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たかが便秘されど便秘

便秘は化学療法を行う患者さんでは頻度の高い副作用である。私は研修医に<たかが便秘、されど便秘>といつも言っている。ステロイド、ビンクリスチンという薬剤を使用するCHOP療法という悪性リンパ腫のコモンな治療では、治療初期にほとんどの患者さんが便秘を自覚する。薬剤が影響すると考えられているが他に食事摂取の低下、環境の変化なども便通に関係する。

さて、なぜ便秘が良くないかというと便が出ないと硬い便が肛門付近にたまる。それが局所の血流粘膜の低下をきたし、また必死に出すときに粘膜を傷つける。場合によっては浣腸する(血球減少している人にはできるだけしないようにする)。それが免疫力が低下したときに発熱の原因となり、ひどくなると肛門周囲膿瘍をきたす。
また便秘だからと下剤を大量に使用すると、蓋をしていた固い便が出たあとに下痢が始まり、また食事が摂れないということになるのである。全身管理に影響してくるのだ。
またあまりにも固い便がなかなか出ないときには直腸に潰瘍が出来、大量の鮮血の下血をきたすことがある。これらは宿便性潰瘍と名付けられている。また便秘がなくても長期臥床をしている基礎疾患のある高齢者には直腸潰瘍が出来ることがあり、急性出血性直腸潰瘍という病名が付けられている。急性出血性直腸潰瘍はストレスや臥床などによる直腸粘膜の血流低下を基礎に発生すると考えられている。いずれの疾患も大量出血をきたすため、速やかに診断して内視鏡でクリッピング術などの積極的治療を行う必要がある。しっかり止血できれば治癒傾向は良好であることが多いが、ダメな時には外科的に出血している部分を結紮、時には切除の必要なこともあるという。
<便秘の管理は抗がん剤治療ではとても大切であります。>