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T細胞性リンパ腫の勉強会 in 湘南鎌倉

最近製薬会社が主催して行う勉強会は、外の会場で行うことよりもネット回線を通じて院内で開催するものが増えてきている。良い点はすぐに会場にいけること。良くない点としては外出しないことで気分転換が図れない、他施設の先生との情報交換が出来ない、やはり仕事のあとで眠たくなることなどがある。
さて、この日はT細胞性リンパ腫のWeb講演会が院内で開催され、久留米大学医学部病理学教授の大島孝一先生と、九州大学加藤光次先生が末梢性T細胞リンパ腫について講演された。大島先生の話は多くの病理標本をみている経験に基づくもので、特に参考になったものとしては表面抗原蛋白の陽性、陰性の結果がフローサイトメトリーと染色法で異なること(細胞表面のCD3と細胞質内のCD3では結果が異なってでること)、一つの検体に複数の組織像が含まれているとき染色体異常がみられた場合、細胞増殖回転の速いほうの染色体のみが出てきて全体を示しているとは限らないこと、T細胞性リンパ腫がヘテロな細胞集団(色々な種類が混じっている)であること、さらにその中の各分類された組織の中でもまたヘテロであるということを述べられていた。またT細胞のクローナリテイー(一つの細胞由来であること)を示す遺伝子再構成という検査(主にTCR Cβ)は腫瘍細胞の数が少ないと出ないこともあり、それだけで判断は難しいことも注意が必要な点である。

また治療としてはT細胞性リンパ腫はホジキンリンパ腫やB細胞性リンパ腫と比べても明らかに予後が悪い。通常のCHOP療法では病勢がコントロールできないことがしばしばみられる。その中でCD30が陽性であればアドセトリスという薬剤が効果を発揮する。保険的には同薬剤はホジキンリンパ腫、未分化大細胞リンパ腫のみ通るが、理論的にはその他の末梢性T細胞性リンパ腫、一部のB細胞性リンパ腫でもCD30が出ていれば効くようである。
自家移植については議論が残るところであろうようだが、CHOP療法では20~30%程度の生存率を40~50%程度上げる効果はみられるという。そこでCHOPにエトポシドという薬剤を併用してみると(15年以上前は新薬がなくて治療困難なリンパ腫によくCHOP-Eというのをやったんだよな~。知る医師は減ってきている・・・)成績はどうかという研究があり、若年者の末梢T細胞性リンパ腫では追加により効果が期待されるが、60歳以上ではそれが期待されなくなるという。この領域でも新しい薬剤がまた出てくるようである。