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白血球をあげる食事

オッソ・ブッコ
オッソ・ブッコ

「白血球をあげる食事はありませんか?」「血小板をあげる食事はありませんか?」
   血液内科の患者さんの中には、免疫力を担当する白血球が少なくなったり、血の色の元になっている赤血球が足りなくなる方が多い。
 外来で、よく受ける質問が食事の質問だ。日々の食事の中で滋養を養い、病を少しでもよくしたいという患者さんやご家族の心情が伝わってきて切ないのだが、残念ながら今のところポパイのほうれん草は見つかっていない。
 よく貧血にはレバーがいい、鉄分がいいと言われるが、貧血にもいろいろな種類があり、鉄分は足りているのに赤血球が増えないといったタイプもあるため、一概に言えないこともある。

 しかし古今東西、この私たちの悩みの種となっている血液の製造工場=骨髄そのものを食べる料理はたくさん存在する。
 イタリアではオッソ・ブッコという子牛の骨付き肉を骨髄ごと煮込む伝統的な料理があるし、フランスでは ロス・ア・モアルという、牛の骨髄をそのままオーブンで焼いて食べる料理もある。昔の貴族はカニの身をすくってすくうスプーンよろしく骨髄スプーンを持っていたそうだし、アメリカ料理の母とも言えるマーサスチュワートも骨髄スプーンご愛用と聞く。                        

 日本でいうなら、一番なじみが深いのは「豚骨スープ」だろう。豚の骨の骨髄を煮だしたスープで、白濁しているのは溶けだした脂肪分とコラーゲンが乳化して溶けあっているためだ。脂肪分、タンパク質、ビタミンやカルシウムを豊富に含んだ栄養価の高いスープである。
 沖縄では、沖縄そばの出汁を取った後の豚の骨を、さらに煮込んで「骨汁」として食する。文字通り骨髄の滋養を「骨の髄まで」味わっているのだ。沖縄がかつて長寿の国だった一因ももしかしたら骨髄かも?

 鎌倉在住の料理家辰巳達子さんが紹介しているように、スープは食欲、咀嚼機能、消化機能が衰えた方でも召し上がれる。四季折々の食材に含まれる魚介、野菜、豆、穀類などに含まれるミネラルやたんぱく質やアミノ酸が熱によって溶けだし、単純なカロリー計算では測定できない雑多な滋養が含まれる。鼻腔に届く芳香も食欲をそそる。
家庭で手軽に「骨髄」を味わうなら、手羽先や骨付き肉の鍋などだろうか。
 通院帰りに駅前で豚骨ラーメンをすするもよし、ご家庭で骨付き鶏の水炊き鍋を囲むもよし、骨髄料理を満喫するのもまた一興である。

今年も一年間、健康で無理なく過ごせるよい年になりますように。