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脾臓リンパ腫 Primary splenic lymphoma

1. splenic marginal zone lymphoma

脾臓と脾門部に浸潤、骨髄浸潤、末梢血に出ることも多い。末梢のリンパ節や節外領域に病変がでることはまれである。平均的には60-70代の年齢に多く、女性がやや多い。
脾腫を主訴に来ることが多く、時に巨脾となる。貧血を伴い汎血球減少となることもある。絨毛様のリンパ球が中等度に増加する。
IgMが上昇することもあるが、リンパ形質性リンパ腫(マクログロブリン血症)よりも低値である。よって過粘稠症候群はまれである。
患者はしばしば自己免疫性溶血性貧血やITP、lupus anticoaglant陽性などの自己免疫性の症状を呈する。
HCV肝炎ウイルスとの関連を示唆する報告や西アフリカのマラリア流行地域ではこのリンパ腫が多いという報告もある。このマラリア関連は、マラリアに頻回に感染することで慢性の抗原刺激を受けることがB細胞のクローン性増殖と関係している可能性がある。
治療は脾摘である。これにより血球減少、Mたんぱく血症、B症状は改善し、平均生存期間も9-13年と長い。予後不良因子としては、自己免疫性溶血性貧血、低アルブミン血症、LDH上昇、β2MG上昇、Mたんぱく血症、リンパ球増加、ITP,節外病変などがあげられる。その他の治療オプションとしては、脾臓への放射線照射、化学療法+リツキサン、HCV抗体陽性の人にはリバビリン+インターフェロンという選択枝もある。


<病理>脾臓はしばしば巨大となる。平均1360g
多発性の小結節性病変(0.5cmくらいまでの)を呈する。粗大な病変はなし。顕微鏡的には白脾髄のろ胞が2-3倍となっているのが特徴的である。結節の中央には小さなgerminal centerが残存し、その注意を暗い領域が多い、さらにその外にPaleな領域が認められる。それが名前の由来である。赤脾髄への浸潤はいろいろであるが斑状に類洞内に広がるのが一般的であるがびまん性に広がることもある。
マーカーはCD20,CD79a,Pax5,IgM+ CD5-CD10-CD23-CD25-CD43-CD103-CyclinD1-
BCL-2,BCL6-
7q21-32の欠損があるものはaggressiveなパターンをとる。

2.DLBCL

最も多いタイプの脾臓B細胞性リンパ腫。脾臓全体のリンパ腫の50%。脾臓の原発性リンパ腫 DLBCLは稀である。HCV感染が関係しているという報告もある。50-80代に多い。

病理学的なタイプとしては3つにわかれる。
(1)macronodular pattern
   平均年齢64歳、B症状が腹痛でくることが多く、ステージはI,IIが多くまた予後は良好である。
   このパターンがDLBCLの中では最も多い。結節で脾臓が置き換わってしまうくらいの感じになることもある。
   腫瘤から離れた部分の脾臓は正常である。
(2)micronodular pattern macronodular
   より若い55歳 DLBCLの中で2番目に多い
(3)diffuse 68歳 
   DLBCLの中では最も少ない 

(2)も(3)も予後は(1)より劣る。しばしばB症状を伴い肝臓は骨髄への浸潤がありaggressiveなコースをとる。
リンパ節腫脹はあってもマイルドであり、腹部に限局することが多い。
マーカーはCD20+CD3- CD5-、BCL6+
   50%の症例でCD10+BCL2+
 CyclinD1陰性、1/3でp53 over expresssion
   EBV陽性は多くない。Ki67は70%以上のことが多い

3.T-cell/Histiocyte-Rich Large B- Cell Lymphoma

T-cell/Histiocyte-Rich Large B- Cell LymphomaはDLBCLのサブタイプであり豊富にT細胞や組織球があるが小型のB細胞が減少しているものである。
中年以降の男性に多く、しばしばリンパ節、骨髄、肝臓、脾臓に浸潤しステージⅣでみつかることが多くaggressiveな経過をたどることが多い。多くは化学療法に抵抗性である。
病理学的には一つの大きなB細胞と小型のT細胞、組織球が混じっているという感じである。大きな腫瘍細胞は形態はさまざまでありホジキンリンパ腫のRS細胞にみえるようなものからリンパ球優位型にみえるようなものまである。ホジキンリンパ腫との鑑別になるのが、本疾患では好酸球が増加していないということである。小型の結節性病変が多発性に広がる。
マーカー的にはB細胞性のものは陽性で、かつBCL6は常に陽性、BCL2はいろいろ。またCD15-CD30-CD138- CD21-CD23-CD3+
EBVは陰性

4.Hairy cell leukemia

慢性の成熟した小型のBリンパ球が増加する疾患で骨髄、脾臓、末梢血に病変が認められることが多い。平均年齢は45-50歳、明らかに男性に多い。ほかのB細胞性腫瘍の白血病化と違い、リンパ球減少が生じたり、汎血球減少が生じたりする。特に単球が減少することは特徴的である。循環血液中のvillous なリンパ球が少ないときにはkeyになるかもしれない。
この疾患では脾臓が病変となるのは必発である。
治療としてはCladribineが効果的である。

<病理>脾臓は巨大であり平均の重たさは1200g 割面はbeefy red pulpである。他のB細胞性リンパ腫と違い白脾髄よりも赤脾髄に浸潤が認められる。結節がないのがその他のB細胞性リンパ腫との鑑別になる。顕微鏡でみると類洞ならびに索にはびまん性に細胞浸潤が認められ白脾髄は萎縮している。
マーカー的には、CD20++,CD5-CD10-CD23-
DBA44+CD103+CD25+CD11c+CD123+
40% でcyclinD1陽性だがFISHではt(11;14)が陰性となるケースがある。
annexinA1(正常の骨髄球系貪食細胞に陽性でB細胞には陰性)が感受性、特異性の面でHairy leukemiaに有用である。


5.Hepatosplenic T-cell lymphoma

若い男性に多く平均年齢は25歳、肝臓や骨髄へ浸潤する。
一部の人は移植後など免疫抑制状態の人が罹患したり、炎症性腸疾患(特にクローン病)の人に罹患する。クローン病の患者はしばしばinfliximabにて治療されそれに免疫抑制剤も一緒に使用される。面白いことに一部の患者はマラリア感染とも関係があるとされそれらではマラリア感染でγδTリンパ球が慢性抗原刺激により増加しているという。

症状は腹痛とB症状である発熱や寝汗、体重減少がしばしばみられ、脾臓、肝臓も大きくなるが末梢のリンパ節腫脹は伴わない。血球減少を伴うこともある。血液中に腫瘍細胞が認められることもあり、経過中に白血病化してくる。最初は化学療法に効果があるかもしれないが、次第にaggressiveになってきてリンパ腫としては予後不良である。平均生存期間は1年以下である。

<病理>赤脾髄と肝臓の類洞に腫瘍細胞が浸潤する。骨髄に浸潤した細胞はvascular sinusに浸潤するため見つけにくいことがある。リンパ節に浸潤したときにもsinusに浸潤しやすい傾向がある。
マーカー的には、CD2+3+5±,CD4- CD8±,
TCRγδ+もしくはTCRαβ+ 
時にNKのマーカーであるCD16,CD56が陽性となる。
EBVは陰性のことが多い。
染色体異常としては7q-trisomy8

6.二次性の脾臓へのリンパ節転移

(1)DLBCLが最も多い
(2)CLL/SLL 脾腫の程度はあまり強いものではない
(3)FL