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ブログ

血液科医の生態

「血液内科医です」と自己紹介しますと、医療業界以外の方には、怪訝な顔をされることが多々あります。「白血病などを見ています」と言い添えてみても、世界の中心で愛を叫んでいる陰で黙々と働いている血液科医の生態系については全く認知されていないようです。

血液科医は、とにかく熱い人種です。
通常、外見としては極めて地味な部類に入ります。粋さよりも清潔や衛正を目的とした身なりが多く、ジャケットというより背広に身を包み、うだつのあがらない学者かルノワールで溜息をついている会社員といった風貌です。
 しかし、内側には熱き血潮がたぎっています。
「常に患者さんのところへ行け」が口癖で、一日六回回診し、しまいに患者さんから断られた指導医、幹細胞移植に燃えるあまり娘に「幹子」と名付けてしまった医師、右腕を骨折してギブスで固めながら「骨折ぐらいで休めない」と平然と診療をつづけた院長、難治性のリンパ腫を治癒してやると、メールアドレスをhypercvad.CR @xx.ne.jp にしていた医師。
 いささか多血症気味ではありますが、ベッドサイド書いて現場と読む臨床の鬼であり、信念と理想に燃え、正しいと思う治療に関しては誰にも譲らぬ頑固さを持っています。

であるからして、皆一様に勉強家です。
診療前、朝五時から最新の論文に読みふけっている医師もいれば、日夜顕微鏡で血液の標本を凝視しているため、目を閉じると常に赤紫の血液細胞の残像が浮かぶという剛の者もいます。臨床の知識のみならず、分子生物学的な知識から統計的処理まで、網羅している知識量がとにかく膨大で、どんなベテラン医師になっても休むことなく学び続けている方が多いように思います。
 よく言えばストイックな求道者、悪く言えば執着気質、家族として一緒には住むのはちと御免こうむりたいですが、患者さんの治療にあたる際には実に信頼できる、優秀で誠実な医師が多いです。
血液型に例えるなら、典型的なA型、それもAAのイメージがあります。


 ちなみに、我が病院のスタッフたちはあまりステレオタイプな血液科医ではありません。 勉強熱心な点は共通しているのですが、田中先生は血液科医には稀な朗らかさと華やかさをお持ちですし、玉井先生は血液科医には稀な垢抜けたたたずまいです。
   血液科の黎明を担ってきた大先輩方の時代を経て、私達中堅世代の医師たちは、アカデミックで熱血な伝統を受け継ぎつつ、よりしなやかな血液科医を目指して邁進していきたいと思っております。


※世界の中心で愛を叫ぶ 2001年に発行された片山恭一の小説。白血病にかかった女の子との恋愛物語。
※hyperCVAD 進展の早い悪性リンパ腫に対する化学療法のプロトコルの一例。