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RUNX1変異と造血器腫瘍

RUNX1は21番染色体の上にある転写因子でAML1とも呼ばれます。DNAに結合して転写の調節をして、骨髄系やリンパ系の分化に関係しています。

AMLM2の染色体異常として有名なt(8;21)で生じるタンパク質AML-ETO(AML1-MTG8)にRUNX1は関係していて、CBFβと複合体を形成して機能不全をおこし造血の分化障害をおこすることで白血病に至ると考えられています。
この研究は東大を中心に行われており、その研究をすすめている。獨協大学の市川幹先生が横浜で講演をされ、聞いてきました。市川先生は昨年まで茅ケ崎の湘南東部総合病院で血液内科をされていました。
一番面白かった点は、RUNX1はMgKの成熟に必須であり、現在国内で症例を集積されている家族性血小板異常症の中にこの異常が認められているそうです。小児期より持続的に血小板減少症があり、30-40歳で急性骨髄性白血病を高率に起こしてきうるそうです。これらには血小板減少症や汎血球減少症の家族歴があるようで、これまで26家系がみつかっています。それまでの診断はITPやMDSとされてきているようです。
あまり血液疾患の家族歴を考慮して細かく聞いてきたことはありませんでしたが、もう少し深く探ると小児期よりも血小板減少症の中にこのような遺伝性家族性の遺伝子異常からくる造血器障害、造血器腫瘍が紛れていると思われます。どうしても病歴の中で家族歴は軽視されがちですが、これからは重きをおいて問診してみようと思います。