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Myeloma Meet the expert 2015 in Yokohama

骨髄腫の治療薬の進歩は著しい。この日千葉大学から基礎の方面で骨髄腫の新薬の開発に従事されている三村先生と、骨髄腫で多くの治験をリードされている中世古先生が横浜に招聘されて講演をなさるというので聞きにいった。
骨髄腫細胞は蛋白合成が盛んな細胞であることから、もともと小胞体ストレスを受けやすい細胞である。そもそもリボゾームで合成された蛋白は小胞体の中で修飾を受けfolding(折り畳み)が行われ、上手くいけば成熟した蛋白として外に分泌されるが、うまく折りたためないunfoldingの蛋白は小胞体内に溜まってしまう。そうするといらない蛋白なのでユビキチン化(不要な蛋白を除去するためのシステム)を受け、プロテアソーム(蛋白質分解酵素)に運ばれて分解されていく。ただし、この処理能力を上回る不良タンパクの蓄積があると細胞のアポトーシス(細胞死)が誘導される。そこでこの経路のプロテアソームをストップさせて小胞体に負荷をかけ悪い蛋白が溜まるようにし、がん細胞が死に誘導されるように薬剤開発が進められている。
この経路に関係しているのが骨髄腫の薬剤のベルケイド。詳細な研究内容は難しくて理解があまり出来ませんでしたが、骨髄腫が非常に蛋白合成するからこそそれを利用し、薬剤が開発されてきているのである。
また中世古先生の臨床からくるお話しは非常に参考になった。千葉大学が神経内科とのコラボで力をいれている骨髄腫、MGUSにおける神経障害が多いこと、抗MAG抗体が関係していてその治療にリツキサンが効果があること、新しい診断基準における画像診断の話。自家移植が新規薬剤が出ても意義があること、2回移植をやるtandem移植は寛解にもっていけいない、国際ステージⅢ、 del17(p)
t(4;14)をもつというのが2つ以上あれば考えてもよいかもしれない、というスタデイを紹介されていた。
また先日の講演でもあったが、骨髄腫治療が積極的に出来る状態の人にはMRD陰性を目指す、つまり出来るだけ細胞を減らす治療を狙ったほうが高い確率で再発のない状態を作ることが出来るというお話があった。日々の診療に参考になる話が盛り沢山であった。