわけで、暖かく見守りつつ情報を得たら適度にキューピッド役、という仕事も上の役割であります。

2015年

4月

23日

保育所が新しくお目見え

ここはどこ?草原?高原?
と思われるかもしれませんが、ここは病院のすぐ近くです。
最近は気候も良く足のトレーニングも兼ねて歩いて通勤していますが、当院の横にある老健と保育所が移転するその川沿いの土地の横の空き地に、きれいなポピーが爽やかになびいているので、思わずシャッターを押してしまいました。出勤中に何をしてるんだ・・・という冷たい視線も浴びながら。
その建物、これまでは塀の中で何も見えませんでしたが、今週保育所はもう見え始めました。24時間保育、夜遅くなるようならご飯も用意してくれる、費用も安い!至れり尽くせりです。当院の女性医師や看護師さんにはこの保育所の良さを実感し利用され、且つ当院で働き続けている人がたくさんいます。うちの病院のアピールポイントですが、医師、看護師以外にはあまり利用の門戸が開かれていない(そこまで入れてあげられない)のが現状でした。でも事務の人、検査技師さんの中でも女性のキャリアアップの道を作り、活躍してもらうようにするためにも、是非多くの職員が利用出来る保育所であってほしいと思います。<次へ>

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2015年

4月

21日

病を生き延びてきた遺伝子 

3月からとにかく論文を読む時間を生み出そうと、後期研修医でローテーション中の先生、佐藤淑先生をいれて『NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE』を読むこととしている。これ自身は毎週発行されていて世界で最も読まれているものであり、バラエテイーに富んだ話題が色々な形で載り、私の大好きな医学雑誌である。アメリカでこれが発行された翌日には「あれ読んだ―?」「どう思う?」なんて会話をスタッフや研修医たちがしているのをみて、羨ましく思ったものである。これを目指して読むことを習慣化しようと週1か週2、血液学やオンコロジーによる話題に絞って読みあうこととしている。100回達成したらボストンに行くぞ!なんて褒美も用意し、カレンダーにシールを貼りながら意欲がうすれないように視覚的に工夫も始めた。さてこの日の話題はHIVに罹りにくいとされる遺伝子変異CCR5Δ32の話であった。<次へ>

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2015年

4月

18日

みつめるということと安らぎ

見つめることで安らぎが増す・・・・

おもしろい研究記事をみつけました。
人間の母親と赤ちゃんが絆を強めるのと同じような仕組みが犬と飼い主の間にも存在することを麻布大学や自治医科大学の研究チームが突き止めました。犬が飼い主を見つめ、飼い主がそれに応じると安らぎや信頼感などをもたらすホルモンが互いの体内で増えたそうである。

そのホルモンとは??
オキシトシンというホルモンである。
ヒトの親子や恋人どうしが触れ合うと分泌が増えることが知られていて、マウスにもそのような効果は知られているが、異種間でも同様のことがおきるのが確認されたのは初めてで、科学雑誌「サイエンス」に掲載されるという。
問診、外来診療でも安心を与えるためのアイコンタクトが大切だということか。
腹部を触診したときに、温かい手で触れられて気持ちがよい・・・とか、背中を撫でてあげて気持ちが良くなった・・・というのにも、このオキシトシンが関係しているのでしょうか。

2015年

4月

17日

iPS研究:京大と武田が共同研究

2015.4.17 薬品会社の武田はiPSを用いた共同研究を京大と武田で研究者を出しあって100人規模で始めると発表しました。心不全などの分野でのヒトを対象とした臨床試験の応用を目指すのだということです。そして200億円の研究費に加えて当院の隣にある湘南研究所の設備なども提供し研究をすすめるそうです。

iPSによる臨床応用がどのくらいの速さですすむのか注目したいと思いますし、日本の企業にぜひがんばってもらいたいと思います。

2015年

4月

14日

ロボットスーツHALと大和ハウス

HALというロボットスーツをご存じだろうか。
この日の日経新聞に、大和ハウス工業がサイバーダインというHALを作っている会社の商品を提供する、という記事が載っていた。HALは今、最も注目されている医療用ロボットであり、ホームページを見てみると介助者の負担を軽減するための支援ロボットも開発されている。

脳から神経を通じて筋肉へ送られた信号は、非常に微弱な信号“生体電位信号”として皮膚表面から漏れ出してくるが、HAL®は独自に開発したセンサーを皮膚に貼り付けその“生体電位信号”を読み取り、また様々な情報を組み合わせて装着者がどのような動作をしたいと考えているのかを認識し、動きをサポートする。この技術こそがHAL®のベースとなる先進テクノロジーである。脳は実際に体がどういう信号でどのように動作したか確認を行っていて、HAL®を用いて“歩く”という動作を適切にアシストしたとき“歩けた!”という感覚のフィードバックが脳へ送られ、脳自身も“歩く”ために必要な信号の出し方を学習できるのだそうだ。筋肉を補助するだけでなく、動作に対する正解を脳に教えてあげることの出来る唯一のロボットである。<次へ>

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2015年

4月

11日

日本内科学会総会IN KYOTO

4/10から4/12まで、京都にて日本内科学会総会が行われた。日本医学会総会とも合同で行われ、また行楽シーズンと重なり市内のホテルは連泊が出来ず、あえなく滋賀県大津に宿をとることに。でも大津と京都がこんなに近いのね、と初めて知った。
さて、今回の学会はややこじんまりとした感じだったが、研修医の部門は非常に熱気を帯びていた。症例発表であるが勉強になる題材も多く、またそこに指導にきている先生も教育をされているかたが多く、討議も盛り上がった。当院からは4演題発表し、3年目の新津先生が優秀賞をとった。発表をするためには疾患を深く学び症例を深く見直す。実はもっと早く気づけたと思われる点があり、次につなげることが出来る。そうして臨床医は進化していく。また発表するのにも言いたいことを全ていうのではなく、決められた時間で相手に解りやすく、会場の音や雰囲気にのまれないようにプレゼンテーションすることも場数を踏むことで慣れてくるし、他人のプレゼンテーションが参考になるこもある。内科学会のこの企画は、今後も続けていってほしい。
上記写真は今年チーフレジデントトップバッターで、当科の症例を発表してくれた伊藤先生。<他の発表者は次のページへ>

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2015年

4月

09日

新研修医へ医療安全講習

新しい1年生が今年は22人入った。元気ある印象の学年だ。とにかく臨床に入る前にしっかりオリエンテーションを、ということで10日以上にわたるプログラムが新1年生のために用意されている。この日は医療安全として半日の日程をもらい、インシデント(合併症や問題)が起きたときの対処方法、なぜ報告が必要なのかの理解、インシデントレポート(電子カルテ)の書き方などをグループワークを通して学んでもらった(寝ないように!!)。実際に電子カルテを用意して入力してもらったのだが、とても積極的にやってくれ、時間が無くなるくらいだった。グループワークをするとその人の積極性や、グループの中でどのように生きそうかという点が見えて面白い。入学試験に使用しても面白いなと思った。活発な意見交換や質問もでき、彼らからエネルギーをもらった。それにしても若者と随分離れた年齢、立場になったなーと再確認したのであった。

2015年

4月

04日

骨髄バンクチャリテイーコンサートin 円覚寺

毎年この時期、4月の第1週の土曜日に円覚寺の方丈の間で骨髄バンクチャリテイーコンサートが開催されます。昨年も参加させていただきました。骨髄バンクが出来たのが24年前、このコンサートは23年前から行われているそうです。私が医師になった頃からメインでされている2人の日本人演奏家はもう23年もこの企画を続けていらっしゃる。すばらしいことです。円覚寺の斉藤宗憲住職に当院の血液患者の会に来ていただいたのがもう13年位前。その関係でこの演奏会に招待していただいています。
このコンサート、説教を聴く大広間に一部は椅子席、あとは畳に座って聴きます。足が少々大変なところはありますが、席によっては舞台から5m以内という目の前で演奏が聴け、指の動きまでまじまじと見ることができます。
私の患者さんでも骨髄バンクにお世話になっていらっしゃる方がいます。骨髄バンクが軌道にのるために、長い年月とこうした多くのサポートを要しているのですね。他人のためになる活動を一人ひとりが少しずつでもしていったら、この世の中良いことがもっと出来るのにと思います。

2015年

4月

02日

一気に花萌えの今年の桜

今年の桜は一気に暖かくなったことが原因なのか、急に花開いて一気に見頃を迎えました。山桜も白にピンクに新芽の新緑も加わり、鎌倉周辺の山々は14F病棟から見ても本当に美しいと思います。花桃も一斉に咲き始め、花の饗宴です。大船フラワーセンター内の花々が毎朝の出勤時の楽しみです。また、病院すぐ脇のマンション敷地内の桜も見事です。この季節を愛でることが出来て、幸せな気分になります。
患者さんの中にも桜まで頑張れそうですね、と言って外来で頑張っているかたもいらっしゃいます。強い治療だけが医療ではないことを、感じさせてくれます。
花々が咲き始め、私のカメラも活躍する時期を迎え、楽しみな季節となりました。

2015年

4月

01日

ホームページ、ブログが3周年を迎えました。

ホームページも作成から3年を迎え、一時減っていたビューワーもまた数を取戻し、月に7000ページほどを見ていただいています。
病院の行事、体制、医療のこと、担当医の考え、鎌倉の近辺の情報などを書いてきました。
先日はブログ記事を読んで下さった患者さんに”医師はいつも強くて迷うことなんて少ない存在なのかと思っていたけれども、そうでもないんですね”と言われました。
日々の決断が多い仕事だと思いますが、そりゃ私たちも人間ですし年もとります。自分の老いも感じ、上手く治療結果が出なかったり、家庭の問題、自分の身体の問題、今後の将来、昔よりも不安に思うことは多くなっています。人となりを知ってもらい、そして医療も人間と人間の付き合いとして行っていけるようでありたいと思います。
ホームページには古くなったところもありますので、改変していきます。またブログも楽しみにしていただいているかた、今後もどうぞよろしくお願いします。

2015年

3月

29日

休暇にて広島へ

休暇をいただき広島を旅しました。
学会もあまり中国地方で行われることもがないため行く機会がなく、恥ずかしながら岡山県と広島県のどちらが関東寄りなのか知らない、という知識レベルでありました。しかし今年は戦後70年。一度自分の足で広島を見ておきたい、という気持ちがありました。また瀬戸内海、宮島厳島神社を日本人なのに知らないのも恥ずかしいと思っていましたので、まとめて広島を知る良い旅となりました。
瀬戸内の海の静かなこと、そして東北の三陸とも似ていますが静かな水面に浮かぶ島々が何とも美しく、穏やかな気持ちにさせてくれます。静岡県と同じ柑橘系の栽培が盛んで、はっさく大福は美味でした。
そして世界遺産の宮島。日々刻々と変わる干潮と満潮の時間とその景色の変化。干潮の夜遅くに出掛けていって、ライトアップされた鳥居の下を何度もくぐりお祈りしました。
そして最後に広島へ。海外のかたは日本人以上に日本で見たいところに広島を挙げます。やはり世界的には原爆が落とされた世界で初めての場所であり、悲惨な現実がそこにあったことを知っています。アメリカの高校生の団体が修学旅行のようなものなのでしょうか、資料館に見学に来て熱心に見ていました。今年戦後70年、政府の談話のことばかり話題になっていますが、一人ひとり我々がどう歴史と向き合っていくか。正直な事実を学び、反省する点はしっかり教えていくこと、メルケル首相が日本に来日された際に会見で述べていたことを思い出します。

2015年

3月

21日

エッセンシャル思考

全米ベストセラーだというこの本<エッセンシャル思考>かんき出版。最近出版された本ですが、感銘をうけた点が多かったのでご紹介します。
本の内容は・・・<自ら選ぶということを自分のものにしよう。選択の自由は誰にも奪えない。選択の自由を投げ出すのならだれかのいいなりになるしかない。何かを選べば必然的に何かを捨てることになる。大事なものを知り、不要なものを捨て、きめたことをスムーズにやりとげる。そしてその選択のときに、何が自分にとってエッセンシャルなのか、自らに問う習慣をつける。そうすることで重要なものを選べるようになる。そしてやることを減らしてより大きな成果をえる。>また小さなルーチンや正しい習慣を続けることが成果をえる鍵であることも述べている。イチローやその他のスポーツ選手がルーチンを毎日こなしそれをスムースにすることこそ成功の秘訣といっていたのと似ているなと思った。

自分はどちらかというと人のためにとなんでも引き受けてしまい、たしかにすべての仕事を100%でこなしていないほうだ。つまり非エッセンシャル思考。うまく断れるひと、うまく仕事を制御できる人をみてうらやましいと思う。しかしこれからはエネルギーも時間も脳力ももうふんだんにあるというわけではないから取捨選択することを考えなくては・・と思っていたところでこの本に出会った。何かを決めなければいけないとき、何が自分にとってエッセンシャル?と問うてみるようにただいま自らを実験中である。

2015年

3月

20日

初期研修医 チーフレジデント卒業式が行われました。

今年もこの卒業の季節がやってきました。いつもこの会に出席しながら、自分の若い頃のことを思い出します。チーフレジデントが終わって、なんだか気が抜けてしまい目標を失ってしまったころ(もう18年前だ・・・)。でも、それから本当に医者として自分で道を選択し成長していかなくてはならないということに気付くのが遅かった自分。若いときは勧誘を受けたり修了式だ何だかんだと行事があるけれど、ある程度を過ぎてしまえばそれもなくなる。つまり自分にスポットライトが当たり続けることはない訳です。それでも精進して成長していかねばならないことを、皆自分でだんだん学んでいくことでしょう。
今は同期の仲間がたくさんいて、羨ましい限りです。初期研修医の時の仲間をきっと大切にすれば、年をとっても良き仲間でいることでしょう。<次へ>

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2015年

3月

18日

茅ヶ崎の医師会勉強会にて講演させていただきました。

茅ヶ崎市の医師会で講演をさせていただく機会を得ました。『外来でみる血液内科』と題して、外来で遭遇する初診患者の主訴をもとにどのように鑑別するか、具体的な患者さんを例に上げながらお話しさせていただきました。私の外来も混雑しておりますが、本来は安定していたら開業医の先生と連絡を密にとればお任せ出来る患者さんもたくさんいます。これからがんを生き抜いて長生きされる人も多くなるわけで、抗がん剤使用後は2次発がんの問題もあります。また高齢の患者さんではM蛋白というのが出現する頻度が高くなり、その一部が骨髄腫となります。
最近の研究では急性白血病などで頻度が高くみられる遺伝子異常が白血病が発見される前から存在し、それらから急性白血病が発症することがやや多いことも解っててきています。やはり造血器腫瘍もいきなりなるのではなくて、前段階があるのです。それらをフォローするのも我々だけではなく開業医の先生も一緒に診ていただけると良いなと思い、病診連携の関係を作るためにもこのような機会があればまた講演させていただきたいと思います。
また以前私は茅ヶ崎徳洲会病院に勤めておりましたので、その頃茅ヶ崎徳洲会にいらして現在は開業なさっている先生が声を掛けて下さり、とてもありがたく思いました。

2015年

3月

17日

末永孝生先生とMaria Konopleva氏の講演

MDアンダーソンの白血病科で活躍中のMaria Konopleva氏が日本で講演なさるというので、どうしてもききたいテーマだったこともあり遠く福岡まで出掛けてきました。佐賀大学医学部附属病院の小島研介先生のご紹介でした。骨髄腫細胞では周囲の微小環境が腫瘍の成長にとても重要な働きをしていることが以前から言われているますが、急性白血病でも同様に骨髄内の微小環境と、そこで産生されるサイトカインが重要な働きをしていることが解ってきました。その仕事を精力的に行っている先生がMaria氏です。急性白血病では抗がん剤は血液中にある芽球には非常に効果的ですが、一部の骨髄内の細胞についてはどうしても残存し、再発してしまう。それが何故なのかという理由の一つに、SDF-1α、CXCR4という分子間のinteractionがあします。これらの分子は細胞の移動やhomingに関係し、白血病細胞の生存に関係しています。予後の悪いFLT3の転座をもつタイプの急性白血病ではCXCR4が高いことが解っており、これを抑制すると抗がん剤の効きが良くなるという研究も既に出されている、というお話しでした。
また、もう御一方は亀田総合病院にて長年臨床血液をやっていらっしゃる末永孝生(まつえ こうせい)先生の講演でした。臨床家ではあるけれど積極的に研究もされており、骨髄腫では骨髄生検までやるべきだとの意見や骨病変を診るための全身CTの話、またマルチカラーのフローサイトメトリーを用いた細胞解析の話など、アクテイブだなー、と感心しました。血液疾患は長く臨床をやっていける領域です。どのようにそのモチベーションを持たれているのか、機会があったら是非お話しを伺いたいと思います。

2015年

3月

14日

院内災害訓練が行われました

土曜日の午後、院内で大規模な災害災訓練が行われました。将来の災害に備えて院内では年2回、このような訓練が行われます。全部署から参加し、私も医師メンバーとして参加しました。実際に災害が起きてから本部を立ち上げ、その後どのように人の分配をしてトリアージをし患者を診るようになるのか。その流れを追いました。まず災害が起きたあと災害本部を立ち上げ、各部署は患者の安全と各フロアの破損個所を報告します。そういえば東日本大震災の際には私の患者さんが売店に行き、ちょうどエレベーターに乗っていたときに地震がおきたため病棟内でいち早くいないことが判明し、エレベーターが直るまで励ましていたことを思い出します。
本部への報告終了後本部長は診療継続するのかを判断し、と同時に動ける人員を把握して災害により駆けつける人のトリアージ(重症化どうか)をする場所を指示、人員の分配を行います。緊急を要する患者さんを診るところ(赤)、中等度の人(黄色)、軽症の人(緑)を診るところを決め、そこにテントなどの設営を行います。今回は電子カルテが動くことを想定して行われましたが、入力しながら行うことが本当に可能か、その時の人出、押し寄せる人によると思われます。ただし、その場で”とにかく診療”ということをして患者確認を怠ると、患者間違いが生じるリスクはとても高いと感じました。このような訓練がもう少し小さいものでもいいので行われ、防災委員といわれる担当委員だけでなく多くの職員がこの流れを知っておかないと、いつ起きるかわからない災害ですからリーダーを出来る人がどの現場にもいないと大混乱することでしょう。特に幹部、部長クラスは訓練を受けておいたほうが良いと感じます。良い体験でした。

 

2015年

3月

13日

山本先生を招いてAi(死亡時画像診断)の講演会開催

日本のAi読影第一人者である山本正二先生をお招きして、Aiの講演会を院内で開催した。今年で2回目となる。当院ではAiは救急外来を中心にかなり前から行われてきたが、仕組みとして作ったのは2年前。撮ってみると死亡の診断に結び付けられるものはなかなかないが、死後の変化というのが時間とともに変わることで、普段見ているCTとも違う点が多くなかなか読影は困難である。当院では委員会で一度CT症例をレビューして、必要な場合には家族の許可を得て山本先生のところへ送っている。今回の講演では当院の症例を元に、読み方のポイントのアドバイスをいただいた。また、今年10月から改正される医療法により<予測されない死>に対してどのように準備がすすんでいるのか、厚生労働省の動きについて紹介してくださった。法律施行は間もないため、我々現場のものは内心焦っているのだが、なかなか国から指示は下りてこない。委員会の実情も意見が割れて決めるのが難しいようで、定義がなかなか定まらないようである。今後予測されない死に対しての対応が迫られるようになると、Aiを死後撮ることも多くなるであろう。先生も何かあれば撮っておいたほうが良い、とおっしゃっていた。また小児のケースは難しく読めるものも少ないため、国として研究をしているということで、参加の呼びかけがあった。なかなか勉強する機会が少ないだけに勉強になる会であった。

2015年

3月

12日

川崎市殿町地区キングスカイフロント 再生細胞医療の産業化拠点をねらった開発

川崎市が国際戦略拠点として積極的に最先端医療を誘致している話は聞いたことがあったが、その一つである川崎市殿町地区を見学できるというので参加してきた。自分の住む県内でありながら、このような政策を知らなかったことが恥ずかしいが、黒岩知事の積極的にヘルスケア政策を推進するというリーダーシップによりここまで進められているのか、と感心した。県内には「さがみロボット産業特区」というのがあり、医療ロボットの開発が進められている。横浜市大には先端医療センターが設立され、iPSの研究を進める拠点にするという。
そして今回の川崎殿岡地区は多摩川を挟んで羽田空港が目のまえにあるという素晴らしく恵まれた立地条件で且つ広大な土地があり、そこをイノベーションセンターとして再先端医療を開発する地域にするという。すでにジョンソンアンドジョンソン、富士フィルム、実験動物中央研究所、国立衛生研究所、ナノ医療イノベーションセンターなどが建つことが決まっている。その一画にはライフイノベーションセンターとして再生細胞医療の実用化、産業化拠点も作られるという。すごい大きな一大プロジェクトだ。これだけの広大な場所で研究から開発、検証、さらに実用化までをもっていける企業を集めようというわけなのだ。ここに当院の系列の病院が進出したら何が出来るだろう、何を求められるだろう・・・。考えつきませんでしたがこの数年で着実にここは変わり、雇用が創出されるでしょう。

2015年

3月

08日

知っていることを自慢する姿

ある知人が変わったな、と思う場面がありました。知名度もあり優秀な方ですが、あえてその場で自分の経験値の高さを示したり、こんな方と知り合いであるということを自慢げに言う姿をみて、どうして自分のことばかり話すのだろうと思ってしまいました。あまり品格を感じませんでした。そうでもしないと上の社会では生きていけないのかなー、とただの一般人である私は思ってしまいました。
 下重暁子さんの<老いの戒め>(海竜社)から・・・
 話が長いのは老化現象の最たるもの。自分の置かれた場所がみえてなくなる。一気にしゃべってしまうのはゆとりがなくなった証拠。自分が話すのではなく相手にしゃべらせる。一人でしゃべり続けず必ず相手にふること。相手に話す時間を与えられるかは器量を表すバロメーター。
自分もそう言いながら、つい喋りたいだけ喋っていることはないだろうか。つい自分の経験を自慢げに話したりしていないだろうか。気を付けなければ。自分も老いてきたし・・・と思ったのでした。

 


2015年

3月

08日

TTMフォーラム in 東京

血液領域において骨髄腫やリンパ腫といった造血器腫瘍といわれるものの勉強会は多いが、実は凝固系の分野の勉強会はとても少ない。このTTMフォーラムは検査部の人に教えていただいた勉強会で、定期的に行われているものとして数少ない凝固のエキスパートが集まり、かつ相談しやすい会です。当院の伊藤亮治先生が大動脈解離からくる難治性慢性DICの難しい症例のコントロールについて、発表しがてらエキスパートの意見を求めることとしました。大動脈解離では血栓が出来やすい状態にあり、それを溶かそうとして体の仕組みとしては線溶(血栓を溶かす)系が活性化し、それが過剰となれば今度は出血しすぎてしまう(この症例は大きな筋肉出血を2回繰り返したのです)。それをまた固まろうとさせれば、また血栓が出来やすくなる。そして線溶系がまた亢進という堂々巡りの状態となることがあり、コントロールを何で行うか・どこを目標とするのか明確な解答は得られず、エキスパートの先生方も治療は難しいと言われていました。α2PIで線溶系の程度を見たほうがよい、とアドバイスをいただきました。
他院からの症例もなかなか面白いものがありました。蜂刺されのあとにAPTTが著明に延長するケース。APTTの測定は試薬によりデータが異なることがあること、蜂毒の中に含まれるホスホリパーゼA2が関係するのではないかという考察がありました。検査結果を信用している我々ですが、著明なデータ異常の時には試薬を変えて測定し直してみるということは非常に参考となりました。
また、新しい抗凝固薬(ワーファリンの次の世代といわれる、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシア)ですが、これらではワーファリンとは違い採血で量の微調整がいらないと言われているものの、腎障害がある人には重篤な出血傾向をきたすことがあり、手術前や緊急出血時、過剰内服や腎機能低下のときにどの程度出血傾向があるのかを知るのが難しいとされます。それについての講演が北大名誉教授 松野一彦先生よりありました。血中濃度はまだ保険適応もないことから日本でその予測をするのにプラザキサではPT,APTTを併用して評価すると良いこと、イグザレルトではPTを参考に(しかし試薬間格差が問題となること)、エリキュースはモニターが難しい点を示してくださいました。これから研究がもう少し進んでくるのでしょうか。臨床的にはこれらの薬剤が脳梗塞、心臓領域でより使われるようになっていますが、出血に関しては注意が必要な薬剤であります。

2015年

3月

06日

つらいことから学ぶ それを伝える

研修医の先生と中堅の先生とノミュニケーション。互いに少し世代が違うものが普段どんなところから学びを得ているのか、問題をどう考えているのか、院内では話さないことも病院を離れると話せたりします。
 人は辛いと常に表情や行動で表現する人もいますが、それを全く見せない人も多くいます。悩みが全くなしの人なんてないわけで、それを仕事場に持ち込むかどうかという差です。本当に元気に働いている子持ちのお母さん看護師さん達。学校で問題があって呼び出されても、夜子供を抱えてご飯を食べる時間すらない人、こどもが障害を抱えている人も仕事している時には笑顔でプロとして働いている姿を知っています。
私も辛い時期に周りにぐちぐち言っていたことがありましたが、それをある看護師さんにぴしゃりと”それって自分の責任で決めたことでしょ。”と言われ、それからもう愚痴は外に言うのはやめました。覚悟が足りなかったから出ている愚痴でした。
 辛いことから逃げずに対処していくことで、人間は成長させられます。年だからというだけでなく、若い人でもそういう経験をしている人は少なからずいると思います。まるで悩みなどないように見える相手にもそんなことがあるんだと知るだけで、勇気をもらうとうこともあるものです。経験が知恵となることを見せていくのが私たち上のものの役割だと思います。

2015年

2月

28日

Myeloma Forum in Yokohama

土曜日の午後ではあったが骨髄腫関連の演題があり、myeloma forum in Yokohamaに参加した。Dana Faberに留学されていた海老名総合病院の鈴木利貴央先生から、HSP蛋白を阻害剤であるTAS-116という経口剤による研究のお話しがあった。今後の抗腫瘍剤として多剤との併用で有用で、またその他の癌腫でも試されているということであった。また、横浜市立市民病院の仲里朝周先生が骨髄腫に対してpersonalized therapyをどうしていくのが良いのか、本当にfrailな患者でも完全寛解を目指すべきなのか国際的な研究を紹介しながら述べられていた。結論としては臨床試験に入っている人はやはり真のfrailな患者は外されていることが多く、そこは医師の匙加減で深い寛解を望むのではなく、副作用をコントロールしながら調節すべきだが、やはり元気な高齢者であれば深い寛解を目指したほうが良い。その脆弱性を簡便に行える検査をいうのは確定されていないが、JCOGにおける固形がんのプロトコールではもっと脆弱性を調べるためのことをiPadなどを用いて行っていると紹介された。
また、
特別講演ではサリドマイドが副作用をおこす機序としての蛋白<セレブロン>を発見した東京医科大学の半田宏先生がお話しをされた。これは大きな話題となり、サリドマイドなどの薬剤の可能性を広げる研究が盛んとなっている。サリドマイドは催奇形性が有名であるが、実はラットとマウスではサリドマイド奇形を起こすことが出来ないらしく、実験は初めゼブラフィッシュを用いて行われ、セレブロンをノックアウト(発現しなくさせる)するとゼブラフィッシュの胸ひれや耳の形成が阻害されること、そしてセレブロンをレスキューすると胸ひれがまた出てくることを証明された。セレブロンはサリドマイドを含むiMIDsとよばれる薬剤(サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド)の抗がん作用にも関与しているとのことで、そのメカニズムはiMIDsはセレブロンを介してIRF-4,C-myc,p21の発現を調節していることが解っているようである(IRF-4,C-mycは互いに骨髄腫の細胞増殖に必須な蛋白であり、またp21 は細胞サイクルの進行を抑制する働きがある)。またiMIDsには免疫調整作用があることが解っているが、それがセレブロンに依存してT細胞を活性化させ、免疫調整をしているのだという話をされていた。

興味深いのですが分子的に難しい点がたくさん出てきて、理解できたのはここのとこらまでであります。

2015年

2月

28日

湘南鎌倉総合病院女医会

当院にも女医さんが増えた。当初は総合病院にしては女医が少なく女医当直室もない病院だったところから、今後女性医師を上手く活用していくためにどのように病院を変えていくかを病院に提言していこう!ということもあって開催され始まった女医会。初回は10年以上も前になる。しかし今は総勢ここにいるだけでも18名、半分位の参加だから総勢は40名にもなるだろうか。困っていることなどを話ながら楽しい時を過ごした。以外に知らない院内の女性医師の仕事ぶりを知ることが出来た。

女医の活用は叫ばれながらも、確かに難しい側面も持っているのも確かである。カバーをするのは男性医師であることが多く、急な対応を強いられることもあり不満の声もきかれる。それらを調整するのは難しい。子育てなど関係していない女医は男性にはない気遣いや看護師さんとの調整役などを担い、また子育てなどで大変な人は仲間への感謝の気持ちを忘れずに、逆に相手が困っている仕事を助けるなど持ちつ持たれつやっていくことが肝心で、権利だけを主張してはいけないのだと思う。
実は子供を持たない女医は中途半端な立ち位置で、気持ち的にも難しいと感じることがある(これは前に同世代の女医と話したときにも出てきた話だ)。つまり本当の子育ての大変さは体験していないからわからないし、しかし仕事のカバーや調節で大変な男性医師の気持ちも分かるし、というところだ。とて女性医師の数は増えていて、この資源を将来も大切に使っていくためには働き続けていくということが必要だと思う。これには皆の協力がいるというわけだ。

2015年

2月

26日

鎌倉総合内科専門医会 安藤先生の話

この日、東海大学血液腫瘍内科学教授の安藤潔先生が、鎌倉総合内科専門医会にてお話しをされるということで、座長を務めさせていただきました。基礎から臨床までということで、30年のoverviewをされました。たしかに血液内科の分野は1990年代から様々なる治療薬+それをサポートする薬剤が発売され、治療成績は明らかに向上しました。例えば慢性骨髄性白血病は亡くならない疾患となり、またリンパ腫でもリツキサンの併用により著しく治療成績が伸びていること。新しいメチル化阻害剤とepigeneticという考え方を話されましたが、話はそれで終わらずその後がとても面白かったのです。先生は作今の高額な薬剤の使用について、「このままでは破綻してしまう。どうしていったらいいのか」という問題提起をされました。私は教授たる方が医療経済のことを考えているとは思わなかったのです(患者の一番近いところにいる我々臨床医なら分かりますが・・・)。しかし、安藤先生はその他にも今後の医療の方向性としてゲノムが関係して遺伝子診断や発症リスクを考える予防医学、先制医療が始まるだろうという話から、医療コミュニケーションの話、癌患者のコーチングの話、またこの多忙の中イギリスまでホスピスの見学に行かれ、日本の地域の力が低下がそのまま医療に丸投げされている現状、それをもっと地域に下ろしていかなくては高騰する医療費の抑制はできないともお話されました。イギリスではホスピスに関わる人数は日本とさして変わらないけれど、その10-20倍のボランテイアが関わり、そのボランテイアは地域の人であり彼らは自分たちの地域のホスピスという意識がある。自分たちでそれを守ろう、そして将来はそこに世話になるという発想が出来ているとのこと。これは新しい終末期地域医療として、そして地域のつながりをより戻す手段として可能性のある方法、アイデアだと思いました。教授が研究の面だけではなくて多方面に関心があることに驚きました。

2015年

2月

24日

春らしくなりました。病院の周りの玉縄桜 開花宣言

病院周囲の玉縄桜がもう開き始めました。この地域の名前が付けられた桜で、早咲きで長持ちします。今週に入り急に咲いてきました。周囲の梅と競演です。病院に来院された方は、少しゆとりがありましたら病院建物脇の職員用駐輪場に、また隣りのマンションの入り口にも木がありますので見てみて下さい。
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2015年

2月

21日

湘南藤沢徳洲会 大江先生の送別会

この日、湘南藤沢徳洲会病院の大江先生の送別会が藤沢市内のホテルで開かれました。大江先生は藤沢徳洲会病院の前身である茅ヶ崎徳洲会病院の研修医出身で、そこから一筋で同病院を支えてこられました。一時期は虎雄先生の主治医をしながら80名以上の呼吸器の病棟管理も行う、という人間離れした業をされていました。どうやって生活されていたのだろうと不思議に思います。この日披露された彼のエピソードには、その姿が武士のようであったという話がありました。まさにそのような心境であったことと思います。当時、私には自らそのお手伝いを名乗り出る勇気がとてもありませんでした。
それらを乗り越えて人として成長されている姿、藤沢徳洲会病院の内科の長として信頼されるその姿は、落ち着いていらっしゃいますがとても風格がありました。彼をみていて、人としてまだまだ精進しなくてはならないことを感じました。
これからは病院の前に開業し、病院から逃げるというのではなく病院との関連をもち、教育もしながら自分のクリニックをもつという、新しい開業医の姿を模索されるようです。アメリカでは多くの医師が病院前に開業し、朝から自分の患者さんの回診してそれからクリニックに戻り、また夕方病院へという仕事をしていましたが、そういう風にやっていかれることでしょう。でもアメリカでは開業医のほうが忙しいなと思っていましたので、同様に働きすぎてしまわれるのではないか心配です。
送別会には茅ヶ崎徳洲会時代の院長先生や昔々の先生達も駆けつけられ、楽しいひと時でありました。また、私が研修医の頃育てていただいた看護師さんがまだ働いていらっしゃり感激しました。近いようで遠い存在となってしまっていた病院ですが、良い形での同窓会となりました。


2015年

2月

19日

他人に負けるのではなく他人に抱いた感情に負ける

あることにイライラしていて、その理由は分かっているのにそことは全く別のことに手を出し発言をし、的を得ておらず傷ついて落ち込む。今週はそんな週でした。自分でもそう思う自分が嫌だから余計傷つくのです。

そんな時に励まされた言葉があります。
「人は他人に負けるのではなくて、他人に抱いた感情に打ちのめされて負ける。
他人がどれほどのマイナスを吐き出したとしても、自分がその上を歩かなければ、その吐き出したもので転んだり、傷つけられたりすることもない。」----ロングテール
その通りです。他人へのひがみが結局は自分を傷つけ自らの意欲までも削いでしまったり、醜い行動へと走らせてしまう。それを相手にしないでいられる心を持ち、そういう時こそ努力しなくてはならないのでしょう。

2015年

2月

14日

第30回名古屋international cancer treatment Synposium に参加しました。

毎年愛知県がんセンターならびに名古屋大学の先生がたを中心として、これまで30回にわたり癌の治療について最先端のことを学ぶシンポジウムが開催されています。会場は愛知県がんセンターの講堂を利用し、すべて英語で行われます。最近のテーマは分子遺伝学的なことが多く、固形がんの知識はついていけないためこれまでは参加してきませんでしたが、今年は血液の分野の遺伝子関連がテーマとあり、頑張って出掛けました。若い先生というよりは各大学の上の先生方が参加しており、なかなか重たい会でした。CBF AMLといわれるt(8;21),inv16などの急性骨髄性白血病ではKitがmutationを起こしていて、それが再発リスクなどのに関係することから通常の抗がん剤にdasatinibを組み込ませて、その後大量AraCを行ったあと維持療法として1年間ほどdasatinibを内服するのを臨床試験として行われている話。またDNMT3Aがあるなしで化学療法のメニューを変えるなど、遺伝子の異常により治療メニューを変える(つまりに治療前に検索するということだが)層別化治療が行われるようになるかもしれない。またIDH-2阻害剤の臨床試験の効果やホジキンリンパ腫におけるPD-1阻害剤治療の効果、また濾胞性リンパ腫における予後予測に遺伝子を複数組み込んだ指標が紹介されていました。2000年代前半の染色体の異常により造血器腫瘍の種類を分類し予後予測をしていたところから、今後は遺伝子レベルでの差の予後予測がもっと進み、それが予後予測モデルに取り入れられ、さらには治療選択にも影響してくる時代がくるだろうと思います。また、免疫療法がこれから造血器腫瘍の治療の中でも増えてくることが期待されると思いました。それにしても読まなくてはいけないという論文が多すぎます。

2015年

2月

13日

20年後の医療戦略を厚労省にてとりまとめ

厚生労働省が20年後の医療政策ビジョンの取りまとめに乗り出すと、読売新聞の記事に紹介されました。今月中に懇談会を設置するとのこと。国民医療費は年約40兆円に上り、毎年1兆円規模で増えていて医療費抑制を睨んでいるといいますが、現場の医師は最近の高額医療費に関係する人の数をみれば、それも当然だろうと思ってしまいます。本当に新薬などはコストが高いのです。臨床試験に基づいて全ての人がいつも最高の医療を受けるのを続けていたら、やはり医療費は増えざるを得ないであろうと皆感じています。最高級のコートを買うか標準のものか、安いものを買うか。それと同じように医療もただではないのですから、質により支払うコストに差はつけていかなくてはならないと思います。その英断を国が行うことが必要です。弱者切り捨てと言うけれど、保険制度がもたなくなってはもともこもないですし、今の若い人たちにこの制度を残していく、それを考えていかねばなりません。
そしてどこまで治療をするのか、その意志決定も含めて国民一人ひとりが早い段階から考えていくこと。そして近所のかかりつけ医制度に5年~10年かけてもっていくこと。そのためには開業医がカバーする範囲も広くなると思われ、そのための準備も必要。ナースや専門職の活用も検討することが必要でしょう。様々な疾患に対処できる総合診療専門医の育成とありますが、若い医師には学問的な深みを深めるために、ある領域を深く勉強する時期も必要です。だからそんなに簡単に育成できないと思うのです。

2015年

2月

11日

流鏑馬 in 下曽我 梅まつり

下曽我は小田原市の国府津から御殿場線にて1つ駅をいったところにあります。梅林が広がり梅の産地です。毎年この時期に梅まつりが開催され、2月11日には流鏑馬が奉納されます。流鏑馬というと鎌倉八幡宮を思われるかたも多いでしょうが、ここ下曽我では田んぼを利用して行われ、一般の人でもすぐ近くで馬の走る迫力を観ることも出来ますし、やや離れたところから3つの的を射るのを全て観ることも出来ます。
今年は寒いため梅もまだ咲き始めという感じでしたが、以前訪ねた時は風にのって梅の香が漂い、それはそれは心地良いものでした。この日だけはたくさんの人が駅で乗り降りしますが、普段はとても静かなところ。少し会場から離れたところを歩いていると、日曜の朝ということもあり本当に静か。ある子供がお父さんとどこかから梅を見に来ていたのでしょう。子供が”ここは本当に静かなところだねー”としみじみ言っていたのを聞き、”そうだねー”と思わず答えてしまいました。鳥が梅畑で鳴いていて、祭り時でなくてもゆっくり歩いてみたい。そんな町でした。

2015年

2月

10日

Bay Area Hematology Congress in 横浜

これまで主に横浜市大の先生を中心に行われていた血液の勉強会を一般病院にもオープンにして下さり、テーマが面白そうでしたので参加してきました。
まず、藤沢市民病院の藤巻先生が多くのMDSに対しアザシチジンにて治療し、その予後について解析して先日のアメリカ血液学会で発表されたデータを中心にお話しされました。アザシチジンはMDSの人に輸血依存を減らし芽球の増加を抑え生存を延長させますが、高齢者にとっては連日の注射のための通院が困難なことも多いのです。注射の為だけに入院はそうそうさせられないし、また土曜日が休みの病院では困っていて、週5日でも良いのではないかと考えている人も多いのは確か。週5日にすると効果がみられるのがやや遅れることはあっても、効果、副作用ともに大きな問題はないようですし、また海外では同系統の薬剤で週1回で治療することをチャレンジしているところもあるようです。また女性のほうが効果が高いというのも面白いと思いました。
次に特別講演として佐賀医大より小島研介先生がおみえになり、”P53と造血器腫瘍”と題して講演されました。p53はもともとDNA修復のために備わっている蛋白で、DNAが治せると思ったら細胞サイクルを止めてDNAを修復し、治せないと思ったら細胞を死へもっていく働きをしていて、ストレスがかかるとp53は活性化されます。ところがこれまでの白血病の治療として用いられる抗がん剤はDNAにダメージを与えるのでp53は活性化されますが、ここで修復に失敗して細胞死に至らなければ2次発がんに関係してきます。
また、がんでは本来内因的にDNAが壊れているとされp53が活性化されているはずですが、p53が変異したり(造血器腫瘍でも10-50%あるとされる)、働きが抑制されています。p53変異はMDSでは複雑型の核型や5q-に関係があり、これがあると他のパラメーターとは独立して予後不良とされます。同様に急性骨髄性白血病においてもp53に変異があると予後は移植をしても著しく不良で、治療関連の(抗がん剤関連の)白血病などでもその頻度が高くなるとされます。ほとんどの抗がん剤はp53変異があると効果がありませんが、アザシチジンにはp53変異のある細胞クローンを減らす働きがあるという点はおもしろいと思います。そこでアザシチジンと他の新薬を組み合わせた治験が海外では行われているようです。
ただ、このp53変異はまだ発症していない一般の人も高齢になるにつれ持つ比率が高くなります。これは他の急性白血病やMDSにみられる遺伝子についてもその傾向があるということが、2014.12に『THE NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE』にでています。老化と疾患との関係にも関与し、非常に興味深いことです。

2015年

2月

08日

再生医療産業化展での再生医療セミナーをきいて

大阪で再生医療産業化展が開催されました。重症心不全に対しての心筋再生を手がける大阪大学大学院の澤芳樹先生の講演や、関節の軟骨再生医療を手がける東海大学医学部の佐藤正人先生の講演があり、ぜひ聞いてみたいと思い日帰りで出掛けました。
澤先生の講演から。重症心不全に対して自己筋芽細胞から作られた細胞シートを手術で心臓に貼り付け、臨床試験も実施している。さらには小児重症心不全に対しても研究が進められているそうです。ただし心筋細胞がすでに回復できないところまで変性しているとそれでは上手くいかず、そのような人には心筋細胞の補充が必要で、iPSを用いた心筋細胞シートの研究が進められているとのこと。これらの細胞は2か月で成熟型となるそうです。
また、佐藤先生の講演では関節軟骨の再生に関する研究もここまで実用化されているのか、と驚きました。変形性関節症は今後の高齢化社会でQOLに影響を与える大きな問題ですが、膝などの過重のかかる関節の軟骨再生は非常に難しいらしく、正常な部分の滑膜と軟骨をとってきて培養し、シート状になったものを損傷した部分につけることで再生してくるそうです。取ってくる細胞のソース(源)はもっと新しいものをということで、小児の形成手術などで破棄された、多指症などの組織から細胞シートを作成することが検討されているとのこと。いずれにしても再生医療の進歩は非常に早く、講演に併設された企業ブースを見てみると、すでに産業化を見据えた企業の進出も関西、神戸中心に進んでいると感じました。これから発展する医療の分野であることに間違いありません。

2015年

2月

07日

第33回 湘南鎌倉血液患者の会を開催しました。

湘南鎌倉血液患者の会を、この日院内の講堂で開催しました。2001年からで、もう33回を迎えました。私の患者さんばかりでなく玉井先生や神戸先生の患者さんも参加していただき、120名を超す参加者となりました。この日はいつものように患者さんからのお話のほかに、新しく14階病棟の師長になられた中山さんが移植コーデイネーターの仕事もしているためその話を、また私が多血症の話をしました。寒い中多くのかたが参加していただき、これからも半年に一度続けていきたいと思います。

2015年

2月

03日

Xavier leleu先生の講演 in 相模原

フランスで活躍する多発性骨髄腫の第一人者が来日され、相模原で講演されるということで聞きに行きました。全国的な会では質問はなかなか出来ませんが、神奈川は全国規模で招聘される先生がなぜか講演しに来て下さるという地理的に恵まれたところであり、規模がそれほどでもないので質問しやすいということが利点です。
Leleu先生はとてもはっきり意見をされる先生である、という印象をもちました。骨髄腫では最近の治療戦略として染色体を中心に行われるリスク分類での治療選択と、欧州を中心に行われている全身状態をスコア化してそれを治療選択に組み込む、というものが話題になっています。まず講演の最初に協調されていたのは、骨髄腫も初診時から複数のクローンが共存しているということ(骨髄腫といえども単クローンではない!!)、特に予後の悪いhigh riskでは悪いクローンが残るので、治療を止めてしまうとすぐ再燃してくるから治療は続けなくてはならないこと。また今後レナリドマイドが初期治療としても認められるようになってくるだろうが、標準的リスクの人ではレナリドマイドでもボルテゾミブベースでも成績は同じであろう。しかしhigh riskの人にはボルテゾミブベースの治療のほうが良いであろう、と意見を述べられていました。また、欧州では最近65歳から70歳前後の人にも自家移植を進めているようです。そのコツは?と質問してみたところ、出来る人には薬剤の減量などしないできっちりと同じ量で行っていると。つまり出来るかどうかの臓器障害、全身状態を最初にしっかり見極めるということでしょうか。high riskの人が悪いクローンが残ってしまうとしたら、維持療法もずっと同じ治療メニューでなく複数の薬剤を取り入れたほうが良いのではないか?と質問してみましたが、維持療法の交互治療までは研究段階にないということでした。またエホバのかたに自家移植をトライしているかということも聞いてみましたが、していないということでした。一流の人に実際的な質問が出来て、為になりました。

2015年

2月

01日

40歳定年で次の挑戦のためのスキル磨き

東大大学院の柳川範之教授は<40歳定年>というのを唱えている。年金制度も厳しくなって労働人口も減る中で、これまで通り20歳すぎから75歳まで同じ会社でバリバリは働くのは難しいし、だいたい技術革新が速いために昔の知識では変化に対応出来ないのもある。企業の研修にも限界があり、50-60歳で技術を新しく得られていない人は結局だぶついてしまい社内失業となってしまうが、今の企業にはそれらを抱える余裕はなくなっている。まだ学ぶ意欲がある早い段階で一度定年制として学び直したり、新たな技術を身につけて社会全体で雇用シャッフル出来るようにするのが良いのではないか、という提案だ。私は「大学院に行きたいな」と言ったら、40歳はもう古いといわれたことがある。しかし40歳前後には一度働いてから新たに勉強したいところがみえてきたという人もいるだろう。また、大学も子供の減少で運営が上手くいっていない面があるとすれば、それを成人に開放するのも手である。ただし、そのためには家計を支えるための仕組みがないと今の社会補償のレベルでは難しいと思う。子供の高校、大学の費用がかからないのであればそれも可能かもしれないが、現実的には難しいでしょうか。医師も私くらいの年代になって、まだ余力があれば1-2年の学ぶコースがあれば良いのになとよく思うことがある。でもそれがレアであると勇気がいるし、その後のポジションという問題もある。ある程度職場でそういう制度があればいいと思う。アメリカでは研修医教育などをしっかりやった教授には、10年やれば1年間の勉強する時間が与えられる制度があるときいたことがある。

2015年

1月

29日

iPS細胞で臓器再生、特許成立へ

冬空で最近の病棟から見える富士山はとても美しい。

さて、2015.1.29の新聞には東京大学と特許管理会社のiCELLとがiPS細胞を使用して臓器を再生する特許が日本で成立する見通しとなり、人を含む動物のiPS細胞を用いてヒト以外の動物の体内で臓器を作成することができるようになる、と報じていた。3か月ほど前にiPS細胞の進歩の講義で聞いたことがもう現実化してくるのかと思うと、その進歩に驚かざるを得ない。このところの技術進歩は指数関数的だ。これを開発した東大医科研の中内啓光教授は、iPS細胞から移植用の膵臓を動物に(たぶんこれがブタになるのだろうか)作らせ、それを糖尿病の患者の治療へ活用することを目指しているという。将来的には老化した自分の臓器を改めて再生し、病気を治せるだけでなく臓器が若返ることも出来るかもしれないということだろうか。実現はまだ先とはいえ、その技術進歩の速さから以前のようにまだまだ先というのではなく、ある技術の壁を越えられたらブレイクスルーで一気に実現可能となるのではないか、という気がする。

2015年

1月

29日

自信のない人は他人を心から褒めることはできない。

今週は患者さんとお話しする時間があり、これまたご教授いただいた言葉 第2弾。
これまで小料理屋を経営し、地元も含め多くの力のある人達をみてきている女性。これまたいつも綺麗な、しかもお洒落な服をきて外来に来られるし、写真でみた着物姿はとても美しく落ち着いた印象。ところが性格はとても男っぽい。育ちは良いが決断やものの考え方、信念は男性並み。その彼女が今日こんなことを話された。
自信のない人は心から他人を褒めることは出来ない。だからその人を伸ばすことが出来ないので、その人からプラスを得ることも出来ない。自分に自信をもっている人は他人のよい点を素直に褒め、その人を伸ばし生かし、それがまた自分の力となってくれる。そういうところを観てきたわよ、と教えてくれた。
これはなかなか核心をついた、出来るリーダー像である。最近のリーダー論には、ただ部下を褒めるようにと書いてある。けれども口先だけの軽い褒めではだめで、よく観察して努力している点を認め、自分よりも出来る点でも素直に認めて褒めるということが大切であろう。これまた良いお言葉でした。

2015年

1月

26日

お金よりも天職よ!

今週は月末のためか外来患者数が少なく、患者さんといつもよりお話しをする時間があったりして、色々な良い言葉をいただいた。まず第一弾。リンパ腫の母親のためにいつも付き添って来てくれる女性。私よりも年上と思われるが、いつも嫌味のないおしゃれな恰好をしてきて、そして足がとてもとても細いのだ。女の私でも目がパッといくくらいだから、さぞかし男性の目も虜であろう。そんな彼女に「スタイルが良くて足が綺麗で良いですね、羨ましい・・・。」なんて言ってみたところ、彼女はきっぱり”天職があって先生が羨ましい。お金よりも天職よ!”とばしっと言い、私は「そうですか・・・。」としか言い返せなかった。人はないものを常に求めるものだが(それが生きるエネルギーにもなるわけで)、自分が思う以上に医師として健康に働け、人にエネルギーを与えたり人を回復させたりすることが出来ることは、他人からみたら羨ましいほど恵まれていることなのでしょう。同窓会に行ったときにも、女性でしかも自らが生かせる職場で働けることを羨ましいと言われたことがありました。私にはバーのママさんは出来ませんし、営業も正直すぎてダメでしょう。それほど向く職業は多くないように思います。天職である、と医師として仕事を終える最後まで思えるように、日々精進して働きましょうと思ったのでした。

2015年

1月

25日

遺伝子変異からみた骨髄増殖性疾患

「血液腫瘍シンポジウム 2015」という研究会が東京で開催され、1/24参加してきました。次世代シークエンシング法の発達で高速で大量の遺伝子が読み取れることとなってから、血液の分野においても遺伝子のレベルで新しい知見がどんどん増えています。ちょうどこの間の12月にNEJM(医学雑誌)にある記事が出でました。その内容は年齢とともに遺伝子異常をもつクローン性造血というのが実は増えていて、70-79歳では9.5%、80-89歳では11.7%、90-108歳では18.4%の人に認められると。その種類として急性白血病でも多くみられる
 DMNT3A,TET2,ASXK1とう3種が多いという。これらのある人は造血器腫瘍になるリスクが11.1倍にもなるということが発表されました。
 この日のレクチャーでも骨髄増殖性疾患の発症に関連するとされる遺伝子JAK2とTET2の話が、宮崎大学の下田教授からありました。JAK2だけでは長期的な骨髄増殖能獲得が動物実験から難しく、TET2という遺伝子異常がinitiaterとしてあり、そこにJAK2が加わることでそれがdriverとなり長期の増殖優位性を獲得するのだということを、実験から理論立てて説明されました。今、骨髄線維症に対してはJAK2阻害剤が使用できます。これは脾腫や全身症状の改善の効果があり生命予後も改善しますが、線維化は治さないとされています。しかしMEK阻害薬というものが骨髄線維化を抑え、さらに造血も回復するという可能性を示されました。
また京都大学の小川誠司先生は再生不良性貧血におけるたくさんの症例のシークエンシングを行った中から、36%にmutationがあり、うち1/3は初診時からあるといいます。その変異はMDSとパターンが似ているということです。再生不良性貧血と低形成のMDSの鑑別が臨床的には難しいことはしばしば。また免疫抑制療法がよく効くMDSもあり。実はこれらの疾患、表現型が違うだけなのかもしれないと思ったのでした。非常に勉強になる研究会でした。


2015年

1月

24日

NHKスペシャル NEXT WORLD から

NHKスペシャルでこの1月、近未来を変革させるテクノロジーを紹介している。医学の進歩もさることながら、各分野の科学技術の進歩はすごい。一般の人にはついていくことが出来ない。まるで映画のようでもあるが、これが20-30年後に実現してくる可能性があるというから驚きである。この日放映された番組の中から医学的なことを一つ。
 筋力を増強する遺伝子としてIGF-1(インスリン様成長因子)遺伝子が知られている。その遺伝子を強く発現するように調節すると、左のような筋肉の比率の多い動物が作られるという。これを利用すれば筋力が低下してしまう病気の人にも応用できるかもしれないし、また特に高齢者、これから世界全体で高齢化が進むが、その高齢者に利用すれば筋力低下することなく生きることが出来るかもしれないというのである。確かに病院でも高齢者が転倒することが多いし、入院して病気は治ってもすぐに歩けなくなってしまい、なかなか家に帰れない。ベッドが次の人にまわせないということが問題になるので、実現するのであれば高齢化社会では有用であろう(副作用が心配であるが)。またもっと早い段階として、ロボットの手足などを部分的に用いることで、歩いたり作業することが軽い力で出来たりサポートが得られるというから、これまた高齢者の自宅での生活をサポートするのにとても良いであろう。ちょうどこの1月23日、安部政権が医療や介護、農業、建設といった現場でのロボット活用策を盛り込んだ報告書を取りまとめ成長戦略の柱と位置付け、国内のロボット市場を2020年までに2兆4千億円と現在の約4倍に拡大する目標を掲げた。知らぬ間にどんどん進化していく世界。進化した世界はどこへいってしまうのであろう。少し薄気味悪いな、という後味が残った。

 

2015年

1月

17日

iPS臨床試験の今後

1/17 日本経済新聞の記事です。
再生医療の切り札とされるiPS細胞を病気の治療に使う研究が活発化してきた。京都大学は将来の治療に使えるよう備蓄中のiPS細胞を、品質評価などのために国内の大学、研究機関に提供し始めた。また、患者本人のiPS細胞を神経系疾患であるパーキンソン病治療に使う臨床研究を2016年にも始める。理化学研究所は目の難病を治療する臨床研究で2例目の準備を急ぐ。海外でもiPS細胞の臨床応用の計画が進む。
国内での臨床試験の開始目標は以下のとおり。
2015-16 血小板、心不全、パーキンソン病、
2016-17 角膜
2017-2018 脊髄損傷、糖尿病  2019-2020 白血病、肝臓
血液関連の疾患も血小板と白血病が含まれています。
また当院でも京大に協力する形で特定疾患の患者さんの細胞を提供してもらい、iPS細胞バンクの設立に協力する研究が始まります。
コンピューターの世界も急激な進歩が予想されていますが、医療の世界でも治療の大きなパラダイムシフトがおきようとしているのを感じずにはいられません。


2015年

1月

17日

働く人のがん治療

1/17 内閣府が行ったがん対策に関する世論調査がNHKニュースで報道されていた。
「日本では、がんの治療や検査を受けながら働き続けることは難しい」と考えている人が60%を上回っているということであった。
内閣府では去年11月、全国の20歳以上の3000人を対象に、「がん対策に関する世論調査」を行い、60%に当たる1799人が回答。「今の日本は、がんの治療のため病院に通いながら働き続けられる環境だと思うか」尋ねたところ、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた人が合わせて29%だったのに対し、「そう思わない」と「どちらかといえばそう思わない」と答えた人は合わせて66%であった。働き続けることが難しいと考えている人にその理由を聞いたところ、「代わりに仕事をする人がいない、または、いても頼みにくい」が23%と最も多く、次いで、「職場が休むことを許してくれるかどうか分からない」が22%、「治療や検査と仕事の両立が体力的に困難」が18%などとなっています。厚生労働省は、「職場の理解や体制が不十分というだけでなく、医師が患者の勤務状況にあった助言をできているかなど、医療機関のサポートの在り方にも課題があると報道していた。

当病院ではオンコロジーセンターという外来で化学療法を行う部門があり、そこで治療をうける人の件数は年々増えている。スタッフも間違えがあってはならないので、確認、点滴管理、ときにトイレにいくと転倒しそうな人もいるのでそれにも目を配りつつ、電話での問い合わせにも・・・と大忙しさ。ということは医師もそれらの人を外来でみるわけであり入院患者に加えて以前外来で治療をしていたような人も外来でみることが多くなっている。アメリカにはナースプラクテイッショナーという専門的な教育をうけたレベルの看護師が、ちょっとした症状の問い合わせや簡単な便秘などの処方を行っていた。治療できそうかどうかの治療前診察もしていた。そういう役割の人が増えてこないと、仕事しながらの人たちの悩みなどにも十分応えてあげられないと思う。また当院では主治医が担当日以外でも外来調節をして診察や治療を行うことができるが大病院ではなかなかそれもかなわないことが多い。仕事に関しては、フレックスタイムの利用や自宅での作業ができる仕事などに一時的にするなどの配慮をしてくれる企業もあり。公的機関や大手企業は優遇されているなと思うことが多いが小さい企業の人は病気の不安とともに仕事への復帰、経済的な不安とともに治療をされているかたも多い。抗がん剤治療は費用がかかる。今後の治療の発展に伴い負担が少なく外来での治療をするかたは増えると思う。その制度の充実にはそこに人的資源を投じることも医療レベルでは必要である。

2015年

1月

11日

昔の仲間と

1月10・11日と、大学時代の仲間と7年ぶりに小旅行へ出掛けました。女医4人組ですが、皆まだまだ活躍しています。地域基幹病院の消化器内科医、大学病院産婦人科医、がんセンター呼吸器外科医に私(すごいパラフルな仲間だ!)。みんなそろそろピークを越えて、今後どうしようか考えているかなー、なんて思ったらとんでもない。今がまさにピークだと言うから驚きでした。皆仕事の充実感を感じていて地域の医療の問題、病院内での問題、健康のことや家庭のことなどなど、同じ目線で話が出来ました。仲間ってありがたいなーと思いました。そして皆、仕事というものがそうさせているのだろうけれども決断が早いし、支度も早い。思わず笑ってしまいました(時間とともにスッと起きて、知らぬ間に互いの行動をみて洗面台を使いあうなどなど)。皆の頑張りをみて私も負けちゃおれん!と思いました。自分の仕事も少し整理が必要かとも考えていただけに、まだまだ老いている場合ではないと刺激を受けました。そしてまた来年も会うことを誓ったのでした。

2015年

1月

10日

病院内は乾燥、インフルエンザもはやり大変です。

最近は寒く晴れていることが多いので、富士山がきれいです。病院内は室温がどうしても高くなり、夕方西日が当たると汗ばむくらい暑くなる部屋があります。また空気も感染しているため、肌が乾燥してきます。しかし病室内では加湿器は使えません。インフルエンザに関連する患者さんも多く来院されています。
テレビではインフルエンザの集団発生で死亡者が出たことが報道されていますが、医療者が責められてもなー、と思いながらみています。これだけ蔓延していて家族も罹患し持ち運ぶ可能性もあり、またワクチンを打っている職員も罹患している状態のため、完全に院内における発症を抑えきれるものではありません。我々もマスク・手洗いには配慮し、ある程度インフルエンザの患者さんの入院は制限したり部屋を配慮しています。しかし院内で発生すると大変です。同室者や濃厚接触者には検査をしたり予防投与を開始したり。感染管理の担当者に報告などバタバタします。化学療法などして免疫力が低下している患者さんもいる病棟なので、より神経質になります。外来で化学療法をしている患者さんには、出来るだけ外出を控えるように話をしています。この乾燥と寒さでは、まだまだ流行は継続しそうです。

2015年

1月

09日

東京GIM in 横浜

問診を中心とした診断思考過程を大切にして総合診療を学ぶ者がつどう東京GIMという勉強会があります。今回は横浜で開催されるというので当科の症例を発表しがてら参加してきました。
当科からだした症例はWBC900 血小板も1万/μL程度に低下し40度もの発熱が続くと紹介された若いかたの症例です。はしかのような眼球結膜の発赤と全身の皮疹を伴い私は麻疹だと思ったのですが、研修医の先生が問診から東京が職場であることをつきとめ、最終的には今年はやったデング熱であることが分かった症例でした。
デング熱は血小板数低下は知られていてしばしば紫斑を伴うのですが白血球低下の頻度も高く40-50%とかかれているものもあります。つまり血小板も白血球も低下してくることが多いのです。ですから血液内科を受診する可能性もあります。しかもデング熱は8月にはやりましたがこのかたの発症は10月でした。このくらいの季節でも蚊に気を付ける必要があるのです。そのほかのウイルス性疾患でも、麻疹や風疹、パルボB19感染、EBウイルスでも2系統の血球減少はくることがありますからこれらを鑑別にいれつつ、来年もデングウイルスには注意する必要があります。特殊な抗体を調べなければ診断がつきません。問診でその人の生活状態をしっかりきいて、そして疑わなければ診断ができないということです。論文ではWBCの減る程度もピンからきりまで。本症例のように1000/μLとかなりの低値を示すこともありますが重症度は反映していないようです。
そのほかに3例の症例が提示され夜の7時半から10時すぎまで行われましたが勉強になりました。

2015年

1月

07日

生活に本当に必要なものを見つめ直す本

ある書評で見つけた本ですが、単なるハウツー本ではなく自分の生活を見直す点でとても共感できた部分が多かったのでご紹介します。
アメリカ人女性がフランスの貴族の家にホームステイ。物質的ではない小さなルーチンの生活の中に幸福を探す、生活の質に重きをおく生き方に気付き暮らし方のコツを体得し、それを紹介してくれています。
 
 テレビよりも静かに読書。服は自分に合うものというのが分かっていて、自分に合う服を数少なくもつ。そして質の良いものを買う。余分なものは簡単に買わないし、いつまでも使わないのに置かない。クローゼットはとても狭い。
 食事はしっかりと作る。テーブルに座りしっかり食べて、デザートも食べるけれども夜遅くにスナック菓子などをバリバリ食べない。スーパーで余分にまとめ買いしない。いい食材は専門店で新鮮なものを。心を込めた食事作り。
 遠くへの旅行やリッチな旅行ではなく、街を散策したり美術館に行ったり文化的な刺激を求めて情報収集。それを会話の中でうまく取り込む。小さい日々の生活の中に気付きや幸せを感じられる心を持つなどなど。
今の私の生活は時間をかけないで楽をする過ごし方が若い時からの習慣で身についてしまっていて、時間があっても簡単に済ませるようにしてしまっています。物が欲しいと思ったら我慢することなくネットでも注文してしまい、すぐ飽きてしまうことが多い。最後まで使用しなくて、そのうちあちこちに服や本が積み重ねられている。でも捨てることが出来ない。現代社会の”物質でたらふくになっているのに満たされない”。その病に気付くヒントを教えてくれている本だと思います。まずはものを減らすことから初めてみましょう。

2015年

1月

03日

NHKスペシャル NEXT WORLD

今年最初のNHKスペシャルはNEXT WORLDというタイトルで、未来予知を人工知能などの面から予測するという番組でした。シリーズで放映されます。1/3に放映された内容は、将来2045年までには人間を超える人工知能が作られ、データをもとに未来予測がされて、今の携帯端末のようなものからくる未来予測に従って人間は行動をするようになるだろうという刺激的なもの。すでにこれらの予測は、アメリカのミュージックシーンではビジネスとして行われていて、曲がヒットしそうかどうかがコンピューターに分析させて確率がでてきてそれに基づいて売り出すというサイトが運営されているし(名プロデユーサーの仕事がコンピューターにとって代わられる)、アメリカのある地域では犯罪パトロールするエリアをコンピューターに未来予測させて行うことで犯罪率を減らしていたり。ってことはあなたはいつこの病気になる確率が何%なんていう病気予測もそのうちできるようになるんじゃないのかなーと思ってしまった。これらが現実化には莫大な人の情報が集積される必要があり、小さなチップのようなものが商品などに埋め込まれてすべての情報がどこかで扱われるようになるのだろう。もうプライバシーなんてことはなくなると誰かがいっていた。また雇用にも変化が起きるだろうと番組ではいっていた。一部は人工知能が行えてしまうだけに人工知能よりも能力が落ちる人と人工知能よりも高度な仕事をする一部の人というように格差が生まれる。(恐ろしい!!)現実にはそのようなことがアメリカの弁護士の仕事では行われていて、弁護士の能力評価、雇用に利用されているという。すべて未来予測してくれる知能があったら自分で考える必要はなし、また学ぶ必要もなくなるのか?ということは人間自らの能力が退化していくのか??なんだか頼もしい未来というよりも人間そのものがどうなってしまうのか怖くなってしまう未来だ。でももう戻れないのだろう。未来予測家のレイ・カーツワイル氏は人類の大きな変換期、特異点であるという言葉を使っている。見逃したかたはNHKオンデマンドでみれます。

 

2015年

1月

01日

2015年 あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。
2015年未年が始まりました。正月から雪が舞う寒い年の始まりでした。実家では年明けとともに近くの小さな神社にお参りにいきます。今年は我が家は一番のりでした。

今年はどんな年にしようかと目標をたてたでしょうか。私は飽き性な性分を改善する努力とともに、もっと真剣になってみる年にしようかと思っています。

今年もどうぞ当院血液内科をよろしくお願い申し上げます。