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1月18日の週間医学界新聞から 

暖冬のお正月はどこへいってしまったのやら、日本の各地大雪。センター試験の時じゃなくてよかったね~。誰も雪で犠牲になってほしくないな、とおもいながらニュースを見ています。アメリカでもこの週末は大雪で、政府機関の業務が停まってしまうほど。大混乱です。

さて「週間医学界新聞」はおもしろい特集、エッセーがあり、よく目を通しています。インターネットでも医学書院のホームページから読むことが出来ます。
さて、ここによく寄稿されている神戸大学大学院感染症部門の教授岩田健太郎氏。1月18日号のエッセーは、「よく言ってくれた!!」と拍手を送りたい、いい記事であったのでここに紹介します。
話は<イギリスの感染症専門医養成カリキュラムコースについて>です。岩田氏は米国で感染症のトレーニングを受けられていますが、友人のイギリス人医師に聞いてみるとイギリスの感染症専門医カリキュラムはすごい!物知りの岩田氏も初めて知ったとのこと。
その教育カリキュラムというのは単なる感染症の専門的な知識としての教育のみならず、一般的な医師教育として診療態度、コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップ、多職種連携チームという項目がカリキュラムに並び、さらにさらに診療は4つのドメインに大別されています。
(1)知識、技術、パフォーマンス
(2)医療の安全と質
(3)コミュニケーション・パートナーシップ・チームワーク  
そして
(4)信頼を得続けること。
大きな項目の中で技術はたった1つを占めるだけで、それ以外に医師として大切な何かをどう学ばせるか、どのように医師というプロフェッショナルを育てていくかがハッキリ分かると。さらに学習項目として慢性疾患の対応、終末期医療への配慮、生涯学習、患者の安全、タイムマネジメント、エビデンスやガイドラインの使いかたから、ヘルスプロモーションや公衆衛生などのアイテムが上げられています。つまり、彼らがどのような医師を育てたいかがカリキュラムからみてとれ、明白であると岩田氏は指摘しています。(4)の信頼を得続けることというのが良いですね。

それに比べて、日本の新しく作られる専門医制度に関してはそのような育てたい医師像が全くみえず、ただ習うべき項目の羅列がカリキュラムにあるのみであると。医師としての人間教育、チーム医療やリーダーとしての教育が考えられていない。よくぞ言ってくれた!という感じ。
さらにもう一つのよくぞ言ってくれた!は、数年のトレーニングでは臨床は出来るようにならない。「診療ごっこ」と「診療」は違うのだということ。診療というのは患者さんのその場をみるだけではなく、その人の生活周辺、長期的な経過も含めて調整を行うことであり、その人の人生にも責任を持つことである。かつ自分だけではなくチームで良いサービスを提供出来るように調整すること。それも含めたことが、大きな意味での臨床医の仕事である。エビデンス、データだけ、臨床の情報だけで患者は治せないと思います。