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IgM-M蛋白がみつかったら、どのように診察・検査を進めるか

1.MGUS(monoclonal gammopathy of undetermined significance)は骨髄中の形質細胞が5%以下でM蛋白量が
 3g/dl、臓器障害のないものをいう。しかし50歳以上の5%がMGUSを持つともいわれている。

2.蛋白電気泳動検査は、貧血があることから一般内科の先生、また尿蛋白があることから腎臓内科の先生、末梢神経
 障害があり神経内科の先生というように血液内科以外の先生が形質細胞疾患を疑って出すことも多い。

3.IgMのM蛋白がでたら・・・。鑑別としてはB細胞増殖性疾患(悪性リンパ腫、マクログロブリン血症)、アミロ
 イドーシス、多発性骨髄腫を鑑別にあげる。

4.MGUSは3つに分類する。
 (1)Non-IgM MGUS(2)light chain MGUS(3)IgM MGUS。
 それぞれの自然経過は(1)(2)は多発性骨髄腫かアミロイドーシス、(3)はIgMの多発性骨髄腫よりも
 マクログロブリン血症、アミロイドーシスのほうが頻度が多い。

5.MGUSの伸展  
 年1%が多発性骨髄腫へ移行するといわれる。IgM MGUSの人はそれ以外のタイプに比べて2倍であり、移行も
 多発性骨髄腫への移行よりもマクログロブリン血症、アミロイドーシスのほうが頻度が多い。そのためより細かい
 フォローアップがよい。IgM MGUSは、リンパ増殖性疾患の要素を多くもつと考えたほうがよい。

6.IgM MGUS ではnon IgM MGUSと比べて違う症状がありフォローのしかた、検査もやや異なる。
 (1)神経障害  末梢神経障害といわれる中の10%程度にM蛋白があるといわれる。マクログロブリン血症、
    骨髄腫、ALアミロイドーシス、POEMS症候群に合併してくる。両側性、末梢優位、感覚障害、脱髄
    パターンで進行性。生検すると軸索が消失している。
    IgM anti-myelin associated glycoprotein MAG抗体がこれらの末梢神経障害と関係するが診断にはこの
    抗体を用いない。またIgMの重症度と神経障害には関係なし。少数の人がリツキサンに効果があるが、
    それ以外の免疫抑制などには効果がない。また骨髄腫の治療に関しても神経障害の治療となるかは疑問が
    持たれている。
 (2)ALアミロイド IgM-MGUSはnon-IgM MGUSよりもアミロイドーシスの頻度は高い。
 (3)IgM蛋白が出ていてリンパ節主張、肝脾腫、骨髄浸潤がみられるとマクログロブリン血症がより疑いやすく
    なる。
 (4)他のB細胞増殖性疾患:慢性リンパ性白血病や非ホジキンリンパ腫を鑑別する。

 (5)IgM 多発性骨髄腫はまれである。マクログロブリン血症との違いは骨病変があるかどうかというところで
    ある。また染色体異常の点で骨髄腫ではt(4;14)を認めるがマクログロブリン血症ではMYD88を伴う。

7.病状などから鑑別
  (1)体重減少、全身倦怠感:ALアミロイドーシス、悪性リンパ腫
  (2)消化管:消化管出血、慢性下痢:消化管アミロイドーシス
  (3)心臓:進行性呼吸障害、失神、胸痛:心臓アミロイドーシス
  (4)神経:視力障害、めまいなど:hyperviscosity:マクログロブリン血症
  (5)骨痛:IgM 骨髄腫
  (6)皮膚:じんましん Schnitzler syndrome 
  (7)巨舌 アミロイドーシス

8.検査
 CBC,CA,Cre,β2MG,LDH,肝機能、電気泳動、免疫固定法、遊離軽鎖、グロブリン定量、尿蛋白
 心臓関連:NT-proBNP
 骨:全身骨検査
 骨髄:穿刺+生検 染色体検査 t(11;14)は骨髄腫、MYD88(マクログロブリン血症)
 エコー:肝臓エコー(アミロイドチェック)、心臓エコー(アミロイドチェック)
 CT:リンパ腫チェック

FATPADの生検
 ラムダ型のときにはよりアミロイドーシスを考えて生検を考える。
 FATで陰性でもアミロイドーシスの疑いが強いのであれば 病変のある部分の生検を行う。

参考文献

Hematologist Ask the Hematologist  Joseph Mikhael, MD, MEd
Published on: September 15, 2014