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小児急性リンパ性白血病における寛解導入失敗後の転帰

雑誌名

The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE 2012.4.12;366:1371-81.

背景

急性リンパ性白血病(ALL)の小児・青年における寛解導入療法の失敗は、頻度はまれであるがきわめて有害な事象である。

方法

1985~2000年に14の共同研究グループによって新たにALLと診断され,治療を受けた0~18歳の患児44,017例のうち,1,041例(2.4%)で寛解導入失敗を同定した。寛解導入失敗の定義は,4~6週間の寛解導入療法後,血液,骨髄,または髄外に白血病芽球が残存することとした。
エンドポイントは統計学的にkaplan-Meier法により生存率をもとめた。

結果

寛解導入失敗例には,年齢がより高いこと,白血球数高値,T細胞型,フィラデルフィア染色体,11q23再構成などの高リスクの特徴が高頻度に認められた。追跡期間中央値8.3年(1.5~221年)で,10年生存率(±SE)はわずか32±1%と推定された。
とりわけ10歳以上であること,T細胞白血病,11q23再構成の存在,導入療法終了時の骨髄中芽球が25%以上であることが,不良な転帰と関連した。

結論

寛解導入失敗の小児ALLはきわめて不均一である。寛解導入失敗後の治療として、T細胞白血病の患児では,同種幹細胞移植によって,化学療法よりも良好な転帰を得ることができると考えられる。
一方6歳未満のB前駆細胞性白血病の患児で遺伝子に有害な特徴のない例では、化学療法単独で治療が行われた場合の10年生存率は72±5%であり、移植による10年生存率の57-59%を上まった。
(DeutscheKrebshilfeほかから研究助成を受けた)

一言

高リスクの特徴は従来から言われている報告と変わりはないが、6歳未満のB前駆細胞性白血病の患児で遺伝子に有害な特徴のない例では化学療法単独での治療が同種幹細胞移植より勝ることが注目に値する。