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小児がんサバイバーの心疾患は?

各地で異常な暖かさがみられており、水仙がすでに満開になっていたり、梅が咲き始めたりしているという。梅祭りも時期が合わないなんてことがおきそうである。

さてがんサバイバーという言葉をご存知だろうか。我々は小児がんを生き延びた人(がんサバイバー)が、そうでない人に比べてその他のがんの発生率や心臓疾患など長期的にどうなのかということを、内科医が診ていく必要があるという述べてきた。
我々の使用する薬剤には心毒性が多いものがある。放射線を乳がんやリンパ腫でも胸に照射する。それらは心臓の筋肉や血管に対して悪いことをするはず。ということでその発生率をみた報告がある。<次へ続く>

小児がんサバイバー(がんを生き延びた人)18歳以上のがんに関連する心毒性を追った研究。18歳以上1853人を調査している。大規模なアメリカの小児病院からの報告だ。平均のがん罹患年齢は8歳、評価を受けた年齢の平均は31歳。

その調査では心筋症となったのは全体の
7.4%、冠動脈疾患3.8%、弁疾患28%、リズム異常4.4%、そのほとんどは無症状であった。心疾患は年齢とともに持つ比率が上昇し、3039歳では324%、40歳以上となると1037%となる。
アンソラサイクリン系(アドリアマイシンなど。急性白血病やリンパ腫などで使用されることが多い)の薬剤が250/m2を超えると、心筋症の比率はそうでない場合に比べて2.7倍、心臓に放射線が当たっている場合の心筋症の比率はそうでない場合に比べて1.9倍。1500cGyの放射線と、アンソラサイクリン系の両者があると心筋症の比率は最も高くなる。つまり放射線が当たっていて心毒性のある薬剤を使用していると、無症状でもより注意してみていく必要があるということだ。ただしこの研究の問題点としては対照群が十分調査出来ていないこと、縦断的な調査が出来ていないことがあるということが挙げられている。

内科医が以前の病気はなんですか?と聞く時に、患者さんの中には治ってしまっていると病気とは思っていないことも多いし、幼い頃だと本人がどんな治療をうけていたかは親しか覚えていないこともある。でもその情報はとても大切であり、小児の頃にがんをした人はどこでどんな治療をしたか、親がいなくなってもいいように自分で知っておく必要がある。

Ann Intern Med. Published online 5 January 2016