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ATLL(Adult T-cell leukemia/lymphoma)

HTLV-1が関係するリンパ腫である。HTLV-1キャリアのうち生涯で発症する率は5%である。九州、沖縄地域に多いのは知られているが最近は住居移転に伴い大都市在住のキャリアが増えている。高悪性度リンパ腫の一種である。
ATLLを疑いHTLV-1抗体を測定して陽性であったら、次に本当にウイルスが存在するかどうかをみるためにHTLV-1プロウイルスDNAを測定しこれが陽性であればATLL
と確定できる。陰性であればHTLV-1のキャリアにたまたまATLでないリンパ腫に罹患したと考える。
検査は末梢血のリンパ球数と異型リンパ球を確認し、骨髄検査を行い骨髄浸潤を確かめる。しばしば高カルシウム血症を伴いそれにより腎障害を併発していることがあり直ちにに高カルシウム血症の治療を要する場合がある。また中枢神経症状(意識障害など)がでていることがあり、それが高カルシウム血症によるのか、腎不全によるのか、ATLLの中枢神経浸潤なのか鑑別する必要がありその場合は頭部MRIなどの画像検査、髄液検査を考慮する。
ATLLには下山分類という4つの分類がある。

  • くすぶり型:末梢血に5%以上の異常T細胞があり皮膚や肺に病変があることもあり。
  • 慢性型:末梢血にリンパ球が増加(4000/μL以上)しておりさらに異常T細胞も3500/μL以上に増加、リンパ節腫脹もあり、肝脾腫もあり。
  • リンパ腫型:末梢血には1%未満の異常T細胞でリンパ球増加もないが組織学的に証明されたリンパ節腫脹がある。
  • 急性型:非常に進行がはやく骨髄にも浸潤。白血病の様相を呈している。

くすぶり型と慢性型は予後がよく治療はおこなわない。
リンパ腫型と急性型はただちに治療を開始する。
CHOP療法は現時点では最も行われている治療であるが寛解率は十分ではない。まだ世界的にも満足的できる標準的なレジュメはない。今年T細胞性リンパ腫に対して抗CCR-4抗体が発売される予定である。
 またJCOG 9801試験でATL患者にに対してbiweekly CHOPと比較されたmLSG15療法(VCAP-AMP-VECP療法)は毒性が高度であるものの完全寛解率35%、部分寛解率45%と効果が高く、70歳未満で大きな臓器障害がなく、感染症がない場合には試みるべきプロトコールである。
治療中は中枢神経予防を行う。
またATL患者は日和見感染症が多いためPCP予防としてバクトラミンの併用と抗真菌剤の併用を治療中に行ったほうがよい。 バクトラミン4T/2X 週2回、フルコナゾール100mg/1X