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Effect of combined Fluoroquinolone and Azole Use on QT prolongation in Hematology Patients

雑誌名

Antimicrobial Agents and Chemotherapy Mar2013 Vol57,p1121-1127

目的

血液疾患患者では予防的にフルオロキノロンとアゾール系の抗真菌剤を使用されることが多いが、どちらもQTを延長させる薬剤であり、それらの併用によりどのくらいQTが延長するのか調査する。

study design

retrospective study チャートレビュー

group

1 institute(USA)

対象患者

2008年10月から2010年1月31日まで入院していた18歳以上の全血液疾患患者、骨髄移植患者でフルオロキノロンとアゾールを併用する前90日以内に心電図をとり、かつ併用2日後経過して心電図をとっている患者を対象

除外患者

Af、ペースメーカー、BBBあり、アミオダロン使用、CIasslII抗不整脈薬使用、TdTのハイリスク薬を飲んでいる人(リスクは文章中)

結果

primary outcome併用でQT延長がおきるかどうか、臨床的に顕著なQT延長の頻度
secondary outcome併用で(1)この群でQT延長するリスク因子、(2)併用している間の不整脈などでの循環器コンサルトの頻度(3)併用を中止する状況の把握

対象患者

解析対象患者は94名

患者特徴

平均年齢56歳。ECGフォローは併用6日目が平均42.5%がBMT患者(Auto28.7%、Allo13.8%)

結果1 併用薬剤

table2、3レポフロキサシン使用が93.6%、シプロが6.4%、Voricona56.4%、フルコナ42.6%
量としてはレボフロは500mgが最も多く、Voriconaは200mg、フルコナは400mgが最も多い。
組み合わせとしてはレポ+ボリコナが53.1%、レポ+フルコナが39.4%と主なものであった。またその他のQT延長させる薬剤の内服併用が低リスク内服12.8%、中等度リスク23.4%とみられた。

結果2

(1)全体では併用前後で平均6.1msの延長がみられ、とくにレポ+フルコナ併用群では9.5msと統計学的に有意な差がみられた。臨床的に問題となるQT延長(>30ms)は21例観察された。(定義は文章内)
(2)レポ、フルコナ、ポリコナの量が多くなるとQTが延長する傾向があり(統計的な差はなし)。
(3)低K血症、LVEF<55%では統計的に有意にQT延長する。
(4)低Mg血症、QT延長する可能性のある薬剤を2つ以上併用している場合、女性はQTが延長する傾向がみられたが統計的な有意差はなかった。
(5)4人が併用をやめざるをえなかったが、不整脈などにて循環器コンサルトとなる症例はなかった。

結論

フルオロキノロンとアゾールによりQTは延長する。低K血症とEFの低下は明らかにリスクとなり、もともと血液疾患患者では下痢、食欲低下などから低K血症になるリスクがあり、またアンソラサイクリン系薬剤により心機能低下することもあり、ことさら注意が必要である。その他の併用薬剤も含めてリスクの評価を行いECGをフォローすることも検討が必要。
しかし後方視的研究であり薬剤の血中濃度も評価していないこと、ECGのとるタイミングが同じではないことがスタディとしては問題であるが、アゾールとフルオロキノロンの併用で初めてQT延長を調べた論文である。