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松方弘樹氏 脳リンパ腫治療

俳優の松方弘樹さんが脳リンパ腫になり、抗がん剤治療が開始されたとの報道がありました。
脳リンパ腫について、NCCN(アメリカのがんのガイドライン)から抜粋したものをまとめてご紹介します。

脳リンパ腫は全体の脳腫瘍の3%を占めるもので非ホジキンリンパ腫が多く、脳実質だけでなく脊髄、眼球にも広がったりします。脳実質に入るのが90%以上、目に入るのが10-20%程度とされます。HIVに多いリンパ腫としても知られていますが、免疫不全がなくても発症します。症状は色々で43%が意識障害、33%が脳圧亢進症状(頭痛など)、14%がけいれんというデータがあります。診断は脳の生検が一般的です。脳圧を下げるためにステロイドを使用すると頭痛が減少したりしますが、リンパ腫であると縮小してしまうこともあるので、診断がつくまでは脳浮腫が強くなければ待ちます。
診断がついたら眼科的な検査、髄液検査、他に転移していないかを考えて、CTなどの検査を行います。その後治療としては大量メトトレキセートを含んだメニュー(単剤で行うことも)を行います。副作用としては腎障害が問題となり、大量の輸液が必要です。また放射線療法も適応となりますが、60歳以上では認知症を含めた神経障害の頻度が高いため、まずは化学療法(抗がん剤)を行うことが多いです。残存病変に対してあとで照射を追加することもあります。

当院では脳だけにあるリンパ腫の患者さんは脳神経外科で治療されることが多いですが、精巣や副腎、乳房からのリンパ腫は脳にリンパ腫として出ることもしばしばあり、これらは当科で治療をしています。
私の患者さんに精巣から脳転移した患者さんがいますが、80歳を超えても抗がん剤治療を(減量していますが)続けていて元気です。松方さんも頑張っていただきたいと思います。