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多発性骨髄腫の新薬ポマリスト講演会in TOKYO

多発性骨髄腫にとってサリドマイド、レナリドマイドは現在keyになる新規薬剤である。これらの薬剤は免疫調節作用も併せ持ち、IMiDs(immunomodulatory drugs)と呼ばれる。これらの作用メカニズムは長年不明だったが、2010年に日本の半田宏先生がセレブロンという蛋白がサリマイドの催奇形性と関係があることを発表してから、解明が進んできている。

IMiDsの作用機序はセレブロンに結合して発揮される。セレブロン-DDB1複合体は、細胞内でのタンパク質の廃棄方法(古くなった蛋白の処理場)の一種である「ユビキチン-プロテアソーム系」で働くタンパク質で、薬剤はここの結合する。IMiDsのくっつくセレブロンは、自身の分子表面の形とぴったり符合できるものを「基質タンパク質(細胞に不必要な、廃棄するタンパク質)」として捕らえて処理工場へ送り込む。この基質タンパク質には「転写因子」も含まれている。多発性骨髄腫で大切な転写因子 IKZF1(Ikaros )and IKZF3( Aiolos)も含まれている。つまりセレブロンはタンパク質分解系を通して、細胞の遺伝子の発現を調節する極めて重要な機能をもっているということになる。ここに結合するIMiDsが多発性骨髄腫の治療になるのもうなづける。
 

さて今回発売されたポマリストもこの作用をもっていて、レナリドマイドより投与後のIKZF1(Ikaros )and IKZF3( Aiolos)の減少が早いという。またデキサメサゾンとともに治療するとB細胞の機能は落とす一方で、T細胞やNK細胞の活性はあがり、T細胞からIFN-γやTNF-α、IL-2などが多く産生されるようになるという。効果がある人ほどCD8細胞においてサイトカインレベルの上昇がみられるというからおもしろい。このポマリストは腎臓が悪くても使用できること、ボルテゾビブ(ベルケイド)、レナリドマイド(レブラミド)という現在keyになっている薬剤に抵抗性でも、また直前に使用していてもほぼ30%の人に効果がみられるという。講演にきていたLeleu先生はDEXとの併用で効果がなければボルテゾミブやシクロフォスファミドと併用するなど3剤にしたらもっと効果が上がるであろう、と述べていた。