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骨髄線維症に対する薬剤 ジャカビ

今年は骨髄増殖性疾患に注目が集まっています。というのも国内では多血症のほぼ90%以上、骨髄線維症、特発性血小板増多症の50%に認められるJAK-2 mutation。これが骨髄増殖性疾患のメカニズムと関係していることは分かっています。しかし、この遺伝子の異常だけですべてが説明できないことも近年分かってきています。この9月に骨髄線維症の治療薬としてジャカビ(一般名)ルキソリチニブが発売されます。この薬剤はJAK-1、 JAK-2という酵素を阻害することで骨髄線維症でみられる脾腫、また倦怠感や体重減少(骨髄線維症では進行してくるとサイトカインが多く出てそのようになるとされる)を改善するとされます。骨髄線維症は輸血とハイドレアで血球増加をコントロールすることでしか治療が出来ませんでしたが、症状緩和に早く使用してみたいと思っています。

さて、それと同時に先週の「NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE」には骨髄増殖性疾患の一つである真性多血症に関する論文が発表されました。

久々にみえた夏の富士
久々にみえた夏の富士

Two Clinical Phenotypes in Polycythemia Vera

N Engl J Med 2014; 371:808-817

ここでは、polycythemia vera(PV)のほぼ90%以上にJAK-2 mutationがあるのですが、これだけで病気の進展の説明がつかないことから、他の関係する遺伝子を網羅的に調べた論文です。多血症の一部は骨髄線維症になってきます。この論文では102個の遺伝子を調べ、どのようなタイプが症例の進行と関係していそうか、遺伝子的にクラス分けしています。多血症は染色体異常もないために予後予測が難しいのですが、骨髄線維症になりやすいかどうかをそれらで予後予測できるかもしれないこと、そしてそれらの遺伝子が将来治療薬のtargetになる可能性があると述べています。それらの遺伝子の中でも特に骨髄のstromaに関係する遺伝子(骨髄の線維化と関係する)が含まれていて、予後に関係していました。またCMLでもそれらの遺伝子が検証されていて、病気の進行とともにある遺伝子がスイッチオンしたりスイッチオフしている点が観察されました。