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ダニによる感染症:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

虫刺されの季節がやってきた。蚊やダニには注意!と防虫スプレーなどがよく店頭に売り出されている。
ディートはアメリカ疾病センター(CDC)でも有効性が証明されている物質で米国では30%以上の高濃度のものがあるというが、日本製品は濃度が低く最高でも12%程度(薬事法で決まっている)。濃度が高いほど忌避効果の持続時間が長いようである(海外製品のほうが長時間効くってこと)。乳児への使用は避けたほうが良い。また、変わりにユーカリ油もディートと同様の効果が認められるらしい。

さて平成23年に初めて特定されたSFTS。一時重篤化する症例があることから話題になった。私は経験がないが、血球減少が著しくくることから血液内科に紹介されることもある疾患である。このSFTSはウイルスに感染することにより引き起こされる病気で、マダニが媒介する。主な症状はマダニに咬まれてから6日から2週間程度の潜伏期間を経て、発熱と消化器症状がみられる。重症化し死亡例も報告されている。平成25年1月に初めての症例が確認され、現在までに全国では20府県で176例(うち47例で死亡)(平成28年4月27日現在)。発症は西日本に多く、死亡例も決して少なくない疾患だ。多くの場合ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染しているが、感染患者の血液・体液との接触感染も報告されている。<続く>

これを媒介するマダニと家庭内に生息するダニとでは種類が異なる。主に森林や草地などの屋外に生息しており市街地でも見られ、日本全国に分布している。
皮膚に口器を差し込み、セメントのような物質によりしっかり固着しる。マダニは身体にとりついてすぐに刺すのではなく、体のやわらかい部位を探して刺す習性がある。予防はとにかくマダニに咬まれないようにすること!(特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意が必要である)
マダニがついたらすぐ、とにかくつぶせばいいのか?いやいや違う。
マダニ類は体部をつまんで引っ張ると口器がちぎれて皮内に残ってしまうことがあるため、口器を残さない方法で除去する必要がある。
マダニをつぶしてしまうとそのマダニがもし病原体を持っていた場合によくないので、マダニはつぶさず慎重に除去する必要がある。
症状がない場合は医療機関への受診は不要。咬まれた後数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けてほしい。我々は疑われる疾患患者がきたらに保健所に連絡して血液・尿を提出し、ウイルスを検査するとともに血清で抗体の検査をする。特効薬はなく全身管理が必要になる重症例もある。入院したら管理としては手袋、ガウン、ゴーグル、N95マスクなどをして特別管理することが求められる。

虫刺されの季節、その後に発熱と血球減少で患者が来院した時にはデング熱とともに鑑別に上げなくてはならない疾患である。