湘南鎌倉総合病院
  • 湘南鎌倉総合病院ホーム
  • 湘南鎌倉総合病院アクセス
  • 湘南鎌倉総合病院お問い合わせ
  • 湘南鎌倉総合病院プライバシーポリシー

ブログ

テロメア短縮と骨髄不全

テロメアとは、染色体の先端に存在するキャップのようなもので染色体を守る働きがあります。テロメアは「TTAGGG」という塩基配列の繰り返しから成り立っています。これが長いほどヒトも長寿になるとされますが、テロメアは年齢とともに短くなっていきます。しかし幹細胞、生殖細胞、ガン細胞の3つにあるテロメアは短くならないとされています。テロメアが障害をうけると話しは別です。細胞がアポトーシスに向かったり染色体の不安定性をもたらします。
そのテロメアの修復にはテロメラーゼ複合体が関係しています。これがうまく働かない状況になるとテロメアは短くなります。これが老化に関係したり一部の病気に関係していることがわかっています。テロメアの短縮による疾患を総じてtelomeropathyとか、telomere maintenance”disordersといわれています。この疾患では我々のみるような骨髄不全のほか、肺線維症、肝線維症などがおきたりがんのリスクが多くなるとされます。

このテロメアに関係する疾患として<先天性角化不全症>という病気があります。爪の萎縮、口腔内白斑、皮膚色素沈着を3徴とする先天性造血不全症候群である。この疾患ではこれらの古典的症状を併せ持つ典型例以外にも、多彩な全身症状を呈する例から血球減少のみの例まで多彩な臨床像を示すため診断が難しいことがあります。近年の遺伝子変異のスクリーニングにより、特発性再生不良性貧血患者や特発性肺線維症と考えられていた患者のなかに、この病気の不全型が含まれている事が明らかにされています。本症における死亡原因としては造血不全が最も高いとされます。爪の萎縮と皮膚色素沈着が10才までに出現し、20才までに骨髄不全が出現し、30才までには90%の症例が骨髄不全を発症するとされます。若い造血不全の中に隠れているかもしれないということです。その病態も細かく解明されています。診療の参照ガイドがネットでもみることができますのでご参照ください。

さて20世紀半ばから再生不良性貧血に対して蛋白同化ステロイドであるダナゾールは経験的に使用されてきました。私も輸血量が減る症例を経験していますが、男性か兆候や肝障害など副作用もある薬剤です。なぜきくのか?と思ってきましたがどうやら性ホルモンにはテロメラーゼを直接制御する作用があるということなのです。

ダナゾールが投与され血球回復していくときに、テロメアの長さがどうなるのかを人で研究した論文が有名な医学雑誌NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINEについ最近発表されました。とても興味深いデータなので次回紹介します。