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TUMOR LYSIS SYNDROME(TLS)

定義

LaboratoryTLS:UA>8,P>4.5,K>6.0,Ca<7 これらが同時に2項目以上
        (化学療法の前3日以内か、治療後7日まで)
ClinicalTLS:LaboratoryTLSに加えてCre0.3以上の上昇、単回評価では正常値の1.5倍以上、乏尿、ある
      いはけいれん、不整脈、突然死となったもの

病態

(1)核酸→hypoxantine→xantine→UA→allantoin
    組織崩解によりできたリン酸Ca、尿酸、キサンチンが尿細管に沈着をして炎症、尿細管閉塞を 
    きたす。
    リン酸Caと尿酸が両方高いとTLSになりやすい。結晶が析出しやすい。
(2)細胞内からKがでる。→高K血症 :不整脈
(3)細胞内からPがでる。→高P血症→低Ca血症:tetani、神経節障害、不整脈、けいれんなどを誘発
    する。
(4)尿酸が増加:急性腎不全、結晶化
(5)サイトカインが上昇:炎症反応、SIRS,MOFを誘発

Allopurinolがおさえるのはhypoxantine→xantine→UA この過程。
あたらしいrasburicaseはUA→anantoinを促進する酵素(urateoxidase)で投与4時間以内にUAが下がる。
AllopurinolによりUA前のxantineも一部増えるのでxantineによる腎障害をおこす。リン酸Caは腎にだけでなく全身どこでも沈着する。リン酸Caが心臓の刺激伝導系につくと致死的な不整脈がおきる。

リスクファクター

(1) 腫傷量が多いこと:bulky、臓器浸潤があること、骨髄浸潤
(2) 細胞の崩壊性:増殖能の高い細胞、chemoの感受性が高い腫傷、化学療法の強度が強い
(3) 患者の状態:腎障害が治療前にある(DM、HTN、痛風など)。脱水、尿が酸性尿、低血圧、腎毒
         性のある薬物を使用(造影剤、バンコマイシン、アミノグリコシド)、大量のNSAIDs
    

マネージメント

(1)予防:まずは十分な補液 highriskでは2.5~3L/m2の尿が出るように補液。十分な尿が出ない時には
       補液に加えて利尿剤だがラシックスが望ましい。
(2)尿のアルカリ化:推奨されていない。UAは溶解されやすくなるが、逆にリン酸Caは溶解が
                             落ちるから。Pを下げるのは難しい。
(3)anopirinolかrasburicaseか
      Anopurinolはすでに産生されているUAを抑えることは出来ない。それには2日以上かかる。
      またxanthineが上昇してそれによる腎障害をきたしうる。
      RasburicaseはすでにあるUAも含めて下げることができ、発現が非常に早い。
        (4時間で86%を低下させることが出来るというデータもあり)
     ●よって治療前から高い人、highriskの人にはrasburicaseでいくべき。
      ただしリスクが中間の人ではどちらがいいかコンセンサスはえられていない。
(4) 起きてしまっているときの対処
 (Ⅰ) 不整脈予防 高K血症 透析、それまでにGI療法 不整脈が怖いときにはカルシウム1Vにて
               投与  
 (Ⅱ) 低Ca血症 :不整脈、tetaniが問題、ただしCaを入れすぎるとCAとPとで沈着がおきるので
     小量補充
 (Ⅲ) 腎障害:持続のvenovenous hemofltrationがもっとも良い。
 (Ⅳ) 観察:尿量の観察、採血のモニターは8~12時間ごと。低リスクでも1日1回
 (V) リスクが高い人はいきなり化学療法ではなくて最初の開始を減量したり、ステロイドで開始し
     たり、弱く開始する。

        UP TO DATE:The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE 2011.5.12のreviwより