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4月から6月までローテートした渡邊です。

渡邊晋二Dr
渡邊晋二Dr

2014年4月から6月まで血液内科で勉強させていただいた、総合内科後期研修の渡邊です。普段は総合内科の後期研修医として診療を行いつつ、勉強のため数カ月毎に各科を回っています。今回三か月間血液内科で診療を行わせていただきました。
 血液内科では白血病や悪性リンパ腫など悪性疾患が多く、抗癌剤の治療が主となります。抗癌剤は悪性腫瘍のみならず、自身の細胞もダメージを受けてしまいます。血球(白血球、赤血球、血小板)をつくっている骨髄が一時的にダメージを受けて各々の血球の数が減ることが多く、自然回復するまで待たなければなりません。この期間酵素を運ぶ赤血球、出血を止める血小板の数が少なくなる為、適宜輸血を行います。また細菌を退治する白血球が下がり、感染症にかかりやすくなります。そのため白血球の数が正常に戻るまでは清潔な隔離室に入ることしばしばあります。骨髄の回復を早める魔法の薬はなく、患者さん自身の力で回復するのを待つしかありません。血液内科の医師は適切な輸血のタイミング、適切な抗生剤の投与などを綿密に計画しつつも、患者さんの力を信じて骨髄の回復を待つしかありません。
 回診時、何気なく「待ちましょう」という言葉を用いていましたが、血液内科での診療を行って「待つ」ということは非常に大変なことだと思いました。広辞苑では「物事・人・時が来るのを予期し、願い望みながらそれまでの時間を過ごす。また用意して備える」とあります。「待つ」ということは下手すると「何もせずに静観する」という意味に捉えてしまいがちですが、骨髄の回復を待っている間患者さんにとっては辛い副作用や様々な不安があるでしょうし、医師は何も起きないように細心の注意を払い、十分な用意をして備えなければなりません。時が来るのを予期し、願い望みながらそれまでの時間を過ごします。方丈記冒頭の「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という一文が思い出されます。

 心配性の性格のためか新たに抗癌剤を始める度に不安は尽きませんでしたが、毎日の朝夕の回診で患者さんの顔を見ると安心して、むしろ元気をいただきました。
患者さん、血液内科スタッフ、コメディカルの方々から多くのことを学ばせていただきました。
三か月間お世話になりました。
                              総合内科 後期研修  渡邊晋二