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巨大血小板をきたす疾患 May-Hegglin 異常

左の写真で左下は巨大血小板、右は好中球で細胞質にデーレ小体といわれるうすい紫色の部分がみられる。これは実はMay Hegglin(メイヘグリン)異常症といわれる疾患の末梢血液のスライドである。本疾患は先天性血小板減少症の中で巨大血小板症を呈する代表的疾患の一つで、私の学生の頃はメイ・ヘグリン(May-Hegglin)異常、セバスチャン(Sebastian)症候群、フェクトナー(Fechtner)症候群、エプスタイン(Epstein)症候群と別々だったが、同一の遺伝子(MYH9遺伝子)異常に起因することが明らかとなり、これらをまとめてメイヘグリン異常症と呼ぶことになった。MYH9異常症という名も使われるようである。
どんな病気かというと血小板減少症、巨大血小板症がみられ、その他に末梢血塗抹標本像での顆粒球封入体(デーレ様小体:Döhle-like bodies)の存在や、腎炎、難聴、白内障といったアルポート(Alport)症状がみられる。
巨大血小板の正式な定義はないが末梢血塗抹標本上、赤血球大(直径8μm)以上の場合に巨大血小板と判定する。免疫性血小板減少性紫斑症(ITP)でも大型血小板はみられるが、大多数の血小板は正常大である。一方、先天性巨大血小板症では大多数の血小板は大型あるいは巨大であり、正常大血小板は稀である。
この病気は非常に稀な疾患であり、発症頻度は10万人に1人程度。但し原因遺伝子が同定されたのが比較的最近であり、まだまだ見逃されている症例は多いと考えられる。小児のときにITPと言われて治らないまま成人になり、発見されたりしている。つまり、難治性の慢性ITPと診断されていた症例の一部に本疾患が含まれている可能性がある。國島伸治医師らの検討では200例を超える先天性巨大血小板症の解析で、本疾患が原因の約30%を占め、最も高頻度であったという。
末梢血のスライドをみる大切さ、また小児の頃からITP(血小板減少症)といわれていてステロイド治療が効きにくい中にこの疾患が隠れているということを、臨床血液内科医は覚えておく必要がある。