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グロブリン点滴をしたあとの検査結果偽陽性

免疫グロブリン補充療法は、化学療法や疾患により低グロブリン血症(IgG,IgA,IgMが低下)になったかたが感染をひきおこしやすい場合に月に1回程度のペースで点滴補充をする。またそれ以外にも血小板減少症や神経系の免疫疾患などで使用される。これは血液から濃縮されて製造されるため製剤の中に様々な抗体が様々な程度で含まれる。
今回出された論文はそれらの抗体が、測定に影響を与え治療を過剰にしてしまう可能性がでてくるというものである。

悪性リンパ腫の治療でリツキサンを使用する場合にはB型肝炎の再活性化が問題となり、我々は治療前にB型肝炎の抗体をチェックする。その他の免疫抑制剤を使用する場合も注意が必要とされる。また好中球が著明に低下する急性白血病の治療などでは真菌性肺炎 なかでもアスペルギルス肺炎が問題となる。これらB型肝炎のスクリーニングとして行われる抗体検査(Hbs-Ab,Hbc-Ab)やアスペルギルス肺炎のスクリーニングとして行われるアスペルギルスGM抗原の検査が、グロブリン点滴により偽陽性となることが示された。
80人のグロブリン点滴をしている人の投与前の検体と投与後の検体を調べたところ、(1)まずB型肝炎の抗体では投与前HBs-Ab 80人中9人、HBc-Ab 80人中1人、だったのが投与後ではHBs-Ab 79人中79人、HBs-Ab 37人中9人が陽性となりいずれも肝炎の発症はないという。投与中に陰性になったものもいるようで、製剤により含まれる抗体は異なるようだ。(2)アスペルギルスGM-EIA法では37人5例が投与前に陽性、投与後は15例に陽性になっていた。
以上から免疫グロブリン投与にてHBV抗体とアスペルギルスGM法が偽陽性に出てしまう頻度が高いことを知り、それらが治療に影響を与える疾患では投与する前に測定をしておいたほうがよいということになる。これをよんで思い当たる患者さんがいて納得!!注意が必要だと感じた。