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インフルエンザ後の肺炎、インフルエンザ脳症と免疫不全患者

またもう一つインフルエンザの話題。免疫不全患者、高齢者がインフルエンザに罹患すると合併症としての肺炎が問題となる。インフルエンザ後の肺炎には(1)原発性インフルエンザウイルス肺炎、(2)ウイルス肺炎と細菌の混合感染(3)インフルエンザ後の続発性細菌性肺炎の3分類がある。2009年のAH1pdm09のパンデミックの時には原発性インフルエンザ肺炎が流行した。この肺炎は重症化のスピードが速く呼吸不全を呈することが多いため重症例には点滴でのペラミビル(ラピアクタ)を使用する。高齢者では(2),(3)の細菌性肺炎が関係するものが多い。起炎菌としては肺炎球菌、黄色ブドウ球菌が多い。肺炎球菌は政府のキャンペーンもあり自らうってくれる患者さんも増えたが、高齢者の患者さんには肺炎球菌ワクチンの接種の有無を確認するようにしている。重症肺炎にはMRSAの可能性も考えた抗生剤投与が必要である。
 合併症のリスクが高い人とは、乳幼児や2歳以下の児童、肺疾患患者、慢性心疾患、糖尿病、免疫不全と悪性腫瘍、65歳以上の高齢者という項目があげられている。抗がん剤治療を受けておられる高齢者となればこのうちの3つ以上のリスクをあわせもつこととなる。インフルエンザのワクチンは治療中であれば受けられないことも多く、できるだけ暴露をうけないようにしてもらうようにすること(家にこもる)、家族にワクチン接種してもらうことをすすめている。流行シーズンになったら予防投与として薬をもっておくことを希望されるかたもいるがそれは私はしていない。予防投与はあくまでも家族がかかり濃厚接触してしまっている場合のみ処方し、本人が症状があり診察をしてから処方するようにしている。
 また合併症として重度の中枢神経症状をきたす急性脳症としてのインフルエンザ脳症もある。
2009年のAH1pdm09のパンデミックの時には多かったようだ。小児に多いと注目されているが、成人でも6年間で20歳以上で138人におきている。死亡率も10%程度と高いため免疫抑制患者の合併症として注意が必要である。