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新たに診断された多発性骨髄腫に対するレナリドミドの継続的投与

雑誌名

The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE 2012;366:1759-69.

背景

レナリドミドは多発性骨髄腫に対して殺腫傷作用と免疫調節作用をもつ。この二重盲検多施設共同無作為化試験では、新たに多発性骨髄腫と診断された65歳以上の患者を対象に以下の3群を比較した。
●MPR-Rメルファラン群
  導入療法
  メルファラン(M)+プレドニゾン(prednisone:P)+レナリドミド(R)
  維持療法
  レナリドミド(R)
●MPR群
  導入療法
  メルファラン(M)+プレドニゾン(P)+レナリドミド(R)
  維持療法
  プラセボ
●MP群
  導入療法
  メルファラン(M)+プレドニゾン(P)
  維持療法
  プラセボ

方法

移植に不適格な患者に以下のレジメンを振り当てた。
◆MPR-R群
  4週間を1サイクルとしてMPRを9サイクル投与後、レナリドミドによる維持療法を再発または病勢
  進行まで行う[152例]
◆MPR群
  MPRを投与し維持療法を行わない[153例]
◆MP群
  MPを投与し維持療法を行わない[154例]

に無作為に割り付けた。主要エンドポイントは無増悪生存期間とした。

結果

追跡期間中央値は30ヵ月であり、無増悪生存期間中央値はMPR-R群(31ヵ月)がMPR群(14ヵ月,ハザード比0.49,P<0.001)、MP群(13ヵ月,ハザード比0.40,P<0.001)よりも有意に長かった。
奏効率はMPR-R群とMPR群が優れていた。
(77%,68%に対しMP群50%;MP群との比較でそれぞれP<0.001,P=0.002)。
年齢別検討ではMPR-Rに関連する無増悪生存期間への利益は65~75歳の患者で認められたが、75歳を超える患者では認められなかった(治療と年齢の交互作用についてP=0.001)。
導入療法後、ランドマーク解析においてMPR-Rにより年齢とは独立して病勢進行率が66%低下したことが示された(MPRとの比較によるハザード比0.34,P<0.001)。
導入療法中に最も高頻度に認められた有害事象は血液学的事象であり、グレード4の好中球減少症がMPR-R群の35%、MPR群の32%、MP群の8%で報告された。
二次発癌(主にAML、MDS)の3年後の発生率はMPR-R群の7%、MPR群7%、MP群の3%であった。

結論

新たに多発性骨髄腫と診断され移植に不適格な患者ではMPR-Rによって無増悪生存期間が有意に延長し、65~75歳の患者では最も大きな利益が認められた。

一言

二次発癌の3年後の発生率はレナリドミドを含むレジメンで高く、alkylating agentのMelphalanのleukemogenetic potentialが関与することが観察されているが、レナリドミドはこのriskを増す可能性が示唆されるためより長い観察期間とより多数の患者解析が必要である。