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制御性T細胞の研究

制御性T細胞(Treg)は異常な免疫応答を制御するリンパ球で、免疫が正常に維持できるような役割を担っている。これをコントロールすることでがんの治療や自己免疫の疾患に対する治療の応用が開発されつつある。この細胞の存在を突き止めた大阪大学特別教授の坂口志文先生が、ノーベル賞の前哨戦としてのガードナー賞を受賞された。その特集が医学雑誌にあり、ここに紹介する。
Tregは年齢によらず末梢血のCD4陽性T細胞の10%程度を占めている。これを下げることにより(ゼロにしてしまったら自己免疫が制御できなくなる)免疫反応を上げることが、がんや免疫病の治療に有効だろう言う考えのもと研究がすすめられている。例えば成人T細胞白血病(ATL)の抗体薬であるポテリジオはCCR4を標的としているが、CCR4はATLの細胞だけでなくTregにも発現している。そこで固形癌患者に投与してTregを減らしてその人の免疫反応をあげてがんが縮小するかという研究が開始されているという。ある種の免疫療法だ。またアレルギー反応もTregの減少が関係しているのではないかという説もあり、Tregを十分に増やして免疫を調節し、普通のいい免疫状態に再度確立することで治療できるのではないかということで、血液から採取したTregを試験管内で増やして患者に戻すという試みも行われているそうである。またがんワクチンとTregを減らす治療を組み合わせることで、一つでは十分な効果が期待できなくても相乗効果が期待できるかもしれない。本当の免疫療法が可能となるのか研究はすすんでいる。
 <Medical ASAHI 2015 Octより>