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遺伝子をコントロールしている環境

これは生物学者 ブルースリプトンが書いた本です。生物の本を読もうと思ったわけではなくタイトルに惹かれて求めたのですが、内容は生物学の新しい考え エピジェネテイックスが織り交ぜられたものでした。遺伝子がすべてを規定している、と生物学では考えられてきましたが、ヒトゲノム解析によれば他の生物と比べてそれほど遺伝子数に差がなく、マウスと人間の遺伝子数はほぼ同じ。では進化の優位性はどこにあるのか?という疑問がでてきますが、2004年頃から新しい生物学の分野として遺伝子を超えたコントロールという意味のエピジェネテイックスという分野がでてきました。これは環境、栄養分、ストレスなどの感情といったシグナルは遺伝子そのものを変化させるのではなく、調節タンパクとDNAの結合を変化させることで遺伝子の読み取り、ひいては遺伝子の発現に影響を与えるというもの。今、血液疾患でも話題の分野です。DNAのメチル化は遺伝子を抑制したり活性を下げますが、それが脱メチル化して(抑制がきかなくなって)病気を発生させている疾患もあり、脱メチル化阻害剤という薬剤(日本ではMDSに対して使用するアザシチジン)があります。

 また細胞膜こそ細胞の脳である、生命をコントロールしているという考えもとても面白いものですが、エピジェネテイックスが主体となると自然にそうなってくるのかと思われます。情報や栄養などを選択的に細胞内に通す複雑な仕組みがたくさんあり、レセプターとエフェクターがセットになり初めて刺激と反応のメカニズムが起き核に伝わる。この細胞膜へのシグナル、環境のシグナル、精神的なシグナルがどのように膜のタンパクの出入りに影響を与えるのか、これから少しずつ解明されていく中で精神的な面が病気にどう影響するの分かってくるのでしょう。個人的には思考がホルモンや自律神経に影響を与え、それらがリンパ球やWBCから出るサイトカインに影響を与えるのではないか、それが各細胞膜に影響を与え遺伝子発現に影響を与えるのはないかと考えています。笑いや前向きな考えがNK細胞活性を上げるといわれるが、それもそこの細胞膜へ伝える何か物質が関与しているのでしょうか。