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ゴーシェ病と骨髄増殖性疾患の勉強会

福岡にてゴーシェ病と骨髄増殖性疾患の講演があり参加した。
ゴーシェ病は稀な疾患で、先天性疾患ではあるものの成人になってから血小板減少症、肝脾腫で見つかることもある疾患で、見逃されているとされる病気。成人でどのような形でみつかるのか、具体例を示されながら鹿児島大学医学部歯学部附属病院の吉満誠先生が講演された。
最初はWBC2000、PLT7.8万くらいで肝臓、腫大がみられたとのこと。その後受診されず、肝脾腫がひどくなったそう。ひどくなると治療しても血小板数の戻りが悪いし、脾臓も完全には元のサイズにならないようだ。そのゴーシェ病、最近では骨髄腫やM蛋白との関係も注目されているという。

また骨髄増殖性疾患のところでは日本医科大学の猪口孝一教授、順天堂大学の小松則夫教授が講演ざれた。最近では骨髄増殖性疾患ではJAK2,CALR,MPLという遺伝子異常が知られている。それらがすべて陰性の症例は全体の18%程度を占めるとされ、日本人では多いそうだ。その他に比べて若く発症しているが予後が悪い。これらの遺伝子検査は日本では保険適応がない。一般病院では真性多血症でJAK2遺伝子変異を取るくらいが精一杯である。
そのJAK2遺伝子変異をETで調べてみると、ET(本態性血小板増多症)でJAK2遺伝子変異陽性の症例は血栓症が多いとのこと。一般的にはETで若い人は治療はしないことが多いが、年齢が若くてもこれらの症例では血栓予防をしたほうが良いかもしれない。逆に低リスクでCALR遺伝子変異のある人にアスピリンを投与すると、出血が多くなるそうだ。これらの遺伝子検査をすべての骨髄増殖性疾患でやっていくことも検討したいと思った。
骨髄増殖性疾患もまた血栓症のリスクで、その理由としてWBCと巨核球は互いに刺激しあっているそうだ。それにより血小板が活性化されて血栓が起きやすくなる。そのような症例に対してはハイドレアが良いという。WBCも低下させることで血小板の凝集も抑えられるようになる。また網状血小板(若い血小板)が多い症例もトロンビンに対して反応しやすいため、血小板の凝集がおきやすい。JAK2遺伝子変異陽性のほうが、網状血小板が多いそう。これもハイドレアが良いそうだ。
アナグレリドは日本では2年ほど前から使用できるようになったETに対する薬剤である。DNA合成に影響しないので白血病発症リスクが少ないとされ、海外でも若い人に対してはハイドレアよりもアナグレリドが多く使用されているようだ(最近ではハイドレア単独ではそれほど白血病になるリスクは高くないとされているが)。アナグレリドの血小板に対する効果はゆっくりで60万以下になるのには平均99日もかかるそうで、ハイドレアからアナグレリドに変更するときは、ハイドレアは併用しながらゆっくり治療薬を移行させていったほうが良いという。新しい知識をまた得ることが出来た勉強会でした。