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悪性リンパ腫 診断のためのプロトコール

2012年1月

診断まで

悪性リンパ腫は組織型で治療プロトコールが異なるため、まずは正しく組織診を出すことが一番重要である。

1.診断のための初期work-up

CBC
末梢血スメア(骨髄浸潤があり異型細胞がでることがある)
LDH,T.BIL,GOT,GPT,ALP
BUN Cre,UA,Na,K Ca,P
CRP
IgG,IgA,IgM、蛋白分画 一部のリンパ腫ではM蛋白がでることがある。
可溶性IL-2R これだけで診断はしてはならない。粟粒結核でも著明に高くなることがある。

2.悪性リンパ腫の組織診

先ほども述べたように組織診により治療方針が変わることもあるため、適切な場所から早く検査をすること、また診断が難しいときにはMLネット(SRL取扱い、造血器腫瘍の診断に強い病理医の診断が仰げる)や大学病院、がんセンターなどに相談すべきである。

リンパ腫、組織

  • 大きさ とる大きさとしてはできるだけ1cm角の立方体分の量があることが望ましい。ただし消化管粘膜、肝臓などで十分な量がとれないときには、その提出方法を考える。
  • リンパ節生検では、頸部、鼡径、腋窩の順によりよい組織がとれる場所をさがす。表在リンパ節で探してもない場合は、有意でないものをとって時間がかかるよりも、侵襲はあっても有意な場所からとるようにする。開腹によるリンパ節生検も傷が小さければ2週間で十分回復できる。とった検体はすぐにホルマリン固定せずに、生理食塩水にひたしたガーゼか、生理食塩水をいれたシャーレにいれ、あとで標本をきりわける。(ホルマリン用、フローサイトメトリー、染色体分析用、凍結保存用。)スタンプ標本を作製しておくとはやく悪性かどうかの診断が可能なることもある。
    胃粘膜からの検査では院内に病理医がいる場合は前もって相談し生検の検体数、提出方法の指示を仰ぐ。病理医が不在である場合で消化管リンパ腫の疑いが強い場合はMLネットで提出するのも一つの方法である。できるだけ多くの標本(10検体以上)提出し、一部は追加検査ができるよう凍結保存したり、フローサイトメトリーに提出する。
    肝臓からの生検の場合は細長い組織診で少なくとも3本提出するのが望ましい。
    提出先は同様でMLネットに提出する場合は1本ホルマリン、1本フローサイトメトリー、1本凍結保存に提出する。

骨髄検査

骨髄はステージングのために行うだけではなく、血管内リンパ腫などのようにほかに腫瘤が認められない場合には骨髄から診断することができる場合もある。クロット標本を作製しておくと後日EBERなどを追加した時に検査が可能である。
骨髄は必ず生検も含めて行う。また少量の細胞をフローサイトメトリーから検出できることもあるので、スメアのほかに、フローサイトメトリー、さらには染色体検査を提出することが望ましい。特に濾胞性リンパ腫のときには、すでに進行していることが多いとされる。肉眼的にみてもわからないが骨髄浸潤が染色体検査でわかることがあり、IgG-bcl2  t(14;18)をFISH法で追加して行うことをすすめる。

胸水、腹水

悪性リンパ腫を強く疑うが組織診が得られない場合は胸水、腹水から診断ができることがある。ただしただの細胞診だけではなく、フローサイトメトリーや染色体検査も同時に行うことが重要である。
胸水、腹水で提出する場合には、SRLであればweekdayに限られるため検査会社に受付時間を確認しておく。検体量は50ml以上採取し、それを遠心にかけて沈んだ細胞を専用の容器にうつして提出する。

3.病気決定のための検査

  • 表在リンパ節 エコー検査
  • CT 頸部から鼡径まで。とくに扁桃腺の腫脹があるときには副鼻腔、上咽頭まで含めてもらうように指示をする。基本的には造影剤を使用して検査を行う
  • 骨髄検査 生検も含めて行う
  • PET/CT ステージングが難しいとき、治療までに時間があるとき

4.合併症予防のための検査

DMがある可能性があり →HbA1c
心エコー:アドリアマイシンを使用する可能性があるため
HBc-Ab:リツキサンとPSLを併用することでB型肝炎の再活性化がみられ、とくにHbc-Abが陽性の場合には注意が必要とされる。陽性ではHBV-DNAを測定し、陽性では抗ウイルス剤を併用しながらの治療が必要である。

IPI (International prognostic Index)

全患者IPI  年齢>60歳

LDH>正常
Performance status 2-4
stageIII, IV
extranodal involvement>1か所 
それぞれの項目があてはまれば1点とし

Low  0,1
Low intermediate 2
High intermediate 3
High   4 or 5

age Adjusted international prognostic index

年齢60歳以下の人に対して
Stage III, IV
LDH>正常
Performance status 2-4
 
Low  0
Low/intermediate  1
High/intermediate  2
High   3

FLIPI-1  濾胞性リンパ腫に対して

Age 60歳以上 
Ann Arbor stage  III , IV
Hb<12g/dL
LDH>正常
Number of nodal sites 5以上
上記因子が
0-1 Low    2 Intermediate   3 High

IPS 国際予後スコア ホジキンリンパ腫

血清アルブミン 4g/dl未満 
Hb 10.5g/dl未満
性 男性
臨床病期 Ann Arbor IV期
年齢 45歳以上
白血球数 > 15000/mm3以上
リンパ球 600/mm3未満または白血球数の8%未満
上記予後因子の数を加算してprognotic scoreとする。