湘南鎌倉総合病院
  • 湘南鎌倉総合病院ホーム
  • 湘南鎌倉総合病院アクセス
  • 湘南鎌倉総合病院お問い合わせ
  • 湘南鎌倉総合病院プライバシーポリシー

 

メルトダウンの事実 NHKスペシャル

今年3月11日 東日本大震災から5年。テレビ番組では色々な特集や取材が組まれていたが、観るのがなんだか辛くて途中で止めてしまうものもあった。
あの時のことを思い出す。
私は外来診察室にいて書類を記入していたらカタカタカタカタと机が小さく揺れはじめ、そのあと大きな横揺れになった。すぐにオンコロジーセンターに行った。上から配管されている酸素の管がぶらんぶらん揺れ、リクライニング椅子で点滴治療をしている患者さんは倒れてはいなかったが、揺れて怖がっていた。点滴棒からぶら下がる点滴も揺れていた。一部トイレが使えなくなりエレベーターは動かず、私の患者さんが中に閉じ込められた。帰宅出来ない患者さんはオンコロジーセンターに泊まってもらい、おにぎりと水道水で夜を過ごしてもらった。21時過ぎに電気が復旧したが、復旧しなければ深夜0時で燃料がなくなり自家発電もままならないと言われていた。人工呼吸器が使えなくなり、我々が手動でバック換気をすることも考えていた。すでにその頃、福島原発のメルトダウンは始まっていた。
3月13日放映されたNHKスペシャル『原発メルトダウン 危機の88時間』をみて、今知ったことも多い。東日本全部が人が住めない、日本国の半分が使い物にならなくなるかもしれない、格納容器そのものの爆発破損の危機がせまっていた震災直後88時間。現場の危機感たるや、戦争以上の緊張状態であっただろう。自分の命も仕事とともに失われるかもという、特攻隊のような気持ちだった人もいただろう。作られた番組とはいえ当時の人々の混乱の中で、しかし国のため何とかその危機を脱しようとしていた真実が、我々にも分かりやすく伝えられていた。これを記録として残して語り継ぐことが大切だ。そしてこんな危険な原発を、せめて他国に売るなんてことはしてほしくない。