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真性多血症における治療強度と心血管イベント

雑誌名

The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE 2013;368:22-23

背景

真性多血症の患者に対するガイドラインではヘマトクリット値を45%未満に維持することが求められているが、無作為化臨床試験では検討されていない。

方法

瀉血、ハイドロキシウレアのいずれか、または両方による治療を受けているJAK2 変異陽性真性多血症のイタリア成人患者365例を、強度の高い治療(目標ヘマトクリット値 45%未満)(低ヘマトクリット群)と、強度の低い治療(目標ヘマトクリット値4550%)(高ヘマトクリット群)のいずれかに無作為に割り付けた。Primary endpointは心血管系が原因の死亡または主要血栓イベントまでの期間とした。Secondary end pointprimary end+表在性血栓症、癌発生、骨髄線維症への移行、骨髄異形成または白血病化、出血とした。intention-to-treat 解析を行った。

結果

平均28.9±10.9か月の追跡調査後、primary end pointは低ヘマトクリット群の182例中5例(2.7%)と、高ヘマトクリット群の183例中18例(9.8%)で記録された(高ヘマトクリット群のハザード比 3.91、95%信頼区間[CI]1.4510.53、P0.007)。primary end point+表在性静脈血栓症は低ヘマトクリット群の4.4%で発生したのに対し、高ヘマトクリット群では10.9%で発生した(ハザード比 2.6995% CI 1.196.12、P0.02)。骨髄線維症への移行、骨髄異形成または白血病化、および出血は低ヘマトクリット群でそれぞれ6 例、2 例、2 例で発生したのに対し、高ヘマトクリット群ではそれぞれ2 例、1 例、5 例で発生した。有害事象の発生率に群間で有意差は認められなかった。

結論

真性多血症の患者で目標ヘマトクリット値を45%未満にした患者では、4550%にした患者と比較して心血管系が原因の死亡および主要血栓イベントの発生率が有意に低かった。(イタリア医薬品庁ほかから研究助成を受けた。)

コメント

真性多血症<45%を維持することでの血栓症の比率は明らかに減らせることが分かったが、観察期間がまだ2.5~3.5年と短く、発がん、白血病化、骨髄異形成症候群が同等であると評価するには10年規模での観察が必要であると考える。