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放射線被ばくのある職業の人と白血病の関係

かつて放射線技師をしていた人から、家族が白血病になり遺伝もあるうえに自分の職業柄危ないんでしょうかと質問された。適当に答えるのもいけないと思い、ある先生に聞いてみたところ、ある論文を紹介された。

職業的に放射線被ばくのリスクのある人は、
1回の線量が低線量でも将来白血病やリンパ腫のリスクはどうなのだろうか。放射線技師やカテーテル検査をしている医師達がどのくらいのリスクなのか、長期的なデータは少ない。今回フランス、イギリス、アメリカで放射線量をモニターされながら雇用されていた人約30万人(すご~い膨大!)の評価を行った。<次へ続く>

これらの人が1年間に浴びている線量は平均1.1mGyと低いものである(CTでは5-10mSvであるとされる)。ところで「グレイ」はものが単位質量あたりにうけるエネルギー量、「シーベルト」は人間に与える健康評価をするための値で、組織のグレイに放射線加重係数、組織加重係数を掛け合わせたものである。赤骨髄が受けたと想定される線量と白血病、リンパ腫の死亡率との関連を分析した。
結果は以下の通り。
慢性リンパ性白血病を除く白血病のリスクは1Gyあたり慢性骨髄性白血病で
10.45、急性骨髄性白血病で1.29、急性リンパ性白血病で5.80、多発性骨髄腫で0.84、非ホジキンリンパ腫0.47、ホジキンリンパ腫2.94で、慢性骨髄性白血病がダントツで高かった(急性骨髄性白血病が高いと思っていたのだが・・・。また非ホジキンリンパ腫とホジキンリンパ腫の差が大きいのも注目に値する)。 少ない線量であっても長期的にみると(平均観察期間が27年であるという)累積の線量と白血病、特に慢性骨髄性白血病とは関連があるといえるというデータである。我々血液内科医は放射線関連の職業の方達に長期的に健診を受ける意味を伝えていく必要があると思う。

Lancet Hematology  Vol2,No7,e276-281, July2015