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アメリカの救急診療での抗生剤医療の実態は?

アメリカでは国家行動計画として薬剤耐性菌を抑制するために、2020年までに不適切な抗生剤使用を50%減らすという国家目標をたてた。日本もこれに追随する形で2020年までに33%を減らすことが目標としてだされた。とはいえアメリカでも「抗生剤使用の実態は?」ということで、2010-2011年の救急医療ケアの調査をもとに調べたデータが発表された。(JAMA. 2016;315(17):1864-1873)

18万4000件にも上る受診歴のうち抗生剤が処方されたのは12.6%。なかでも頻度が高いのは副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎。これら急性期の呼吸器感染では1000人中221処方の抗生剤がだされていることになるらしいが、うちガイドラインに即して正しく処方されているか調べたところ約半数が不適切使用だったという。また全疾患、全年齢でみたとき1000人あたり年間で506処方だされており、3分の2は適正使用であったという(3分の1は不適切)。スエーデンは抗生剤使用の少ない国であるようだが、そこでのデータは1000人あたり328処方というからまだまだである。

これらの実態を踏まえてアメリカでも抗生剤の処方内容が今後4年以内に大きく変わっていくであろう。やはり一番は特に健康なかたの上気道炎、咽頭炎、鼻炎に対する抗生剤処方の制限ではなかろうか。
薬剤耐性菌は体力の落ちた高齢者、免疫が著しく低下した我々の病棟の患者さんでは治療選択が制限されたり何れも効果がなかったりと難しい。なかなか治癒しないし全身状態の回復も遅れる。院内感染の広がりも問題だ。日本でも厚労省がどのように指導していくのか見守りたい。