湘南鎌倉総合病院
  • 湘南鎌倉総合病院ホーム
  • 湘南鎌倉総合病院アクセス
  • 湘南鎌倉総合病院お問い合わせ
  • 湘南鎌倉総合病院プライバシーポリシー

 

CMLと妊娠

年に1回湘南地域の一般病院の先生方と、あるテーマで小さな勉強会を開いている(神奈川県南血液セミナー)。普段の診療の何気ない疑問をテーマにしてdiscussionを行う会であり、今回は慢性骨髄性白血病(CML)の薬剤(チロシンキナーゼ阻害薬TKI)を中止した症例に対する討論を行った。
今やCMLは内服にて病勢が安定し、10年以上安定した生存を望める疾患となった。現在の話題はどんな人が薬剤を中止出来るのか?という問題に移っている。治療薬を中止するメリットは、個人の経済的な問題とあわせて国の保険財政の問題にも関わる。今は中止するのであれば臨床試験に入ることとされている。しかし年金になったので薬の継続が大変になったと、経済的な問題で続けられない人も出てきている。妊娠を考えたときには臨床試験にも入りにくく、これまた難しい問題となる。今回は症例とあわせて文献的に調べて発表した。
男性患者さんの場合は何日中止しなさいというはっきりした基準はなく、報告されている症例でも新生児に問題は起きていない。女性患者さんの場合には、ある文献では薬剤中止して3か月はwash out期間で妊娠を回避すると書かれている。TKIを飲んでいて妊娠が分かったときには流産の率は高く、報告により30-50%程度にもなる。また奇形児が産まれている例も報告があるので、妊娠中はTKIは止めるべきである。中止中は1-3か月に1回細かく末梢血でBCR-ABLをモニターして、MMRというレベルになったら妊娠中であればインターフェロン、白血球フェレーシス、時にハイドレアなどを行うことが推奨されている。授乳中にも50-90%移行するので、TKIを内服しながら授乳は行わないとされる。
慢性骨髄性白血病の患者さんも病気になったときには妊娠など考えられなくても、病状が落ち着いてくればそれらを考えるようになる時期がくる。20代ー30代の患者さんも多いので、臨床家もこれから遭遇することのある問題として提示した。