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鉄剤不応性鉄欠乏性貧血 IRIDA

雑誌名

臨床血液 Vol.57(2016)No.2 104-190     京都大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学 川端浩先生

1.鉄代謝のプレーヤー
 (1) 運び屋 トランスフェリン
 (2) 調節 コントローラー:ヘプシジン 肝臓で産生
 (3) リサイクル:マクロファージ
 (4) 鉄輸送体(腸管上皮、マクロファージ):フェロポルチン
 (5) マトリプターゼ2 肝臓に特異的に発現:ヘプシジンの発現を低下させる酵素
 (6) TfR2(transferring receptor2)-HFE(ヘモクロマトーシス蛋白)複合体 肝細胞の表面にある。
   これがFe-トランスフェリンのセンサー

2.ヘプシジンの発現調節
 ヘプシジンはフェロポルチンに結合して分解し、血管内への鉄の供給を低下。
(1)体内の鉄過剰 ヘプシジン↑
(2)鉄欠乏 ヘプシジン↓ 腸管からの吸収アップ
(3)炎症性サイトカインIL-6 ヘプシジン↑ JAK2-STAT3の回路を通じてヘプシジンの発現調節
(4)低酸素、赤血球造血刺激でヘプシジン↓

3.鉄剤不応性鉄欠乏性貧血
 TMPRSS6遺伝子変異のためにヘプシジンが過剰になる遺伝性の鉄欠乏性貧血。
 TMRSS6はマトリプターゼ2をコードする遺伝子で、このマトリプターゼは肝臓に特異的に発現し、
 ヘプシジンの発現を低下させる、つまりヘプシジンを負に制御する分子である。
 マトリプターゼは低酸素で誘導されて増加する。鉄欠乏によっても増加する。
 この遺伝子が変異すると、ヘプシジンの発現が増加、造血にまわる鉄が減少し貧血となる。
 炎症性の貧血に似ている。小球性低色素性貧血だがフェリチンが増加しない。
 サラセミア(βサラセミアなだHb A2が増加する)、遺伝性鉄芽球性貧血、炎症性貧血が鑑別にあがる。
 治療としては経口の鉄剤には反応が乏しいが、経静脈的な鉄剤投与で緩やかに貧血が改善する。

 ■フェリチンが正常で炎症所見のない小球性貧血をみたらIRIDAの可能性を念頭におく。
  (確定診断は遺伝子検査)
 ■診断 MCV低値の小球性貧血 炎症性貧血場外、血清ヘプシジンが高いときに疑われる。
  ヘプシジン MC prot社で1検体6000円。確定診断は遺伝子検査