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2015 lymphoma symposium in Tokyo

毎年この時期に開かれるリンパ腫の講演会があり参加した。質の高い講演会である。海外から旬な先生が招聘されてすべて英語で行われるのだが、今年はアメリカよりBrad S.Kahl氏が来日。低腫瘍量の濾胞性リンパ腫にリツキサンの維持療法が必要かという研究RESORT試験の結果が報告された。リツキサン維持療法をいれても細胞障害性の強い化学療法をいれるまでの時間稼ぎが出来たくらいが利点で、悪くなってから治療しても同じであるというのが結論。そもそも低腫瘍量の濾胞性リンパ腫は最初の治療すらしないで経過をみることも多い。また再発しやすいマントル細胞リンパ腫についての話もあった。
これまでマントル細胞リンパ腫に対しては通常のR-CHOP療法で治療が行われていたが、最近論文がでて初期治療が変わりつつある。リツキサン+ベンダムスチン、あるいはVRCAP(R-CHOPからオンコビンを抜いて、これまで骨髄腫に使われてきたベルケイドをいれる治療メニュー)を行いリツキサン維持療法にもっていくのが選択肢として良いであろう、と提言されていた。
また今週有名な医学雑誌NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINEに発表された論文ではこれまた骨髄腫で用いるレナリドマイド+リツキサンにより奏効率(効く率)87%、完全寛解率61%と良い効果が出ていると報告。若いマントル細胞リンパ腫の人には積極的に強い化学療法メニューや自己末梢血幹細胞移植を行っているとのことであった。
フランスからはSalles先生が来日され、高腫瘍量の濾胞性リンパ腫での治療方針について話された。治療メニューとしてはR-CHOPが成績が良く(PFS,OSともに)毒性や2次発がんもほぼ同じ。またこれら腫瘍量が多い人のリツキサン維持療法におけるメリットは、治療が終わって4年経っても意味があるという成績を出されていた。
日本でも今年保険が通り正式に行うことができるようになったリツキサン維持療法。初診時に腫瘍量の多かった濾胞性リンパ腫の人は出来るだけしっかりリツキサンを入れるほうが良いということである。濾胞性リンパ腫は完治が難しく、また出てくることもしばしば。そうしたときにも何らかの治療を行い、その後リツキサンの維持療法がここでも意義があるということであった。濾胞性リンパ腫に対する自家移植についても披露されていたが、欧州では初回再発で化学療法感受性があれば自家移植を薦めているようである。またその後再度再発のときには同種移植を考えるというのがコンセンサスだと述べていた。濾胞性リンパ腫についてoverview出来た1日でした。