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カリニ肺炎の治療ST合剤は減らせるかも?

ニューモシスチス・カリニ肺炎(PCP)は、ステロイドを長期に投与されたり免疫が低下している患者さん、さらに高齢者の悪性リンパ腫ではしばしば問題となる合併症である。
肺炎になってしまったときに治療に使用される薬剤は通常trimethoprim-sulfamethoxazole(2種類を合わせた製剤 ST合剤:商品名バクトラミン)で、これを高容量(予防投与では1日1T少量内服したりするが)、1日trimethoprim換算で15-20㎎/kgを2-3週間使用する。
腎機能障害、低Na血症、高K血症、肝障害など副作用も多く、投与の際我々は常に注意を払わなくてはならない。そこで、オランダの研究者たちは少し減量してみて効果が同じかどうか調べる研究を行った。Infection 2015 Oct 15; [e-pub]<次へ>


104人のPCP患者さんを対象に、すべて減量した治療が行われた。
80人は中間的な量(trimethoprim換算で10-15㎎/kg )で2週間以上治療、24人は中間量を4-5日使用して良ければさらに低用量(trimethoprim換算で4-6㎎/kg )に変更して治療をした。ここには血液疾患の人も含まれている。
そのように減量できた人は血液疾患、HIV、臓器移植後などの疾患では差がなかった。30日間の全死亡率は低用量へ減量出来たほうが低くでた
(30-day mortality, 4% and 16%; P=0.13; 100-day mortality, 8% and 25%; P=0.08).。入院期間に減量しても差がなく、かえってICUに入る比率は低かった。以上からニューモシスチスカリニ肺炎の治療は、これまでの量よりも少なめで効果がありそうであり、また効果が早く現れる人ではさらに減量できるのかもしれませんとのこと。
重症の場合これをすぐ鵜呑みに出来ないかもしれないが、副作用の強い人や経過が良い人では、減量してもさほど影響ないのかもしれない。