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関東甲越免疫不全症研究会

遺伝子解析の手法に次世代ゲノムシークエンス法が用いられるようになってから、様々な疾患の原因遺伝子となるものが見つかっている。その進歩の速さといったら超加速度的である。それは小児の領域でも同じで、遺伝的疾患の多い小児疾患の病因遺伝子が見つかり、その遺伝子の役割が次々に解明されつつある。それらは成人の病気にも関係していることがある。
今日は原発性免疫不全症といわれる小児の遺伝的疾患の総括的な研究会で、ほとんどが小児の疾患のため小児科の先生が多かったが、内科の先生の参加も増えてきているという。企業の方から勧められて初めて参加してみた。
耳新しい話が多かったが、いつくか面白かったところを挙げてみる。
(1)遺伝性血管性浮腫:家族歴が多く10-20代で発症する抗ヒスタミン薬やステロイドが効かない蕁麻疹ようの皮疹や浮腫。C1 inhibitor欠損でおきる。C1-INH測定で診断。
(2)先天性補体C2欠損症:日本では少ない。易感染症やSLE様のような症状が出るという。
(3)慢性肉芽腫症:半分に炎症性腸疾患のような症状が出るという。それらが時に難治性であり移植を検討せざるをえないこともあるが、その前にサリドマイドを使用(われら骨髄腫の薬剤だ!)を使用するとコントロール出来、移植にスムースにはいることができるという。
(4)原発性免疫不全に対しての遺伝子治療は海外では進行していて、アデノシンデアミナーゼ欠損症、X連鎖重症複合免疫不全症、ウイスコットアルドリッヒ症候群、慢性肉芽腫症に対して行われているという。慢性肉芽腫症が最も難しいようであるが、それ以外は移植に遜色ない成績が出されているという。
(5)CTLA欠損症:CTLA4は制御性T細胞や活性化T細胞に発現している蛋白で、T細胞の活性化をコントロールしている。その遺伝子が変異しているとT細胞の機能がコントロール出来なくなり、低ガンマグロブリン血症、呼吸器感染、肉芽腫、リンパ球の臓器浸潤、下痢、脾腫、リンパ節腫脹、我々の領域でみられるような血小板減少症や自己免疫性の溶血などもみられるという。これらに対してはアバタセプトというリウマチで使われる薬剤を使用すると症状改善されるが、感染症の頻度がリウマチよりも高く、実臨床となるとまだ問題がありそうだ。

少し原発性免疫不全を勉強してみるとおもしろそうです。小児だけではなく成人まで生きているケースも多くなっており、低グロブリン血症の中にこれらの疾患が紛れ込んでいる可能性があります。