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高齢者にみられるクローン性造血

暖かくなったと思ったらまた寒くなり、1日で10度も最高気温の差がある寒暖の差が激しいこの頃です。梅の木の向こうでめじろのカップルが体を寄せ合っています。

さて、急性白血病は若い人に多いと誤解されている一般の方は多い。ニュースで芸能人が報道されるからでしょうが、実は急性白血病の平均年齢は65歳前後。じゃあ、高齢者になぜ急性白血病が多いのか?それは正しくは証明されていないが、ヒントになる理論はあります。
2014年に大きな医学雑誌に複数論文が出されました。健常人でも一部の高齢者では血液を調べると、ある遺伝子異常をもった同じクローン(祖先が同じ)の細胞が増殖していることが判明しました。65歳以上では約10%にそのようなクローン造血がみられるそうです。しかもこの遺伝子異常は急性骨髄性白血病でみられる遺伝子変異と共通なもの(DNMT3,TET2,ASL1)があること、そしてこのような人たちはそれらのクローンがない人と比べて血液のがんになる確率が高いということが解っています。じゃあ異常がある人すべて、やがて急性白血病になるのか?というとそうでもないのです。一つの遺伝子異常では急性白血病にはならないとされています。今、仮説としてはそういう遺伝子異常のあるクローンがいるところで、さらに一つ、二つと遺伝子異常が加わることで、急性白血病になるのであろうと考えられています。また、おもしろいことにそのようなクローン造血をしている患者では冠動脈疾患や脳卒中の発生比率も高いそう。老化の機序の秘密がそこにありそうな予感が大いにします。
でも、まだその遺伝子異常があるうちに(しかもまだ発症していないうち)予防投与をしたら白血病にならないのか、予後は良いのかどうかは全く分かっていません。