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エボラ出血熱について

1.概要

大きさ:80-800nmのRNAウイルス
発見:1976年7月 スーダンのヌザラという街で男性が高熱と頭痛、腹痛などで発症、その後消化器、鼻などから激しく出血し死亡。それが周囲にも感染が拡大。男性の出身地であるザイールのエボラ川の名からとってエボラウイルスと名付けられ、これまでアフリカを中心にして10回以上の流行がある。

致死率:50-90%
自然宿主:オオコウモリ科のオオコウモリと考えられている。
感染経路:野生動物からヒトに感染をおこし、その後ヒトからヒトへの感染。
     これまでの流行時にチンパンジーやサルなども罹患している。
    接触感染が中心で、血液、分泌物、唾液などが感染源となり空気感染はなし。
予防はアルコール消毒やせっけんによる消毒で行える。

エボラウイルスの種類:
ブンディブギョ エボラウイルス
ザイール    エボラウイルス
レストン    エボラウイルス
スーダン    エボラウイルス
タイフォレスト エボラウイルス

この中でレストンウイルスはフィリピン、中国などでみられるが、致死率が低く、人に病気をおこしにくい。またフィリピンや中国のブタなどでも集団発生しているが、無症候性のこともある。
今回2014年のアウトブレイクはザイール株

2.流行

これまで主にアフリカ中部と西部でみられていた。1976年以降で100名以上の患者数が出た流行をまとめてみた。

1976年  コンゴ  ザイール株   患者318人、死者 280人 致死率 88%
1976年  スーダン  スーダン株  患者284人、死者 151人 致死率 53%
1995年  コンゴ  ザイール株  患者315人、死者 254人 致死率 81%
2000年  ウガンダ  スーダン株  患者425人、死者 224人 致死率 53%
2003年  コンゴ  ザイール株  患者143人、死者 128人 致死率 90%
2007年  コンゴ  ザイール株  患者264人、死者 187人 致死率 71%
2007年  ウガンダ ブンデイブギョ株 患者149人、死者 37人 致死率 25%
2014年  ギニア  ザイール株  患者1201人、死者 722人 致死率 56%

今回の流行は他のこれまでの流行と比べても規模が大きいこと、西アフリカでこれほど大きい流行は初めてであり首都(これまでは田舎の村などが多かったが)で流行していること、そして致死率が高いザイール株でおきていることが特徴である。
葬儀で死者に触れる習慣が西アフリカであることと関係しているともされる。

3.今回の流行について

2014年2月にギニアでアウトブレイクがみられ、一度5月には新規患者数が減ったと思われたが、その5月23日ころより再びギニア、リベリア、シエラレオナで新規患者が発生。


2014.7.31現在 1201名患者で722名死亡 致死率56%

7/29 リベリアは国境封鎖 7/30 学校閉鎖、一部を除く公的業務出勤停止
7/29 シエラレオネでエボラ出血熱の治療リーダーであったカーン医師が死亡
7/31 シエラレオネ 国家非常事態宣言
7/31 米国CDCはWHOに先立って ギニア、リベリア、シエラレオネに対しての渡航自粛勧告。CDCフリーテン所長は談話で、うまくいっても終息するまでには3-6か月かかるであろうと。
8/2 国際赤十字が100万スイスフラン(1億円余り)を現地の医療活動に充てると発表。
8/3 CNNニュースから NIH(米国衛生研究所)が実験的なワクチン投与を9月にも実施すると発表。
8/6にWHOが国際会議を行って今回の事態を緊急事態と認定するかどうか判断される予定。

4.診断

扱う分泌物がバイオハザードリスクが高いため、専門のバイオセーフテイ―レベルが高いところで扱うべき。診断方法はELISA法、抗原検出法、血清中和テスト、RT-PCR法、電子顕微鏡にてウイルスを検査、細胞培養からウイルス分離

5.症状

潜伏期間は7日前後。
発病は発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、食欲不振、嘔吐、下痢、その後進行してくると航空、歯肉、結膜、鼻腔、皮膚、消化管から出血。検査データではWBC低下、血小板低下、肝障害など。

6.アウトブレイクが疑われたら・・・

まずは建物隔離
動物に対して:死体の埋火葬をしっかり行う。
       感染動物の殺処分
       農場の動物の移動制限
ヒト:感染したオオコウモリやサルとの接触、生肉を食べることを避ける。
   患者との濃厚接触を避ける。
   自宅での介護者 手袋や個人防護 死体の埋葬の指導
医療者:感染かどうか分からなくても、すべての患者に対して標準防護具をつける。
    手指衛生、呼吸器衛生、個人防護具、安全な注射手技、安全な埋葬法
    1m以内では未滅菌の長そでガウン、手袋
    検査する人もトレーニングを受けた人が検体を扱うべき。
治療:特別にはなし。脱水にならないように補液。
ワクチン:現時点ではなし。
予防:流行地には行かない。

参考文献: 厚生労働省 検疫所 ホームページ
      CDC ホームページ
      ウイキペデイア
      CNN ホームページ