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International Symposium for Myeloma 2017

このシンポジウムは骨髄腫のエキズパートであるルル先生の講演の他にもおもしろい講演があり、質の高い講演会でした。基礎研究から骨髄腫の薬の効きかたを解明されている自治医大の古川先生が登場。おもしろい講演だったのでまとめてみます。
(1)骨髄腫は多クローン性の疾患でMGUSの時点で既に複数クローンがある(ancestor clone)。そこから様々な遺伝子修飾をうけて多様性が広がり、Ras,Mycなどの遺伝子変異が加わると腫瘍が広がる。髄外腫瘤が出るような状態はかなり進展していると考えられ、17p delを獲得することが多い。また急に血中に形質細胞が出てくること(形質細胞性白血病)があり、これも進展した状態であるが、このクローンはAncestor cloneから出てくるらしい。これはピーカドヘリンがなくなり骨髄のニッチ(幹細胞が隠れているところ)と相互作用が出来なくなり、血中に出てくるのではないかと考えられている。
(2)ベルケイドは形質細胞の中でも成熟した骨髄腫細胞に効きやすく、逆にレブラミドは未熟な骨髄腫細胞に効きやすい(おもしろい!!)。そのためレブラミドとベルケイドを併用して使用するメニューの治療を早めの段階でしっかり使うことは、治療意義が高いということであった。
(3)骨髄腫では今、免疫療法で話題のPD-L1が発現している。MGUS(骨髄腫の前段階)では出ていなくて、進行してくると出てくるらしい。難治性とも関係している。レブラミドには免疫調整作用があることが知られているが、このPD-L1を抑制することで自分のT細胞を活性化し、T細胞性の細胞障害が強くなるということであった。
(4)レブラミドやポマリドマイドなどを長期使用すると、それらの薬剤が効くメカニズムに重要な基質蛋白であるセレブロンという蛋白が減って効果が落ちるらしい。ここにもう一度ベルケイドを追加投与することで、セレブロンの自己分解を抑制出来ることにより、また感受性をアップさせることが出来るという(ベルケイド、レブラミドそれぞれは互いに相互補助している薬剤なんだ~)。
(5)ベルケイドのユビキチンβ5への結合は110分と短く、ベルケイドによる自己分解のことなども考えるとベルケイドとレブラミドを併用するときには4時間空けたほうが良い。
臨床家からしてもとても解りやすい、納得のいく講義でした。