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くすぶり型多発性骨髄腫 Smoldering multiple myeloma(SMM 無症候性骨髄腫)

雑誌名

blood 2014;124(23)3380-3388

1.くすぶり型骨髄腫 
 早く進行するものからほとんど進行しないものまでいろいろ含まれている。
 定義はM蛋白が3g/L、モノクローナルな形質細胞が骨髄で10%以上である。
 現在明らかな進行リスクを分類できる分子マーカーはない。

2.SMMからMM(症候性の多発性骨髄腫)への移行は最初の5年は年間10%、次の5年は年間3%、
  次の10年は年間1%である。

3.どんな人がMMに移行する率が高いか?
  Mayo clinicの基準 骨髄の形質細胞が10%以上、M蛋白が3g/dl以上 FLC比が
              <0.125 もしくは  >8
  PETHEMA基準 形質細胞の95%が異常な形質細胞でCD38+CD56+CD19- 
              他のグロブリンが低下している。
  そのほかにIgA型(IgGに比べて)、尿蛋白陽性、血中に形質細胞が出現、骨髄の形質細胞比率が高い、
  MRIの異常(髄外造血、骨病変)

4.どのくらいの比率でみていったらよいか。
   IMWG2010年のガイドライン
    診断後1年目は2-3ヶ月ごと
    次の1年目で4-6ヶ月ごと
    落ち着いていれば6-12ヶ月ごと
    High riskな人はもっと頻回に。

5.腫瘍の増殖
  クローン性に細胞増殖しているが、複数のクローンが最初から存在しているとされる
        メカニズムとしては染色体異常(immunogloburinへの転座)があってまず悪性形質細胞への 
        driveがかかり、その後2つ目の変化がおきて進行、増殖していくと考えられている。
        N-RAS.K-RAS、MYCのupregultion,染色体1番の異常はいずれもmonoclonal gammopathy of
        unknown significance(MGUS)、SMMから症候性の骨髄腫への進行と関連があるとされる。

6.Epigeneticな変化 
        SMMについてはよくは解っていないが、症候性多発性骨髄腫ではプロモーター領域のメチル化、
        特にP16のメチル化が進行に関係していると言われている。

7. microRNA
        microRNAもMGUSとMMでは違うことが解っていて、血中のmicroRNAがMGUSの進行に関与
        しているという報告もある。

8.治療の基準
  基準は症状がでるまでwatch and wait
  しかし早期の治療介入は症候性骨髄腫への進行を止められるだけでなく、すべての悪いクローンをなくせるかも
  しれない。現在どのような症例におこなっていくか研究段階である。

  治療としては
  (1)1990年代にMP療法 初期治療介入は、何ら有意な点は見いだせなかった
  (2)bisphosphonate 骨関連事象の低下なし
  (3)thalidemide+zoledronate  PFSが炎症した(29ヶ月VS14ヶ月)
  (4)Lenalidemide+DEX  3年のPFS 77% VS 30%
     3年のOS 94%VS 80% 治療介入は良い傾向であった