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血液疾患勉強ノート(医療者向け)

2017年

4月

07日

キャッスルマン症候群診療の参照ガイド

雑誌名

臨床血液58(2)97-107,2017

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2016年

8月

12日

非典型溶血性尿毒症症候群 aHUS診療ガイド

雑誌名

2015 日腎会誌 2016:58(2)62-75より

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2016年

4月

28日

反応性血小板増多症について

反応性血小板増多症とは

WHOの基準にもあるように血小板数が45万/μLを超えたものを血小板増多症とする。
血小板増多症があったときに、それが反応性なのか、骨髄増殖性疾患をはじめとする骨髄疾患なのかを見極める必要がある。

■血小板数60万/μL以上の患者91人を調べたところ、反応性は70%、骨髄疾患は22%、両者合併は8%であった
 という。Am J Med. 1994;97(4):374.

■反応性血小板増多症の原因で多いものは・・・
 感染症31%、感染+手術27%、術後16%、悪性疾患9%、脾摘後9%、急性出血か鉄欠乏性貧血8%

■血小板が100万/μL以上の原因で多いものは・・・・ 82%が反応性、14%が骨髄疾患
 感染症31%、脾摘後、脾機能低下19%、悪性疾患14%、外傷14%、炎症(感染以外)9%、失血6%、
 リバウンド3%、不明4%

■症状
 反応性では骨髄増殖性疾患よりも症状はおきにくいが、頭痛や視力障碍、胸痛、手足の色が悪くなるなどの症状は
 出うる。また血小板100万/μL以上になると骨髄疾患では血栓症や出血の頻度が高くなるが(24%程度)、
 反応性では1-3%程度と少ない。これも鑑別の一つとなる。

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2016年

4月

21日

原発性骨髄線維症の病理

1.臨床経過
原発性骨髄線維症の臨床経過は初期段階で徐々にreticulinが増える段階とそれ以降collagen fibrosisを形成し、最後にosteosclerosis(骨硬化)をきたして新生骨がみられるような段階に大きくわけられる。
その経過とともに臨床的にも脾臓が大きくなり、末梢血に赤芽球や幼若な細胞が出るようになりLDHが上昇してくる。貧血は初期が平均Hb13.9g/dlに対して、進行すると10.9g/dlになるとされる。血小板も減少し、原発性骨髄線維症の初期と本態性血小板血症の鑑別は見分けにくい。

2.骨髄線維症の病理のポイント
骨髄生検では、巨核球の増殖と異型の存在が重要視される。
一般的には細網繊維の増生と膠原繊維の増生を伴う。細網繊維の増生がなくても顆粒球系の増殖と、赤芽球の減少を示す過形成骨髄を伴う巨核球の増殖と異型性があれば、診断される。

巨核球の異型性とは・・・
通常よりも大きいN/C比を有し、過染色性、球状あるいは不規則に折曲がった核を有する小型から大型の巨核球をいう。

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2016年

4月

07日

ダウン症と急性白血病

ダウン症は染色体21番目のトリソミーによりおきるヒトの染色体異常でよく知られていた疾患であるが、体表面の異常だけではなく血液の異常がしばしば生じる。
新生児の時に白血球数が異常に増加するのがダウン症の5-10%に認められる。これは一過性異常骨髄増殖症(TAM)と言われ、近年の遺伝子研究により21番染色体異常と、GATA1遺伝子変異が関与していることが解っている。このTAMは末梢血に芽球が出るので白血病かと思われるが、数週間から3か月前後で消失し自然寛解に至る例が多い。ただし約20%に肝不全になり出血傾向、黄疸を示す例があり、そのような症例では生後3か月以内に死亡するリスクが高い。初診時に白血球数が10万/μL以上の症例、早産、肝脾腫、全身浮腫、胸水、腹水がある症例が重症化リスクが高い。
またこのTAMになった症例の20-30%は生後3年以内に急性巨核球性白血病(AMKL)になる。このタイプの白血病は一般的に非常に稀なのであるが、ダウン症ではなりやすい型で正常児の400-500倍の率で発症すると言われる。この白血病になる場合には、TAMの時からさらに遺伝子異常が追加されて起きてくるということが、研究にて解っている。特にコヒーシンという蛋白の遺伝子変異がみられるという。
このコヒーシンという蛋白は、細胞分裂するときにリングの形を作って染色体を束ね、分裂する先の細胞にDNAが正確に分配されるようにするのに大切な働きをしている。

遺伝子の解析手法が進歩して非常にスピーデイーに検査が行うことが出来るようになり、遺伝疾患の病態の解明も進んでいる。それが成人における疾患の解明のヒントにもなっている。学生の時にはただただ面白くなかった染色体異常の遺伝疾患が、体表奇形だけでなく様々な機能異常、免疫異常、血液異常とも関連しており、分子、病態も解明されてきて面白いな~と最近感じる。

2016年

3月

24日

二次性の骨髄線維症について

2次性の骨髄線維症は骨髄腫瘍に伴わない骨髄線維化を呈する病変をいう。
疾患としては、
(1)転移性腫瘍
(2)結核などの慢性肉芽腫性炎症
(3)SLEなどの自己免疫性疾患
(4)糖原病、脂質代謝異常症

線維化は限局性で皮質骨周囲により強い傾向がみられる。
巨核球の異常や増加はなく、リンパ球やマクロファージなど多彩な細胞増多をみる。

骨髄転移性腫瘍は上皮性腫瘍がほとんどであり、サイトケラチン陽性である。
造血器腫瘍にみられる線維化と転移性腫瘍との違いは、転移の場合には骨髄線維化が瀰漫性にみられ、また破骨細胞と骨芽細胞が多くみられる。骨硬化の病変では特に皮質骨の増生が強く、男性の場合には前立腺がん、女性の場合には乳がんを考える。
溶骨性の転移もあるが、溶骨性の時には結核が隠れていないかも注意する必要がある。

2016年

3月

14日

アルコールと血液異常

アルコール多飲者は血液に異常をもたらします。一体どの位飲んだらそうなるのでしょうか?

慢性的アルコール摂取とは・・・アルコール80g、ハードリカーでは250ml、テーブルワインで750ml(1ボトル)、ビールなら1.5L(なかなか1日でここまで飲む人は多くないかもしれない)

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2016年

1月

21日

特発性血小板増多症(ET)と妊娠

特発性血小板増多症(ET)と妊娠 Essential thrombocytosis and Pregnancy

ETは骨髄増殖性疾患の一つで、主に血小板が増加します。検査データの異常にて受診する場合もあれば、頭痛や胸痛、失神といった血管系の症状を呈する場合、また血栓症にて発覚する場合、血小板数が100万/μL以上を超えると逆に出血を起こしやすくなります。
さて、診断される平均年齢は60歳前後とされますが40歳以下の人も20%程度を占めるとされ、若い人にも発症する病気です。血栓症をおこしやすいということは、妊娠の際にも実はリスクが出てくるわけです。

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2015年

10月

28日

造血器疾患のクローン性

1.良性病変でクローン性が証明される疾患

良性疾患でもクローン性が証明されることがあること知っておく必要がある。
(1)B細胞性:若年者のろ胞過形成性病変、若年者のマージナル層過形成性病変、Sjogren症候群の唾液腺炎、
         高齢者の末梢血Bリンパ球増多症、免疫不全者
(2)T細胞性:ウイルス感染:EBV, CMV, HIV自己免疫性疾患、皮膚のT細胞増殖性病変、健常人の末梢血顆粒
         リンパ球増殖、免疫不全者

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2015年

10月

07日

AMLで変異が認められる遺伝子

AMLで変異が認められる遺伝子

(1)Class I遺伝子  細胞の生存、増殖を促進する:FLT3,KIT,N-RAS,
(2)Class II遺伝子 造血細胞の分化、自己複製に関与する:NPM1,CEBPA、RUNX1変異
         NPM1は核と細胞質の間の分子シャペロンとして働くタンパク質をコードしている。成人AMLの25-30%に
         NPM1が細胞質に異所性に局在し、これに伴いエキソン12内の点変異がみられる。正常核型のAMLのほうが
         NPM1変異の頻度は高く、FLT3-ITD変異も伴い安い。正常核型でNPM1が認められてもFLT3-ITD変異が
         なければ予後良好。
(3)エピゲノム制御因子の遺伝子異常 TET2,IDH1/2、DNMT3A DNAのメチル化、ヒストン修飾に関係する(4)コヒーチン関連分子 細胞分裂に関わる RAD21、STAG2など
(5)RNAスプライシング SF3B1、SRSF2 U2AF1 
(6)クロマチン修飾 MLL DOT1L、EZH2

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2015年

9月

17日

多発性骨髄腫におえるクローン性増殖様式

これまで慢性骨髄性白血病にみられるようなlinear clonal evolutionが造血器悪性疾患の進展様式と考えられていたが、次世代シークエンシングなどによりminor cloneの検出ができるようになり、もっと早い段階(MGUS)で複数のクローンが発生していることなどがわかってきた(初発時でのクローン多様性)どの病期でも平均して3-6個のsubcloneが検出される。

1.Initiating step :14番染色体長腕14qを含む染色体転座の形成(50%)、高2倍体(hyperdiploidy) (40%)に
 より cyclinD1が強発現することでRBタンパク質の不活化を介して正常では増殖能を持たない形質細胞に       
   growth advantageがもたらされる。

2.形質細胞におけるcyclinD1強発現は、クロマチン構造やDNA損傷応答の異常を介してゲノムの不安定性を惹起
    し、それがclonal evolutionを誘導する。

3.MGUSから骨髄腫へのgrowth advantageをもたらす遺伝子は
    1)Ras mutation (2)c-Myc の強発現 (3)DNAの低メチル化 (4)del13 

4.さらなる病気の進行 髄外腫瘤:微小環境に依存せず増殖しアポトーシス抵抗性を獲得する。ゲノムの不安定性
    がさらに亢進するため17pの欠失(p53欠失)、1pの欠失(CDKN2C欠失)NF-κBの活性化が関係

5.骨髄腫の各段階における1塩基変異を比較(Walkerら Leukemia 28:384-390,2014)によるとMGUS 
  平均13個、無症候性骨髄腫平均28個、症候性骨髄腫平均31個、形質細胞性白血病 平均59個と病状の進展に伴い
    遺伝子異常が定量的に増加していく。

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2015年

9月

02日

低悪性度リンパ腫の形質転換と遺伝子異常

1.濾胞性リンパ腫の形質転換 
DLBCLとなったり、またBurkitt様となったりリンパ芽球性リンパ腫のようになったりする。
またCD10陰性になったり新たにCD5、CD30陽性、MUM-1陽性となったりする。
病理学的に濾胞性リンパ腫が形質転換した際に、リンパ節により形質転換が起きている場所とそうでない場所がある。生検部位の決定する際にPETのSUVが参考になる。
臨床的には、突然のLDHの上昇、急速なリンパ節病変の増大、節外病変の出現、B症状の出現、高カルシウム血症、PSの低下などがあげられる。
形質転換してからの予後だが、診断から18ヶ月以内であれば5年生存率は22%だが、それ以上であると66%と予後は良い。またサルベージ療法への反応性が予後を左右する。

2.t(14;18)が存在するとBcl-2を恒常的に高発現することから、B細胞は胚中心でアポトーシスを回避するようになることが胚中心での濾胞性リンパ腫形成の1歩。
しかしこの転座の単独異常は少なく、多くは平均4-6種類の付加異常がある。
またその付加異常を調べてみると、初期に6q-, +1q,+der(18)が出現するのは予後不良、+7が出現するのは予後良好であることが示唆されている。(Genes Chromosomes Cancer39(3)195-204,2004)

3.ポリコーム群 EZH2が胚中心型のろ胞性リンパ腫の遺伝子異常として注目
EZH2は、H3K27のトリメチル化をもたらすことで、多くの遺伝子群の発現を抑制する機能をもつ。正常ではEZH2活性化により分化に関係するIRF4、BLIMP1の発現が抑えられ分化がおきないようにされ、胚中心を出るときにはEZH2の発現が抑制され分化がすすむと考えられる。濾胞性リンパ腫ではEZH2が遺伝子異常によりEZH2が持続的に活性化されてしまって、B細胞が胚中心から出られなくなっているのでないかと推測されている。
MLL2遺伝子も濾胞性リンパ腫の90%にみられ、H3K4(H3K27と逆方向の制御をうける)のトリメチル化を生じることで、その遺伝子群の転写活性に関係する。

4.形質転換へのクローン進展経路は、共通の前駆細胞より分岐して進展していることのほうが多い。MLL2,CREBBP,EZH2などのクロマチンリモデリングに関係する遺伝子は初期からみられ、形質転換時にはMYCやCDKN2A/B、TP53などの細胞増殖やDNA修復に関わる遺伝子群、NF-kBシグナルに関わる遺伝子群(MYD88など)に異常が認められる(骨髄腫と似ている・・・)。

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2015年

8月

19日

IgM-M蛋白がみつかったら、どのように診察・検査を進めるか

1.MGUS(monoclonal gammopathy of undetermined significance)は骨髄中の形質細胞が5%以下でM蛋白量が
 3g/dl、臓器障害のないものをいう。しかし50歳以上の5%がMGUSを持つともいわれている。

2.蛋白電気泳動検査は、貧血があることから一般内科の先生、また尿蛋白があることから腎臓内科の先生、末梢神経
 障害があり神経内科の先生というように血液内科以外の先生が形質細胞疾患を疑って出すことも多い。

3.IgMのM蛋白がでたら・・・。鑑別としてはB細胞増殖性疾患(悪性リンパ腫、マクログロブリン血症)、アミロ
 イドーシス、多発性骨髄腫を鑑別にあげる。

4.MGUSは3つに分類する。
 (1)Non-IgM MGUS(2)light chain MGUS(3)IgM MGUS。
 それぞれの自然経過は(1)(2)は多発性骨髄腫かアミロイドーシス、(3)はIgMの多発性骨髄腫よりも
 マクログロブリン血症、アミロイドーシスのほうが頻度が多い。

5.MGUSの伸展  
 年1%が多発性骨髄腫へ移行するといわれる。IgM MGUSの人はそれ以外のタイプに比べて2倍であり、移行も
 多発性骨髄腫への移行よりもマクログロブリン血症、アミロイドーシスのほうが頻度が多い。そのためより細かい
 フォローアップがよい。IgM MGUSは、リンパ増殖性疾患の要素を多くもつと考えたほうがよい。

6.IgM MGUS ではnon IgM MGUSと比べて違う症状がありフォローのしかた、検査もやや異なる。
 (1)神経障害  末梢神経障害といわれる中の10%程度にM蛋白があるといわれる。マクログロブリン血症、
    骨髄腫、ALアミロイドーシス、POEMS症候群に合併してくる。両側性、末梢優位、感覚障害、脱髄
    パターンで進行性。生検すると軸索が消失している。
    IgM anti-myelin associated glycoprotein MAG抗体がこれらの末梢神経障害と関係するが診断にはこの
    抗体を用いない。またIgMの重症度と神経障害には関係なし。少数の人がリツキサンに効果があるが、
    それ以外の免疫抑制などには効果がない。また骨髄腫の治療に関しても神経障害の治療となるかは疑問が
    持たれている。
 (2)ALアミロイド IgM-MGUSはnon-IgM MGUSよりもアミロイドーシスの頻度は高い。
 (3)IgM蛋白が出ていてリンパ節主張、肝脾腫、骨髄浸潤がみられるとマクログロブリン血症がより疑いやすく
    なる。
 (4)他のB細胞増殖性疾患:慢性リンパ性白血病や非ホジキンリンパ腫を鑑別する。

 (5)IgM 多発性骨髄腫はまれである。マクログロブリン血症との違いは骨病変があるかどうかというところで
    ある。また染色体異常の点で骨髄腫ではt(4;14)を認めるがマクログロブリン血症ではMYD88を伴う。

7.病状などから鑑別
  (1)体重減少、全身倦怠感:ALアミロイドーシス、悪性リンパ腫
  (2)消化管:消化管出血、慢性下痢:消化管アミロイドーシス
  (3)心臓:進行性呼吸障害、失神、胸痛:心臓アミロイドーシス
  (4)神経:視力障害、めまいなど:hyperviscosity:マクログロブリン血症
  (5)骨痛:IgM 骨髄腫
  (6)皮膚:じんましん Schnitzler syndrome 
  (7)巨舌 アミロイドーシス

8.検査
 CBC,CA,Cre,β2MG,LDH,肝機能、電気泳動、免疫固定法、遊離軽鎖、グロブリン定量、尿蛋白
 心臓関連:NT-proBNP
 骨:全身骨検査
 骨髄:穿刺+生検 染色体検査 t(11;14)は骨髄腫、MYD88(マクログロブリン血症)
 エコー:肝臓エコー(アミロイドチェック)、心臓エコー(アミロイドチェック)
 CT:リンパ腫チェック

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2015年

7月

02日

妊婦における血小板減少症

1.ITP 免疫性血小板減少症
2.妊娠性血小板減少症(gestational thrompocytopenia):GT
3.HELLP症候群  TTPに似ている。

背景

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2015年

6月

24日

アメリカ血液学会の出したchoozing wisely campaign

「Choosing Wisely」は適切な医療のために(無駄な医療を減らすため)対話を促すことを目的に米国内科専門医認定機構財団が2012年から行っている活動で、各学会が「Things Physicians and Patients Should Question(医師と患者が話し合うべき項目)」を公表するもの。2014年7月現在、71学会がリストを公表している。
ここでは2013-2014年にアメリカ血液学会から出された10項目を挙げてみる。

1.輸血は症状を楽にするのに必要な最低限の量の輸血をいれましょう。心疾患のない人であれば安全なレベルと
  いわれるHb7-8g/dLを基準に。(心不全症状などがある場合にはそれよりも高めの設定を考えたりしま 
  す。)
2.メジャーな血栓症のリスク因子(手術、外傷、長期臥床)があるが一過性である場合には、家族性の血栓症の
      因子は調べてなくても良い。
3.IVCfilterを急性静脈血栓症には入れない。ただし、必要な状況というのは活動性の出血があったりして抗凝固
      療法ができない人、また適切な治療をしたのに肺塞栓症をおこした人では適応がある。
4.緊急ではない状態のときにVitK拮抗の目的で血漿、プロトロンビン製剤を使用するべきではない。
  (使用するなら大量出血、脳出血、緊急手術の時など)
5.Aggressive lymphomaの人で治癒を目的とする治療が終了した人に対して、無症状であればCTスキャンの
  検査は制限してもよい。特に2年を超えてのフォローアップで無症状であれば利益は少ない。

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2015年

6月

10日

脾臓リンパ腫 Primary splenic lymphoma

1. splenic marginal zone lymphoma

脾臓と脾門部に浸潤、骨髄浸潤、末梢血に出ることも多い。末梢のリンパ節や節外領域に病変がでることはまれである。平均的には60-70代の年齢に多く、女性がやや多い。
脾腫を主訴に来ることが多く、時に巨脾となる。貧血を伴い汎血球減少となることもある。絨毛様のリンパ球が中等度に増加する。
IgMが上昇することもあるが、リンパ形質性リンパ腫(マクログロブリン血症)よりも低値である。よって過粘稠症候群はまれである。
患者はしばしば自己免疫性溶血性貧血やITP、lupus anticoaglant陽性などの自己免疫性の症状を呈する。
HCV肝炎ウイルスとの関連を示唆する報告や西アフリカのマラリア流行地域ではこのリンパ腫が多いという報告もある。このマラリア関連は、マラリアに頻回に感染することで慢性の抗原刺激を受けることがB細胞のクローン性増殖と関係している可能性がある。
治療は脾摘である。これにより血球減少、Mたんぱく血症、B症状は改善し、平均生存期間も9-13年と長い。予後不良因子としては、自己免疫性溶血性貧血、低アルブミン血症、LDH上昇、β2MG上昇、Mたんぱく血症、リンパ球増加、ITP,節外病変などがあげられる。その他の治療オプションとしては、脾臓への放射線照射、化学療法+リツキサン、HCV抗体陽性の人にはリバビリン+インターフェロンという選択枝もある。


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2014年

12月

15日

亜鉛について

#1 血清亜鉛は日内変動を示し、午前中に高く午後に低下する。 
#2 貯蔵蛋白が存在せず。日々必要量を補給しなくてはならない。成人の1日必要量15mg。
#3 血清亜鉛は全体の亜鉛量の約1%を占めるにすぎないが、亜鉛欠乏の指標として有用である。
   身体活動やストレスにより肝臓その他への体内シフトがみられる。亜鉛濃度は午前8時が最高で午後3時に最低
   になる。また赤血球中には血清の10倍、白血球中には赤血球のさらに10倍の亜鉛が含まれ、採血後速やかに
   血清分離することが重要であり、採血時の溶血にも注意が必要。またWBC数が多いような白血病のような
   時にも値を考慮する必要がある。亜鉛欠乏時には亜鉛酵素の代表であるALPも優位に低下する。
  (ALP低下時に鑑別の一つになるかもしれない)


#4 亜鉛の吸収と臓器分布
   亜鉛は十二指腸、小腸上部で吸収される。吸収後はアルブミンやα2マクログロブリンと結合して細胞内亜鉛
   濃度の恒常性維持に寄与している。細胞内の維持は亜鉛トランスポーターとメタロチオネインなどの亜鉛結合
   性蛋白が担う。細胞が刺激による細胞の分化、増殖、機能発現などのシグナル伝達経路の制御に亜鉛が深く関
   与している。
   亜鉛は広く体内臓器に分泌して細胞内に存在する微量元素としては最も多く、筋肉に60%、骨に30%、残り
   の10%が肝臓、膵臓、腎臓、脳、皮膚、前立腺にある。

#5 生理的な作用:
  (1)細胞新生や組織の再生、創傷治癒過程の情報伝達に必須:つまり外科の術後にも大切。
  (2)免疫能の保持:亜鉛欠乏の主要症状の一つに重篤な免疫不全と易感染性がある。高齢者の呼吸器感染に
     おいても亜鉛投与が重要である。老人性肺炎の予防と重症化の抑制にも亜鉛有効。
  (3)顕在性の亜鉛欠乏症で食思不振、味覚障害、舌痛、褥瘡などの亜鉛欠乏症状は亜鉛投与により改善する
     ことがある。

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2014年

9月

04日

造血器疾患のクローン性

1.良性病変でクローン性が証明される疾患

良性疾患でもクローン性が証明されることがあること知っておく必要がある。
(1)B細胞性:若年者のろ胞過形成性病変、若年者のマージナル層過形成性病変、Sjogren症候群の唾液腺炎、高齢者の末梢血Bリンパ球増多症、免疫不全者
(2)T細胞性:ウイルス感染:EBV, CMV, HIV自己免疫性疾患、皮膚のT細胞増殖性病変、健常人の末梢血顆粒リンパ球増殖、免疫不全者

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2014年

8月

15日

多発性骨髄腫におけるクローン性増殖様式

これまで慢性骨髄性白血病にみられるようなlinear clonal evolutionが造血器悪性疾患の進展様式と考えられていたが、次世代シークエンシングなどによりminor cloneの検出ができるようになり、もっと早い段階(MGUS)で複数のクローンが発生していることなどがわかってきた(初発時でのクローン多様性)どの病期でも平均して3-6個のsubcloneが検出される。

1.Initiating step :14番染色体長腕14qを含む染色体転座の形成(50%)、高2倍体(hyperdiploidy) (40%)によりcyclinD1が強発現することでRBタンパク質の不活化を介して正常では増殖能を持たない形質細胞にgrowth advantageがもたらされる。

2.形質細胞におけるcyclinD1強発現は、クロマチン構造やDNA損傷応答の異常を介してゲノムの不安定性を惹起しそれがclonal evolutionを誘導する。

3.MGUSから骨髄腫へのgrowth advantageをもたらす遺伝子は
(1)Ras mutation (2)c-Myc の強発現 (3)DNAの低メチル化 (4)del13
 
4.さらなる病気の進行 髄外腫瘤:微小環境に依存せず増殖しアポトーシス抵抗性を獲得する。ゲノムの不安定性がさらに亢進するため17pの欠失(p53欠失)、1pの欠失(CDKN2C欠失)NF-κBの活性化が関係

5.骨髄腫の各段階にいける1塩基変異を比較(Walkerら Leukemia 28:384-390,2014)によると
MGUS 平均13個、無症候性骨髄腫平均28個、症候性骨髄腫平均31個、形質細胞性白血病 平均59個と病状の進展に伴い遺伝子異常が定量的に増加していく。

6.再燃時 
(1)初発時と同じ変異のクローンの再増殖
(2)新規の変異が加わる場合clonal evolution
(3)初発時にはみられなかった変異を有する新たなクローンの出現
7.クローンにより薬剤感受性が異なる。

8.腫瘍ごとの遺伝子変異数
CML 1個、AML,ALL 13個、リンパ腫30個、骨髄腫35個、肺がん540個
骨髄腫は急性白血病などと比べて遺伝子変異数は多いが、肺がんと比べると明らかに少ない。これらの遺伝子変異数と化学療法の治療効果、予後の間には大まかな逆相関がある。

9.今後の問題点として
(1)複数のクローンがあり薬剤感受性も異なるのであれば早くから併用療法で強力な治療をしたほうがよいのかどうか。ただし早期に耐性クローンを優位化させる可能性もあると思われる。
(2)またMGUSなどの段階から治療をしたほうがよいのかどうか。

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2014年

8月

04日

エボラ出血熱について

1.概要

大きさ:80-800nmのRNAウイルス
発見:1976年7月 スーダンのヌザラという街で男性が高熱と頭痛、腹痛などで発症、その後消化器、鼻などから激しく出血し死亡。それが周囲にも感染が拡大。男性の出身地であるザイールのエボラ川の名からとってエボラウイルスと名付けられ、これまでアフリカを中心にして10回以上の流行がある。

致死率:50-90%
自然宿主:オオコウモリ科のオオコウモリと考えられている。
感染経路:野生動物からヒトに感染をおこし、その後ヒトからヒトへの感染。
     これまでの流行時にチンパンジーやサルなども罹患している。
     接触感染が中心で、血液、分泌物、唾液などが感染源となり空気感染はなし。
予防はアルコール消毒やせっけんによる消毒で行える。

エボラウイルスの種類:
ブンディブギョ エボラウイルス
ザイール    エボラウイルス
レストン    エボラウイルス
スーダン    エボラウイルス
タイフォレスト エボラウイルス

この中でレストンウイルスはフィリピン、中国などでみられるが、致死率が低く、人に病気をおこしにくい。またフィリピンや中国のブタなどでも集団発生しているが、無症候性のこともある。
今回2014年のアウトブレイクはザイール株

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2014年

7月

25日

AMLで変異が認められる遺伝子

■AMLで変異が認められる遺伝子
(1)Class I遺伝子  細胞の生存、増殖を促進する:FLT3,KIT,N-RAS,
(2)Class II遺伝子 造血細胞の分化、自己複製に関与する:NPM1,CEBPA、RUNX1
変異
 NPM1は核と細胞質の間の分子シャペロンとして働くタンパク質をコードしている。性塵AML25-30%
   にNPM1が細胞質に異所性に局在し、これに伴いエキソン12内の点変異がみられる。正常核型のAMLのほ
   うがNPM1変異の頻度は高く、FLT3-ITD変異も伴い安い。正常核型でNPM1が認められてもFLT3-ITD変
   異がなければ予後良好。
(3)エピゲノム制御因子の遺伝子異常 TET2,IDH1/2、DNMT3A DNAのメチル化、ヒストン修飾に
         関係する
(4)コヒーチン関連分子 細胞分裂に関わる RAD21、STAG2など
(5)RNAスプライシング SF3B1、SRSF2 U2AF1 
(6)クロマチン修飾 MLL DOT1L、EZH2

■AML発症におけるクローン性進化:AMLの進展には複数の遺伝子変異が必要である。
HSPC ⇒ initiating クローン ⇒ founding クローン ⇒サブクローン1 
                             ⇒サブクローン2 

白血病が発症する前に、それに関わる造血幹細胞には年齢に応じてすでに遺伝子変異が存在している。そこにまずinitiation mutation(DNMT3, NPM1,IDH1,TET2)などがおきて、クローンが拡大する。これだけではすぐに白血病の発症にはならない。そこに細胞増殖に関するdriver mutation(FLT3,RASなど)が加わることでさらにクローンが増大しfoundingクローンとなる。さらにそこに遺伝子変異を獲得してサブクローンが出現する。

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2014年

7月

24日

低悪性度リンパ腫の形質転換と遺伝子異常

1.ろ胞性リンパ腫の形質転換 DLBCLとなったり、またBurkitt様となったりリンパ芽球性リンパ腫のようになったりする。
またCD10陰性になったり、新たにCD5、CD30陽性、MUM-1陽性となったりする。
病理学的にろ胞性リンパ腫が形質転換した際に、リンパ節により形質転換が起きている場所とそうでない場所がある。生検部位の決定する際にPETのSUVが参考になる。
臨床的には、突然のLDHの上昇、急速なリンパ節病変の増大、節外病変の出現、B症状の出現、高カルシウム血症、PSの低下などがあげられる。
形質転換してからの予後だが、診断から18ヶ月以内であれば5年生存率は22%だが、それ以上であると66%と予後はよい。またサルベージ療法への反応性が予後を左右する。

2.t(14;18)が存在するとBcl-2を恒常的に高発現することからB細胞は胚中心でアポトーシスを回避するようになることが胚中心でのろ胞性リンパ腫形成の1歩。
しかしこの転座の単独異常は少なく、多くは平均4-6種類の付加異常がある。
またその付加異常を調べてみると、初期に6q-, +1q,+der(18)が出現するのは予後不良、+7が出現するのは予後良好であることが示唆されている。(Genes Chromosomes Cancer39(3)195-204,2004)

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2014年

6月

13日

多発性骨髄腫とその関連疾患の髄外病変

診断基準 IMWG

#1 孤発性骨形質細胞腫:M蛋白は検出しないかあっても少量。
             1か所の骨破壊、正常骨髄、病変部以外は全身骨所見正常 臓器障害はなし
#2 髄外性形質細胞腫:血清、尿中にM蛋白を検出しない。クローナルな形質細胞による髄外腫瘤、
            正常骨髄、全身骨所見は正常、臓器障害なし。
#3 多発性形質細胞腫:M蛋白は検出しないかあっても少量。
            1か所以上のクローナルな形質細胞の増加による骨破壊、髄外腫瘤、正常骨髄、
            全身骨所見正常 臓器障害はなし

これらに当てはまらないものとして、
多発性骨髄腫の診断基準をみたしながら髄外病変がある症例:分類にははいっていないため、
<多発性骨髄腫の髄外病変>とする。

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2013年

7月

26日

帯状疱疹 Herpes Zoster(HZ)

雑誌名

The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE 2013.07.18 369;255-63

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2013年

6月

20日

B-PLL

2013年

1月

15日

APLのcoaglopathy 出血と血栓症

APLの完全寛解率は90%を超えるが出血による早期死亡率はまだまだ高く、9.4%というレポートもある。しかし出血だけではなく血栓症もAPLでは多いのである!!

1. Microgranular form APL(M3v)は全体の25%くらいになるがWBCが増加することもあり、出血のリスクは高い。

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2012年

10月

02日

MGUS

2012年

8月

03日

好中球の後天的機能異常

1.接着 凝集異常:薬物ではアスピリン、コルヒチン、アルコール、グルココルチロイド、イブプロフェン 新生児、血液透析もそうである。

2.変形能:DM、白血病、新生児、未熟好中球

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2012年

7月

10日

単球の働き

1.Migration,chemotaxis
2.Phagocytosis
3.Killing,granule release

好中球と違うところでは抗原を加工して抗原提示できるところの役割が大きく違う。また単球は好中球と比べて寿命が長く、ゆっくり循環から血管系に流出し、半減期は12~24時間である。(好中球6~7時間)
Dendritic Cell:抗原提示のスペシャル細胞 単球から分化していると考えられている。皮膚(Langerhans)、リンパ節のgerminal center、消化管や呼吸器の粘膜に存在。抗原を取り込み分子レベルに分解し、細胞表面に表出させる。そしてそれを認識してくれるT細胞のところで遊走する。

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2012年

7月

02日

Myeloid kinetics

1.骨髄内での細胞産生

骨髄内のmyeloid系の細胞は1日体重あたり10億個の細胞が骨髄で作られていて、増殖から成熟、骨髄内に貯蔵されるまでに5~14日かかる。
芽球18h →前骨髄球24h→骨髄球104h(ここまでは分裂できる)→後骨髄球40h→杵状球66h→分葉球95h→
血液中9.5h

重症感染症のときにはこれが48.72hに早まる。

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2012年

6月

28日

Myeloid cellの機能

1.循環系から組織への移動(感染や炎症の部位へ)
  3つの接着分子adhesionmoleculeが大切
 (1)L-selectin:WBCの表面にあり、血管内皮とは弱い結合。よって血管内をrolling,marginationする
          ときに関連
 (2)β2integrin   :myeloid cellと血管内皮下のmatrixとの相互作用と関連
 (3)P-selectin   :活性化されたもしくは障害された血管内皮からでている。WBC表面にはこれにくっ
           つくためのP-selectin glycoprotein ligand(PSGL-1)が出ている。この作用がmyeloidcellが
     血管外から出て組織内に入るのにとても大切な役割をしている。
 
Migrationの方向は補体C5bなどのchemotactic factorにより決定づけられている。最近では新しい抗炎症剤としてC5bを抑制するものも開発されている。

2.貧食
 (1) 認識方法:貧食細胞に認識される方法としては、細菌などは表面物資がそのまま認識されるものも
            あり、また一部は補体や抗体によるオプソニン化をうけて認識されるものもある。
 (2) 貧食後は細胞内の空胞内で顆粒とfuseして、それらは酵素や感染物質を殺すoxidantによる働きで
            分解される。
 (3) この働き(WBCの活性化)はコントロールされており、それを担うのはサイトカインCSF、
    ほかのmyeloid cellの顆粒から出される物質である。

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2012年

6月

08日

副鼻腔領域の悪性リンパ腫

この領域での悪性腫傷は扁平上皮癌の次が悪性リンパ腫である。副鼻腔領域の悪性リンパ腫は全体の0.2~2%を占める。組織型としてはびまん性大細胞型(DLBCL)と節外性NK/T細胞リンパ腫 鼻型である。DLBCLの場合はほとんどが副鼻腔からでてくることが多いのに対して、NK/Tのほうは鼻腔からでてくることが多いとされる。しかし多くの症例では鼻腔も副鼻腔もおかされることが多いため、どちらからでているかを判断するのは難しい。

節外性NK/T細胞リンパ腫 鼻型

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2012年

6月

08日

TUMOR LYSIS SYNDROME(TLS)

定義

LaboratoryTLS:UA>8,P>4.5,K>6.0,Ca<7 これらが同時に2項目以上
        (化学療法の前3日以内か、治療後7日まで)
ClinicalTLS:LaboratoryTLSに加えてCre0.3以上の上昇、単回評価では正常値の1.5倍以上、乏尿、ある
      いはけいれん、不整脈、突然死となったもの

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2012年

5月

04日

ニューモシスチス肺炎とβーD グルカン

ニューモシスチス肺炎ではβ-Dグルカンは高い感度、特異度を有する。
β-Dグルカンは日本国内ではファンギテックGテストMK(MK法)とワコー法が主に使用されており。感度はともに92-96%、特異度86-87%である。陽性尤度比は6.64-8、陰性尤度比は0.04-0.09である。ここからいえることは、陰性尤度比が低いことから陰性であればPCPの可能性は低くなること。またPCPの重症度を反映せず、治療効果の判定には用いることができないことを忘れてはならない。臨床症状が改善したあとも正常化しないことが多い。治療を開始しても数日は気管支鏡での肺胞洗浄検査の感度は保たれるといわれる。ただしHIVの患者は肺胞洗浄での菌確認の感度は高いが、HIV陰性患者では感度はさがるとされる。気管支鏡ができないようなら誘発喀痰によるPCR検査が有用。(感度100%、特異度90%)

 


 UP TO DATE 
 感染症診療のDicidion Making  細川直登 編  文光堂 より

2012年

5月

03日

感度、特異度 尤度比のまとめ

        疾患あり      疾患なし   計
  検査陽性     a                          b              a+b
  検査陰性           c                          d              c+d
   計         a+c                      b+d        a+b+c+d


感度(sensitivity) = a/(a+c)  疾患のある患者の中で検査が陽性である確率
特異度(specificity)= d/b+d 疾患のない患者の中で検査が陰性である確率

陽性適中率(positive predictive value) = a/(a+b)  検査が陽性ででた人の中で病気のある確率
陰性適中率(negative predictive value)= d/(c+d)  検査が陰性ででた人の中で病気のない確率
陽性尤度比=sensitivity/(1-specificity)  病気のある人が検査陽性となる確率を病気のない人が
                    検査陽性となる確率でわったもの
陰性尤度比=(1-sensitivity)/specificity  病気のある人が検査陰性となる確率を病気のない人が検査陰性となる確率でわったもの

★感度、特異度は疾患のある人から出発しているので臨床推論とは逆である。
★感度の高い検査は陰性のときに疾患除外に有用であり、また特異度の高い検査は疾患を診断するのに用いる。
★陽性尤度比は、感度、特異度から計算される値で、疾患の頻度や有病率とは関係しない。
 陽性尤度比の高い検査ほど検査前後のオッズを大きく変化させることができるので診断価値が高い検査という
 ことになる。陰性尤度比の低い検査ほど除外診断に有用であることを示す。
★適中率は検査の結果から疾患の有無を診断するので臨床推論と同じだが、その値は、有病率に依存する。
 有病率が低い疾患の集団で検査すると陽性的中率は下がってしまう。