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多発性骨髄腫のlecture meeting in 東京

紫陽花の季節がやってきました。家庭の庭や公園、道路など様々な場所で色とりどりの紫陽花が楽しめ、歩いていても楽しくなります。
さて、この日東京駅近くのカンファレンスルームで、東日本の骨髄腫を診ている先生方が症例を出し合いながら語る会『Lecture Meeting for Multiple Myeloma』が開かれました。基礎研究から各骨髄腫の治療薬の効くメカニズムを解明されている自治医科大学の古川雄祐先生、日本赤十字社医療センターの鈴木憲史先生のお話しがあり、その後一般臨床の先生方による症例提示がありました。

昨年panobinostat, ファリーダックという薬剤が治療抵抗性の骨髄腫の治療薬として発売されました。下痢が副作用としてあり全身倦怠感も強いこと、ベルケイド、デキサメサゾンと併用すること、スケジュールの複雑さなどからなかなか使用頻度が急激には増えていないようなのですが、それをどのように骨髄腫の治療にいれていくかという点が議論されました。
上手く使われている先生の話では副作用に慣れ、そのマネージメントを上手くすることが大切のようです。血小板低下がしばしばおきますが、そのメカニズムは血小板が巨核球からうまく引きちぎれて分離出来ないためだそうです。同じことはベルケイドでの血小板低下でも起きているそうです。また全身倦怠感が強い、これは炎症性のサイトカイン、特にTNFαが増加することとも関係しているようで、少量のステロイドが投与時に入るようにしてあげるのが良いだろうと。患者さんは5日目がきついということが多いようです。
またこの薬剤、副作用の出方に個人差が大きいそうですが、これはCYP3A4(肝臓における酵素)による代謝を受けるからで、デキサメサゾンを併用するときには血中濃度が下がる、マクロライド(クラリスロマイシンなど)、アゾール(真菌の薬剤)などを使用するときには効果が増大することも知っておかなくてはならないとのこと。
また鈴木先生のお話はこれまでの治療の歴史を述べられ、近年治療薬のコストが増大している骨髄腫治療をこれからどうしていくのが良いのか。一部の人は治る。その医療経済の面からも出来る人(治療に耐えられる人)は早めに出来るだけ深い寛解(治療薬を強く効かせて骨髄腫細胞を減らした状態)にいれて、その後3年位で治療を終わらせるようにもっていくべきではないか、と述べられていました。私もそれには同感です。
骨髄腫は生存期間が長く伸びている分医療費もかかり続ける。これからは蛋白が増加してきたらもぐらたたきのように治療を続けるという方式ではなく、スケジュールを決めて医療資源を大切に使用しましょうということを推奨していきたいということでした。海外では新規薬剤が日本ほど自由には使えないようです。