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high riskの多発性骨髄腫の治療方針

雑誌名

Blood2015;126(13)1536-1543                     Sagar Lonial,  Winship Cancer institute of Emory University

1.リスクに関係のある項目
(1)腫瘍量:β2MG、血清アルビミン →ISS III(β25.5mg/mL以上)
(2)腫瘍生物学:髄外腫瘤 →形質細胞性白血病、形質細胞腫 ともに予後不良
          増殖能 →plasma cell labeling index  実用的でない
(3)遺伝子  細胞遺伝学的→ del(17p),1q21+
         FISH  t(4;14),t(14;16), del(17p),1q21+,1p delesions
(4)gene expression 

2.かつての治療によるステージングと平均生存率
 ISS I (Alb>3.5, β2MG<3.5)  平均生存率 62ヶ月
 ISS II  (β2MG 3.5-5.5)             平均生存率 44ヶ月
 ISS III (β25.5mg/mL以上)        平均生存率 29ヶ月

3.研究グループにより少しずつhigh riskの定義が異なる
(1)ISS II/III+少なくも一つの染色体異常
(2)del17P, t(4;14)
(3)1q21+,t(4;16),t(14;20)

4.髄外腫瘤
 血中の形質細胞、髄外の形質細胞ともに予後不良
 さらに髄外腫瘤のうち、軟部組織由来の腫瘍は骨由来の髄外腫瘤より予後不良
 形質細胞性白血病では点滴挿入部分や手術部位などにも腫瘤を形成したりする。

5.high riskの人の治療の基本
(1)遺伝子的に不安定なので遺伝子毒性の強い薬剤、つまりアルキル化剤は治療抵抗性、腫瘍の進行を早めて
   しまう可能性がある。維持でも出来るだけ使用しない。
(2)治療では寛解導入と地固め療法においていかに深い寛解にもっていくかが大切。
   また反応の早さも大切である。
(3)最近の新規薬剤ではCR率は標準リスクとhigh riskで変わらないが、寛解に達してそれを維持することが
   長期的なPFS,OSに大切。

 

6.High riskの人に対する各々の治療薬の位置づけ
(1)Thalidemide high risk の人にはルーチンに使用しない。維持療法としても治療効果のimpactは低い
(2)Bortezomib high riskの人で染色体異常があろうとなかろうと効果はあり。t(4;14)はBD療法にて
   打ち勝つことができるが、del(17p)は打ち勝つことができない。
   TD(Thalidemide+DEX)にBorを追加することでt(4;14)の-効果は消失する。
   Total therapy 3 t(4;14)のPFSにおけるnegativeな効果を消失させる。
   HOVON 寛解導入から維持療法にかけてBortezomib
    ハイリスクのnegative効果は減らせるが完全には消失させることはできない。

 <これらの研究からBortezomibはt(4;14)のnegativeな面を減らせる>
(3) Lenalidemide Ld(Lenalidemide+DEX)ではt(4;14)には打ち勝てるというものもありそうでないものも
    ある。Del(17p)に関してはだめである。
(4) Carfizomib   CRD(Carfizomib + Lenalidemide+DEX)ではhigh riskにもinpactがあるが完全には
    打ち勝てない。
(5) Pomalidemide+DEX del(17p)には利益があるが、t(4;14)には効果なし
(6) Proteazome inhibitor(Bortezomib, Carfizomibなど)+IMid
    RVD (Lenalidemide+Bortezomib+DEX) Lenalidemideに耐性であってもまたBortezomibに耐性で
    あっても非常に効果が高いし治療期間も長い。
    Carfizomib + Pomalidemide+DEX も70%以上の効果が治療抵抗性に対してみられ効果が高い

(7) tandem 移植 high riskに対しては良いという施設もあり
    4年の全生存率が1回移植では33%、2回では76%というデータもあり
    Bortezomibにて寛解導入を試みて完全寛解にならなかって症例ではtandem移植をすることによるメリットが
    あるであろう。High riskでは深い寛解にはいることが大切である。

(8)同種移植 臨床試験で

筆者のすすめる現時点での方針は・・・
移植適応high riskでは
RVD3-4コースで寛解導入、その後早めに自家移植、del(17p)があれば移植後60日でRVD地固め療法、維持療法に入る。t(4;14)ならBortezomibで地固め、維持療法