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約束(4) ~私たちの中の構造~

 新年度を迎え、もう6月。梅雨に入っていく頃になっています。久しぶりの更新になりますが、「構造」についてのお話を続けていこうと思います。 
 前回は、「構造」が治療上や人間関係の中で様々に存在していることをみてきました。今回は、これらをもう少し具体的に考えていくことで、その意味と意義について理解していきたいと思います。

 目的は、あくまで「我々の中の人間関係とその暖かみを実感していくため」としたいと考えます。

 「家族」「恋人」「友達」という「構造」が存在しており、その中に存在する独特(それぞれ)のルール(約束)の中で我々の関係性が成り立っているのと同時に、治療的関係においてもその「構造」と「約束」が存在しています。

 それは、「医師」-「患者」関係においても同様です。2人は、診察室の中で出会い、「疾患」という物事に対して「その原因を探り、治療をしていきましょう」という約束のもと、協力関係を結びます。(前回と重複しますが、これを、臨床心理学としては「治療同盟」と読んでいます。)
  「医師」は自身の持てる知識と技術を用いてその疾患に向かい合いますし、「患者」さんは自己の状態に対して包み隠さず説明し、必要に応じて検査などにも応じてくださいます。それぞれの中に疑問点や不安があった場合には、そのやり取りをします。

 これらは当たり前のようですが、「疾患」の「治療」において(もちろん、心理的なアプローチにおいても)、最も重要な事柄の一つであるといえます。この「約束事」が双方に順守されているとき、その治療のプロセスは経過の良し悪しとは異なる水準で、非常に特別なものとなるように思われます。

 それは、上記のような「やり取り」には、人間関係におけるあるキーワードが隠されているからです。

 「素直さ」と「信頼」です。

 どんな要因であったとしても「患者さん」が伝える内容に「医師」は嘘を想定しません。伝えられた内容は「あるもの」として様々な可能性をおっていきます。「患者さん」も、そんな「医師」の判断には嘘は想定しませんし、主体的に自身の状態に関わっていくことになります。

 そこにあるのは、「目の前の対象に対する強い信頼と素直さ」です。この「純粋なやり取り」が、関係性を深め、相互の信頼を更に強めていくように思います。

 血液内科に関わらず、病院の中ではこのような医師と患者さんの関係ややり取りが随所にみられます。そんな関係を見るたびに、私は、私自身がお会いしている患者さんとの関係を振り返り、自身のあり方を見つめ直します。患者さんは、安心できる・安定した「構造」の中で、「自由に」過ごせているのだろうかと思いを馳せます。

 「構造」という硬い言葉の中に存在する核心は「思いやり」という柔らかさと柔軟性をもったものなのかもしれません。                                        

                                       ・・・つづく  次回は、まとめです。