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ブログ

ヒアルロン酸 関節内注入の効果は?

血小板が減少している患者さんが変形性関節症にて悩んでいて相談をうけた。関節内にヒアルロン酸いれるのどうですか?と。

さてさて、血小板数がいくつだったら安全に関節内にいれられるという研究はないが、一般的な穿刺検査や穿刺処置ではだいたい5万/μL以下ではしないほうが無難である。患者さんにはそのように伝えた。

じゃあ、輸血してやってみる価値は?
実はヒアルロン酸の関節内注入に関しては諸説あり、いくつかの研究論文も出ている。論文的にはそれほどの効果はなしというのが今の説である。

2015年12月に出た論文。ヒアルロン酸を変形性関節症の関節にいれて本当に症状が改善するかどうか研究論文をまとめて解析(メタ解析)したもの。19の研究論文(治療群で30人以上いる、4週間以上フォローアップしている論文)を拾ってきて解析すると、ヒアルロン酸の関節内注入は痛みのスコアを29%改善する効果はもつものの、ノンブラインド(患者が薬が入っているかどうかがわかる方法)で行った研究ではその効果の実感が非常に良くなる結果が出ている。ということから、治療効果は少しはあるがプラセボの面が大きいのではないかと述べている。(J Bone Joint Surg Am 2015 Dec 16.)
またもう一つの論文。最近でたもの(J Bone Joint Surg Am 2016 Jun 1.)。痛みのある変形性関節症に対してヒアルロン酸を投与するかステロイド(トリアムシノロン)を投与するかランダム化比較試験(どちらに投与するかランダムに選ばれる研究方法)を行った論文である。110人を対象に行われた研究で、両群ともに6か月のフォローアップで投与前よりも改善はみられ、2週間でも改善の程度はステロイドの群で大きかった。ただしその後では両群に差はなかったという。
結論からいえば少しは効果がある人もいるし、ない人もいるというところか。臨床の先生では感覚的に30%くらいは改善し、20%は効果なしといっていた。2013年アメリカの整形外科学会はヒアルロン酸は効果なしとの声明を出している。10年以上前から同じようなテーマのことが出てくるので、決着はつききっていないということかと思う。
この患者さんには輸血してまで効果が期待出来るものではないかも・・・とお伝えした。