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低悪性度リンパ腫の形質転換と遺伝子異常

1.ろ胞性リンパ腫の形質転換 DLBCLとなったり、またBurkitt様となったりリンパ芽球性リンパ腫のようになったりする。
またCD10陰性になったり、新たにCD5、CD30陽性、MUM-1陽性となったりする。
病理学的にろ胞性リンパ腫が形質転換した際に、リンパ節により形質転換が起きている場所とそうでない場所がある。生検部位の決定する際にPETのSUVが参考になる。
臨床的には、突然のLDHの上昇、急速なリンパ節病変の増大、節外病変の出現、B症状の出現、高カルシウム血症、PSの低下などがあげられる。
形質転換してからの予後だが、診断から18ヶ月以内であれば5年生存率は22%だが、それ以上であると66%と予後はよい。またサルベージ療法への反応性が予後を左右する。

2.t(14;18)が存在するとBcl-2を恒常的に高発現することからB細胞は胚中心でアポトーシスを回避するようになることが胚中心でのろ胞性リンパ腫形成の1歩。
しかしこの転座の単独異常は少なく、多くは平均4-6種類の付加異常がある。
またその付加異常を調べてみると、初期に6q-, +1q,+der(18)が出現するのは予後不良、+7が出現するのは予後良好であることが示唆されている。(Genes Chromosomes Cancer39(3)195-204,2004)

3.ポリコーム群 EZH2が胚中心型のろ胞性リンパ腫の遺伝子異常として注目
EZH2は、H3K27のトリメチル化をもたらすことで、多くの遺伝子群の発現を抑制する機能をもつ。正常ではEZH2活性化により分化に関係するIRF4、BLIMP1の発現が抑えられ分化がおきないようにされ、胚中心をでるときにはEZH2の発現が抑制され分化がすすむと考えられる。ろ胞性リンパ腫ではEZH2が遺伝子異常によりEZH2が持続的に活性化されてしまってB細胞が胚中心からでられなくなっているのでないかと推測されている。
MLL2遺伝子もろ胞性リンパ腫の90%にみられ、H3K4(H3K27と逆方向の制御をうける)のトリメチル化を生じることでその遺伝子群の転写活性に関係する。

4.形質転換へのクローン進展経路は、共通の前駆細胞より分岐して進展していることの法が多い。MLL2,CREBBP,EZH2などのクロマチンリモデリングに関係する遺伝子は初期からみられ、形質転換時にはMYCやCDKN2A/B、TP53などの細胞増殖やDNA修復に関わる遺伝子群、NF-kBシグナルに関わる遺伝子群(MYD88など)に異常が認められる。(骨髄腫と似ている・・・)

出典: 血液フロンテイアvol24,No6,2014  P93-98