湘南鎌倉総合病院
  • 湘南鎌倉総合病院ホーム
  • 湘南鎌倉総合病院アクセス
  • 湘南鎌倉総合病院お問い合わせ
  • 湘南鎌倉総合病院プライバシーポリシー

ブログ

約束(5)~まとめ~

 ここまで、我々の関係性の中に存在する「約束」の「意味」と「治療上のあり方」について考えてきました。その中で、「約束」が「信頼」といった非常に人間的な核心をもったものであることがみえてきたように思います。
 今回は、「約束」のシリーズの中で考えられてきたことを簡単にまとめていきたいと思います。この作業もまた「構造化」の一つと呼べるかもしれません。

 「約束」には、関係性を保ち破壊する側面があることは先に述べた通りです。つまり「約束」に対して真摯である限り関係性は保持されていくといえます。
 一方で、全ての「約束」が常に守ることができることでもないのも現実です。我々の思いは変遷して当然のものでもありますし、現実的事情から「約束」を守ることが難しくなることもあると思います。
 少なくとも「約束」が関係性を「窮屈にすること」は避けなくてはいけないことでもあります。ですので、「約束」は「関係性を維持するため」に、関係の中で「了解できる事情」を通して一定の弾力性を持つ必要があるといえます。

 表現が難しくなってしまいましたが、具体的には、ここまで述べてきた「約束」の持つ力と制約は、当然人間同士の関係をより良くするために存在しているものであり、「破壊されること」を前提としたものではないという理解が大事になります。ですので、「約束を破ってしまうこと」を恐れてその「関係性」の中で尻込みをしてしまっては本末転倒になります。

 そこで大事になるのは「意志」といえるかもしれません。つまり「守れたか」ということよりも「守ろうとしているか」を大事にする考え方です。これを難しい言葉では、プロセス論と呼ぶことがあります。それは結果よりもその過程に焦点を当てていくという考え方です。自身の「意志」に真摯に向き合っていくことで、「約束」はより自由度の高いものになっていくように思います。

 つまり「約束」を「基礎」「型」と言い換えるとすれば、「窮屈さ」の中にその大事な要素が存在しており、それを使いこなすことでより「安定した自由」を見出すことができると言えるかもしれません。

 「約束(構造)」が、関係の意味を決めていくことがあります。同僚・友人・恋人・夫婦など様々です。仕事においてもプライベートにおいても同様に「約束(構造)」が存在しており、どちらかを優先したり、どちらかをおざなりにできるものでもないことと思います。
 このように考えていくと、「約束」は常に見直される柔軟性をもって、人と人との「やり取り」を通して改変され、精錬されていくものであるように思われます。この時、「約束」は関係性の中で活き活きとしたものになり「優先」もされず「ないがしろ」にもされないバランスのとれたものとなるのかもしれません。この時も、中心にあるのは「やり取り」。これも興味深いことです。

 「約束(構造)」・・・それは「やり取り」によって補完されるものといえるかもしれません。