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金沢大学 中尾教授を交えて再生不良性貧血の座談会

金沢大学の中尾眞二教授は再生不良性貧血の第一人者です。その先生と一般臨床家とで普段の臨床の問題点につき議論をするという小さな座談会が開かれ、参加してきました。中尾先生は臨床家に対しても非常に謙虚に質問に答えてくださいます。臨床もよく知っていらっしゃるな、というのをいつも話を聞いて思います。その先生に近くで質問できる機会がいただけ、非常に勉強になりました。

再生不良性貧血は、重症型や輸血依存の中等症では免疫抑制剤としてATG(抗胸腺グロブリン+シクロスポリン)を積極的に行います。何歳まで治療して良いという決まりはないのですが、70歳前後でも免疫抑制剤を使用します。今回新しく得られた知識としては治療中にEBVの再活性化が多いこと、リンパ球が回復する30-40日目に多く、しかしウイルス量が上がっても症状が出ないものもあればリンパ増殖性疾患のように重症化するケースもあり、特に年齢が高いときにはEBV-DNAをフォローしたほうが良いということ。また血中濃度はトラフ(投与前)の濃度というよりは2時間後の濃度を測定することのほうが重要のようで、その知見は小児のネフローゼでの治療からきているそうです。他の多くの先生も血中濃度をみていたりみていなかったり。またあまり減量はしないそうで、クレアチニン(腎機能)が悪化したら減量するそうです。シクロスポリンはウサギATGの反応がゆっくりであることもあり、減量は半年くらいでしていっても良いが1年は投与したほうがよいこと(私はもっと長く投与していることが多い)。微小PNHを測定することを薦められていました。また、血小板が優位に減っている再生不良性貧血に対して、レボレードというITPに使う薬剤を使用すると効果があることが知られていますが、そのメカニズムとしてはまだ眠っている幹細胞をたたき起こすのではないか、ただしその中の一部に新しい染色体異常を出してしまうことにも注意が必要だそうです。